【密着ドキュメントレポ】藍井エイル、「武道館は熱かった」
藍井エイルが11月2日(月)、自身初となる日本武道館ワンマンライブを開催し、集まった8000人のファンと共に場内を青の世界に染め上げた。先ごろ公開した同ライブのオフィシャルレポートに続いて、密着ドキュメントレポートをお届けしたい。
◆藍井エイル 画像
【密着ドキュメント:リハーサル】
藍井エイルの夢だった初の日本武道館単独公演当日。自身のツイッターから送った願いも届かず、この日は朝から予報通りの雨模様。気温は低く12月並の寒さだ。13時30分、取材班が会場内に入ると、サウンドチェックを終えたメンバーがまさにリハーサルを始めようとしているところだった。BARKSは2015年、ライブハウスツアーの完全密着取材を敢行したが、この武道館のステージの広さ、場内の大きさはそれとは比較にならない。しかしどうだろう。エイルバンドのサウンドは、ひとつひとつが明確に聞こえ、一丸となったバンド感はさらに迫力を増しているように感じられる。
14時00分。本番さながらのストリングスとのセッションをはじめ、演出ほか大がかりな特効の確認が行われた。ステージ前方から吹き出した火柱は会場内の温度が上がるほどで、メンバーの表情に驚きの笑みが。そして14時30分。全曲の通しリハーサルがスタートした。その凄まじさに圧倒されて身体が熱くなる。ステージ上手下手から伸びるランウェイの先には1階席の前列に届きそうなウイングが設置され、舞台中央から伸びた花道の先には藍井エイルのロゴが床一面に描かれたセンターステージまである。
これら武道館ならではの豪華な舞台セットに加え、キャストもスペシャルなもの。この日は藍井エイルバンドに、白須今(Vn)率いる総勢12人のストリングス隊、藍井エイル自身が北海道在住時代からファンで、現在も楽曲提供を受けているAoの安田貴広(G)が曲ごとにゲスト出演するなど多彩だ。
サウンドや舞台のスケールアップとともに演出部分においても、この日のために作られた映像が用意されたほか、レーザーやスモーク、炎などを用いたド派手な特効が曲をさらに盛り上げていく。なにもかも、いろんなものがとにかくいっぱい詰まったステージ。それは藍井エイルの武道館への思い、それを汲み取ったスタッフの思い、このスケール感たっぷりのステージは藍井エイルとそんなスタッフたちの「ツナガルオモイ」の結晶なのだと思ったら、リハを見ているだけで熱いものがこみ上げて泣けてきた。
そんななか、藍井エイルは初武道館に対して舞い上がることもなく、この日のためにスタイリストが手作りした衣装を着て、いつもとは違う広い武道館のステージ上での移動距離、曲ごとに変わる立ち位置、着替えのタイミングなどを入念にチェックしていく。そして、なによりも驚いたのがスケールにまったく負けていない歌の存在だ。海外ツアーを経て、さらに彼女の歌、ヴォーカリストとしての存在感は武道館に見劣りしないとんでもなくタフで大きなものに成長していたのだ。
藍井エイルには、まだまだこんな伸びしろがあったのか……と関心していると、スモークの影響で床がツルツル滑ることをジェスチャーでアピールした後、いきなりブーツを脱ぎ捨てたり、歌い終えた後に照明が暗転すると舞台のモニターに躓いて「痛いッ!」とオンマイクで叫んで転んでみたり(笑)。最後の挨拶をするときは「どこでやればいいですか? 私、武道館初心者だから(笑)」と言ってみたりして、みんなを和ませる。そんなお茶目な姿は、これまでとまったく変わりはない。だから、初の武道館ワンマンなのに、場内は不思議なぐらい平穏な空気感に包まれている。それはバンドメンバーも同様に感じていたことだった。
「今のところまったく緊張してないんですよ(笑)。武道館の前にやった海外はバンド編成が少人数のトリオだったんで演奏もかなりストイック。鬼気迫る感じでやってんたんですけど、武道館はいつもの編成なので。みんながいると心強いから、伸び伸びやれそう(笑)」──新井弘毅(G)
「武道館は確かにメモリアルではあるんですが、エイル本人もいつも通りな感じ。悪い意味での緊張とかピリピリ感とか、そういう空気はまったくないですね。この武道館前に海外ライブがあって、明日もFCイベントがある。武道館はその流れのなかの一つのライブという感じだから、変な気負いもなく自然な状態でやれそうな気がしてます」──黒須克彦(B)
「何の心配も不安もしてないです。11月2日の日本武道館はずっと前から決定していたから、ここに向けてやってきたということもあるし。準備という意味ではすでに武道館を越えて、もっと大きなステージでもやれるぐらいのものを積み重ねてきたつもりです。だから、歌のダイナミズムや演奏を含め、ライブハウスでやってたような密度をそのままに、会場だけデカくなったというライブができる気がしてます。ここのチームはね、“藍井エイルは本当に偉い。誰よりもすごい頑張ってる”っていうところでみんないつも感服していて。おじさん達にはそれについていくのが大変なんです(笑)。そういうエイルを知ってるから“エイルのためにやれることはやろう”という一致団結感がすごいんですよ。僕らはバンドとして、藍井エイルが何も心配なく歌えるように頑張るだけです」──楠瀬タクヤ(Dr)
リハーサルのほうは予定時間を少々オーバーしながらも、最後まで妙な緊張感に包まれることなく終了。そして、藍井エイルが「本番よろしくお願いします」と挨拶をした後「4年半前から夢だったんだから」とバンドメンバーとハイタッチをかわし、最後はいつもの「えい、えい、るー!」の気合い入れをみんなで行なった。その頃、武道館の外では雨もピタリと止んでいたという。BARKSは、開演直前の藍井エイルにインタビューを敢行した。
【密着ドキュメント:藍井エイル開演直前インタビュー】
──ついに迎えた武道館公演です。午前中に降ってた雨も止みましたね。
藍井:ねっ(笑)。私、“雨は降らない”ってツイッターに書いてたんですよ、自分の願望として。でも、朝は降ってたんですね。物販に並んでくれてる人たちが雨に濡れちゃってるのが、会場入りのときに見えたんで、“大丈夫かな?”と思って心配してたんですけど。止んでくれて本当によかったです。
──リハーサルも終わり、本番を直前に控えた今の心境は?
藍井:うーん……。
──ツイッター見てたら、昨日はスープしか喉を通らないぐらい緊張してたようですけど。
藍井:昨日はそうだったんですけど、今はそうでもなくて。開演前になったら緊張するかもしれないですけど……。今は緊張というよりもテンパってる感じ?(笑)。ステージが今までと違うじゃないですか。花道やウイングはこれまでのワンマンライブにはなかったんで、それにテンパってます(笑)。
──規模が大きくなると、動きとかがいつもと変わりますもんね。会場が大きくなるとスモークの量もすごくて。
藍井:“うわっ”って転ぶし(笑)。しかも私、鳥目だから、暗転すると全然見えなくなるのでアセりました(笑)。
──ところで、昨日の夜は眠れましたか?
藍井:それが、舞台はもうセッティングされてるんだと思ったら気持ち悪くなってきて、とりあえず走りに行きました(笑)。いてもたってもいられなくて。でも、さっきリハーサルの最後にみんなで“えい、えい、るー!”をしたとき、「4年半前からずっと夢だったんだから」って自分で言って泣きそうになっちゃって。本番前にあぶないあぶないって(笑)。
──リハーサルで武道館に実際に立ってみての感触は?
藍井:イベントでは立ったことがあったんですけど、今回は単独公演だからセンターステージに私のロゴがあったり。すごいなぁと思いましたね。あと、会場入りのとき武道館正面口に<WORLD OF BLUE>の真っ青な看板があったんですよ。それもすごい印象的でした。
──開演前の食事はできましたか? 今日はリハ後もご飯を食べてる姿を見かけてないですが……。
藍井:まだお腹がいっぱいで食べれないんです(笑)。会場入りして、ホットミールのお昼のメニューをたくさん食べたんですよ。だから、今食べるとお腹いっぱいになり過ぎてしまうんで、トローチをなめて喉が乾燥しないようにしてます。
──BARKSといえば、藍井エイルさんの食べ物シリーズをいつも念頭におきながら密着してきたんで(笑)、最近何か気になってる食べものがあったら教えてもらっていいですか?
藍井:粉の龍角散がすごい気に入ってて。めっちゃいいんですよ! 安田(Ao)さんに教えてもらったんですけど、喉にめちゃくちゃダイレクトに効くんです。
──さて、まもなく武道館公演が始まります。全国のライブハウスを回った<Eir Aoi LIVE TOUR 2015-BEYOND THE LAPIS->からワールドツアー<Eir Aoi -ROCK THE WORLD- 2015>へとつなぎ、迎えた武道館<Eir Aoi Special Live 2015 WORLD OF BLUE at 日本武道館>では、どんな藍井エイルを届けましょうか。
藍井:私が今まで感じた素直な気持ちすべてを歌を通して届けたいなと思ってます。曲ってライブをするごとに成長していくんですね。今回、日本、海外と、人と人との思いがどんどん膨らんでいって。いっぱいいっぱい大きくなった曲たちを今日、武道館で精一杯みなさんに届けられたらいいなと思ってます。
──ライブは楽しめそうですか?
藍井:もちろんです! 絶対楽しいと思います(笑)。
【密着ドキュメント:ライヴレポート】
武道館のバックステージ。楽屋前の廊下には、関係者から届いた花や差し入れ、ケーキなどが飾られている。ついさっきまでスタイリストとスタッフが、羽やスタッズなどの装飾微調整を手作業で行なっていた藍井エイルのオープニング衣装も無事に完成した。衣装はすぐさま楽屋に届けられ、急いで着替えを行なう。開演15分前。「結構バタバタしたね」と言いながら着替えが終わった藍井エイルはすぐさま舞台裏へ。
開演5分前を知らせる影アナのナレーションが聞こえてきた。藍井エイルが舞台裏へ到着すると、先に移動していたバンドメンバーたちが集まってくる。本番直前、緊張を解きほぐそうと身体を揺り動かすメンバーたちに向かって、藍井エイルが「さっきまでテンパってたけど、意外と冷静」と笑顔を浮かべる。その一言で、メンバーの緊張感が解けていくようだ。みんなで円陣を組み「何もかも楽しんでいきましょう!」と藍井エイル。そしていつも通り「えいえい、るー!」で気合いを入れてスタンバイ。いよいよ夢の舞台が幕を開ける。
BGMが途切れて場内が暗転すると、武道館が8,000人の観客が掲げたペンライトで青一色に染まった。青い照明は海底のようにどこまでも限りないBLUEな世界を客席に描く。オープニングは「アヴァロン・ブルー」だ。“願いごとたったひとつだけ叶えにいくよ”と歌う藍井エイル。“約束の場所=武道館”まで走り続けた藍井エイルの姿と歌詞が重なって、1曲目から胸が熱くなる。身体に響くような観客の大歓声に包まれて始まった「シンシアの光」ではペンライトとともに武道館全体が揺れた。一気に客席との距離感を縮めた後は、「AURORA」でエイルバンドも加速。変拍子やテンポチェンジを織り込んだ重厚感たっぷりの「GENESIS」へと展開すると、武道館にはたちまち青い暗闇が広がっていく。
スクリーンに真っ赤に燃えるトーチが映し出される「Back To Zero」、片仮名の歌詞が幕に次々と降ってきた「クロイウタ」。ここまでの序盤戦、エイルは青が持つダークな部分を表現。青い暗闇の底へと観客を誘った。スタッズがつけられた黒い革ジャン、青と黒い羽がつけられたスカートをはく姿に、暗闇に迷い込み一度夢を諦めていたときの藍井エイルがオーバーラップした。
ゲストの安田貴広(Ao)がアコギを奏でると、真っ白いファーベスト+ショーパンに着替えたエイルがセンターステージに登場。「A New Day」ではさっきまで重たく沈んでいた空気がふわふわっと和らいでいく。藍井エイルは、序盤のハイトーンをフィーチャーした真っ直ぐなヴォーカルから、口の中に空気をたっぷり含ませて柔らかい羽のようなタッチで届ける歌い方に変えてきた。「Roses」からはストリングス隊も加わり、その歌声がどんどん鮮やかな色を放ち出したところで「虹の音」へ。ここは中盤のハイライト。白いスモークに包まれたステージの彼方にあるスクリーンに映し出される四季折々をストリングス隊がピチカートで鮮やかに描き、その先の希望の光へとつながる歌を藍井エイルがダイナミックに届ける。この光景にポジティブな気持ちが重なり、武道館に虹のアーチを作った中盤のフィナーレは、きっとみんなのなかに忘れない景色となって刻まれたはずだ。
「しっとりした曲が続いて、みんな体力、あり余ってるんじゃないの? 次は思いっきりタオルをふれる曲です」──藍井エイル
感動の余韻に浸る観客に向かって、こう語りかけて始まった「コバルト・スカイ」からは、光に包まれた明るい曲を3連発。「もっと武道館、声聞かせて~!」という煽りに導かれた“Oiコール”と、コーラスパートを客席が叫ぶような「サンビカ」、音源以上のバンドの一体感が観客をグイグイ楽しませた「ゆらり」と、青が持つホワイトサイドをこのブロックで表現していく。夢を諦めていた自分が、あるとき歌い手として一筋の希望を見い出し、その歌を好きだと言ってくれる人たちの明るい光に照らされていく様は、歌手デビューしてからの藍井エイル自身そのものだろう。
この後、世界各国を訪れたエイルが地球儀の上で一つにつながっていく映像が流れ、ゴールドに輝くラメのジャケットをまとったエイルが登場。ストリングス隊とともにバラード「青の世界」を初披露した。椅子に着席して、静かに耳を傾けペンライトを掲げるオーディエンス。藍井エイルの安定感ある伸びやかな歌声が武道館を包み込む。
武道館初披露曲として同郷の先輩GLAYのHISASHIが書き下ろした最新曲「シューゲイザー」をはさみ、「INNOCENCE」からはライブのテッパン曲を浴びせかけた。バンドと観客が”WowWow”のコーラスをシンガロングする「Bright Future」、藍井エイルがセンターステージにステイして観客と息の合った掛け合いを聞かせた「シリウス」、ものすごい爆発音とともに赤いレーザーが走り、舞台で火柱が何度も上がるという特効尽くしの「IGNITE」では観客もペンライトを赤色に変え、激しい“Oiコール”を送った。この後半ブロックで、彼女は青が持つ燃えたぎる情熱ときらめきを表現したと言える。自身がキラキラした光をまとい歌うことでオーディエンスの希望になる。また、会場から受けとったエネルギーによって自らがさらに光り輝く。今年のライヴハウスツアーやワールドツアーで彼女が体験したことがダイレクトに織り込まれていたのだ。そうして、本編も1曲を残すのみとなったとき、藍井エイルが今の心境を語り出した。
「初の日本武道館ワンマンが決定したとき、ものすごく嬉しかった。世界ツアーを回って、そのゴールにこの武道館があったから、本当に、最初から泣き出しそうでした。こうしてひとつ夢が叶ったのは、みんなのお陰です。次の曲がラストです」──藍井エイル
そう言って始まったのは「ラピスラズリ」。“一つの夢が叶ったあとも、新しい世界に夢を見る”とこの歌を通してメッセージを伝え、本編が終了した。素晴らし過ぎて、ため息が出た。藍井エイル初の武道館は、彼女のなかにある青の世界を、自身が歩んできた人生と重ね合わせながら、ドラマチックかつリアリティーを感じられるステージ構成で見事に表現したのだと思う。
アンコールはステージが美しい星空に包まれ、ストリングス隊を加えた「MEMORIA(orchestra ver.)」をライヴ初披露。“君が私に光を教えてくれた”“ありがとう”と感謝の気持ち込めた後は、バンドメンバーを紹介し、それぞれが武道館の感想を語った。
「僕は初めて武道館で演奏してます。こんな素晴らしい日が迎えられたのはエイルに出会えたお陰。みんなにも「ありがとう」って言いたいです」──楠瀬タクヤ(Dr)
「夢のワンマン、嬉しいです」──黒須克彦(B)
「俺も武道館は初なんです。あっという間です。また最初からやりたい」──土屋浩一(G)
「僕も武道館は初めてなんですけど、すごい景色です。青い世界で。今日のタイトルに合ってる」──新井弘毅(G)
「今から3年前、エイルの初ワンマンが渋谷duo MUSIC EXCHANGEであって。そのときに「私、3年後に武道館やります」と宣言してたんです。有言実行のエイルに感謝です(※この言葉にエイルの瞳から涙がこぼれ落ちた)。そして、何よりもエイルを武道館に立たせてくれたみんなに感謝しています」──重永亮介(Key)
手で涙をぬぐい、ゲストの安田を招き入れて「HaNaZaKaRi」をみんなでジャンプしながら届けた後は、藍井エイルが「ここで緊急告知!」と映像を通して2016年の予定を発表した。まず2016年発売予定の人気ゲーム『デジモンワールドーNext Oder-』の主題歌を担当すること、そして3月から全国16都市を廻るライブハウスツアー開催がスクリーンに映し出され、観客を驚かせた。
「さあ、すごく嫌だけど……すごく嫌だけど次でラストです」。そう言いながら涙をこぼした藍井エイルは一生懸命こらえながら言葉を続けた。
「武道館でライヴをやりたいと思い続けて、やっとやっと叶えることができて嬉しいです。出会ったすべての人に感謝してます。ありがとう。自分の思いは歌と同時に届けることができたと思っているんですけど、届いてますか? みんなとつながることでここまでこれたので、これからみんなにもっともっとたくさんの想いを届けたい。この想い、みんなに届けーっ!!」──藍井エイル
そして演奏されたのは「ツナガルオモイ」。アリーナに銀テープが舞い、武道館のすべての照明が点いて眩しい光と感動に包まれたまま藍井エイル初の武道館が終了した。恒例の“えい、えい、るー”は武道館特別バージョンとして5回締め。最後に藍井エイルが生声で「武道館ありがとう! またやろうね!」と叫んで、ステージを後にした。
舞台から降りてきたエイルは「お疲れさまでした。ありがとうございました!」とバンドメンバーやスタッフとハイタッチ。しかし感動の余韻に浸る暇もなく、すぐさま終演後に行なわれるファンとのハイタッチ会に備えて準備がスタート。そのなかで、少しだけ藍井エイルに話を聞く事ができた。
【密着ドキュメント:藍井エイル終演直後インタビュー】
──アンコールで泣いちゃいましたね。
藍井:ずっとこらえてたんですけどね(笑)。4年半前から同じ夢を持ち続けて、それが叶っているんだという現実が身に染みた瞬間、勝手に涙が出てきそうになるから、こらえて。それに、すごくみんなが温かく迎えてくれてたんですよ。外の気温とは真逆なぐらい武道館は熱かった。その熱意で、また勝手に涙が出てきそうになってたんです。けど、「ツナガルオモイ」のときは気持ちを隠すのをやめたんです。それまで頑張って押さえてたんですが、“もう無理だ”って。
──ライブ中、武道館の景色は見れましたか?
藍井:はい。イベントで知ってる景色なのに、今日はワンマンだから全然違う景色でした。ものすごく真っ青で、みんなが一つになっているのをより感じられるような空間でしたね。
──夢の武道館は幸せな空間でした?
藍井:めっちゃ幸せでした(笑)。ツッチー(土屋)がいってたように、もう一度最初からやり直したいと本当に思いましたね。
──ここまでずっと同じ夢を描き続け、走り続けてきてよかったですか?
藍井:ですね。ここまで走れたのも本当に応援してくれた人たちのお陰。ツイッターにも書いたんですけど、毎日楽しいことばかりじゃないので、しんどいなと思ったこともありました。でも、そういったものすべて、喜びも悲しみもすべてを抱えることができてよかったと思ってます。本当に出会えた人たちすべての人にこれからも感謝していきたいと思います。ありがとうという気持ちでいっぱいです。
──出会ったすべての人たちとの「ツナガルオモイ」に感謝の武道館だったと。
藍井:そう。でも、武道館でみんなから、またたくさんもらっちゃったから、早く返さなきゃ(笑)。
【密着ドキュメント:終演後】
そう話した後、藍井エイルは清々しい表情を浮かべながら、元気にハイタッチ会へと向かった。一方、楽屋のバンドメンバーはというと、まだ武道館の余韻を噛み締めている様子だ。
「僕らもやりながら感動してました。みんなが一瞬一瞬を楽しんでる感じで。MCでも言いましたけど、本当にあっという間でしたね。今回はストリングスも入ったのでバラードはより華やかに、壮大に。アッパーなロックは音に厚みも出て。演者も観客も音楽で一つになっていることを演奏中に感じたライヴでした。彼女はここからもっともっとステップアップしていく存在だと思いました」──土屋浩一(G)
この武道館まで、彼女がステップアップしていく姿を側でずっと見ていたのはバンマスの重永亮介だ。
「武道館という変わらず持ち続けた夢に向かって、“じゃあ、武道館やるためには今、何をしたらいいか”ということを少しずつ……。例えば演出一つにしても、ここをこうしたらもっとお客さんに喜んでもらえるだろうといった細かいことを積み重ねて、やっとここに辿り着いたんだと思います。彼女は有言実行の人。この後も、また次の新しい夢を公言して、それに向かって進むでしょうし。それを見守りながら、支えながら、お客さんとともに次の夢を叶えたいですね」──重永亮介(Key)
藍井エイルの歌手になりたいという思い、デビューしてからずっと持ち続けた武道館をやりたいという思い。その思いを込めた音楽を通して、世界中の人々が抱いたであろう藍井エイルの夢を応援したいという思い。そんなすべての「ツナガルオモイ」が一つに集結した場所が、今回の武道館のステージだったのだろう。
「一番ストイックに頑張ってるのは彼女だってことをみんな知ってるんですよ。だから、支えたくなるんだと思います。エイルのことを」と重永は話してくれた。これからもまた、藍井エイルとみんなの「ツナガルオモイ」が、さらなる大きな夢を描いていくはずだ。
取材・文◎東條祥恵
■<Eir Aoi Special Live 2015 WORLD OF BLUE at 日本武道館>
2015年11月2日(月)@日本武道館セットリスト
01.アヴァロン・ブルー
02.シンシアの光
03.AURORA
04.GENESIS
05.KASUMI
06.Back To Zero
07.クロイウタ
08.A New Day
09.Roses
10.虹の音
11.コバルト・スカイ
12.サンビカ
13.ゆらり
14.青の世界
15.シューゲイザー
16.INNOCENCE
17.Bright Future
18.シリウス
19.IGNITE
20.ラピスラズリ
ENCORE
EN1.MEMORIA -orchestra ver.-
EN2.HaNaZaKaRi
EN3.ツナガルオモイ
■全国ツアー<Eir Aoi LIVE TOUR 2016 ”D'AZUR-EST”>
OPEN 16:30 / START 17:00
(問)ホットスタッフ・プロモーション 03-5720-9999
3月21日(月・祝)HEAVEN'S ROCK さいたま新都心 VJ-3
OPEN 16:30 / START 17:00
(問)ホットスタッフ・プロモーション 03-5720-9999
3月26日(土)仙台 Rensa
OPEN 16:00 / START 17:00
(問)キョードー東北 022-217-7788(平日10:00~19:00・土10:00~17:00)
3月30日(水)名古屋 ダイアモンドホール
OPEN18:00 / START 19:00
(問)サンデーフォークプロモーション 052-320-9100
4月3日(日)Zepp Tokyo
OPEN 16:00 / START 17:00
(問)ホットスタッフ・プロモーション 03-5720-9999
4月8日(金)金沢AZ
OPEN 18:30 / START 19:00
(問)キョードー北陸チケットセンター 025-245-5100
4月10日(日)長野 JUNK BOX
OPEN 16:30 / START 17:00
(問)キョードー北陸チケットセンター 025-245-5100
4月14日(木)松山 サロンキティ
OPEN 18:30 / START 19:00
(問)DUKE松山 089-947-3535 (平日10:00~18:00)
4月16日(土)広島 BULE LIVE HIROSHIMA
OPEN 16:15 / START 17:00
(問)キャンディープロモーション 082-249-8334(平日11:00~18:30)
4月22日(金)福岡 DRUM LOGOS
OPEN 18:00 / START19:00
(問)キョードー西日本 092-714-0159
4月24日(日)熊本 Be.9 V1
OPEN 16:15 / START 17:00
(問)キョードー西日本 092-714-0159
4月29日(金・祝)旭川 CASINO DRIVE
OPEN 16:30 / START 17:00
(問)WESS 011-614-9999 (平日11:00~18:00)
4月30日(土)札幌 ペニーレーン24
OPEN 16:30 / START 17:00
(問)WESS 011-614-9999 (平日11:00~18:00)
5月6日(金)神戸 VARIT
OPEN 18:30 / START 19:00
(問)キョードーインフォメーション 0570-200-888
5月8日(日)京都 MUSE
OPEN 16:30 / START 17:00
(問)キョードーインフォメーション 0570-200-888
5月11日(水)BIG CAT
OPEN 18:00 / START 19:00
(問)キョードーインフォメーション 0570-200-888
【"エイルランド"チケット超先行販売スタート】
受付期間:2015年11月2日(月)21:00~2015年11月15日(日)23:59
※“エイルランド”で申し込みをすると“オリジナルチケット”になります
一般チケット販売 2月20日(土)10:00~予定
チケット代:¥5,700(税込)別途Dr代 ※東京会場の2F指定席のみ¥6,200(税込)
席種:オールスタンディング(整理番号付)※東京会場のみ2F指定席あり
※3歳以上チケット必要
※お一人様4枚まで
藍井エイル/公式ファンクラブ"エイルランド" http://k.aoieir.com/
■『デジモンワールド -next 0rder-』主題歌担当決定
詳しい情報はオフィシャルサイトで随時お知らせします。
■11thシングル「シューゲイザー」
M1. シューゲイザー
M2. HaNaZaKaRi
M3. 騙された羊
M4. シューゲイザー(Instrumental)
【初回盤A(CD+BD+Photobook)】SECL-1791~1792 ¥2,500
http://www.sonymusicshop.jp/m/item/itemShw.php?site=S&cd=SECL-1791
●BD(ツアードキュメント&ライブ映像「Eir Aoi LIVE TOUR 2015 –BEYOND THE LAPIS- Document Movie & Final Live@Toyosu PIT」を約83分収録)
●ブックレット(ツアーファイナル@豊洲PITライブ写真収録
●三方背ケース仕様
●フォトカード(Type-A)封入
【初回盤B(CD+DVD+Photobook)】SECL-1793~1794 ¥2,200
http://www.sonymusicshop.jp/m/item/itemShw.php?site=S&cd=SECL-1793
●DVD(ツアードキュメント&ライブ映像「Eir Aoi LIVE TOUR 2015 –BEYOND THE LAPIS- Document Movie & Final Live@Toyosu PIT」を約83分収録)
●ブックレット(ツアーファイナル@豊洲PITライブ写真収録
●三方背ケース仕様
●フォトカード(Type-B)封入
【通常盤(CD)】SECL-1795 ¥1,300
http://www.sonymusicshop.jp/m/item/itemShw.php?site=S&cd=SECL-1795
●フォトカード(Type-C)封入
■iTunes配信中 https://itunes.apple.com/jp/album/shugeiza-ep/id1049338243?app=itunes&at=10lpgB&ct=4547557041712_wn
■Mora配信中
・通常音源 http://mora.jp/package/43000001/4547557041712/
・ハイレゾ音源 http://mora.jp/package/43000001/4547557041729/
■世界ツアースケジュール
2016/01/09 「Eir Aoi ROCK THE WORLD」@シンガポール<単独公演>
※詳しい情報はオフィシャルサイトおよび藍井エイルスペシャルサイト“ROCK THE WORLD”で
http://www.aoieir.com/special/rocktheworld/(PC・スマホ共通)
◆藍井エイル オフィシャルサイト
◆藍井エイル オフィシャルTwitter
◆藍井エイル オフィシャルFacebook
◆藍井エイル オフィシャルYouTubeチャンネル
この記事の関連情報
FictionJunction、新AL『PARADE』にLiSA、Aimer、藍井エイル、ASCA、ReoNaら12名がボーカル参加
藍井エイル、ニューアルバム『KALEIDOSCOPE』全容公開
【ライブレポート】藍井エイル「私の10年間は得たものばかり。幸せです」デビュー10周年記念の横アリ初ワンマン
藍井エイル、ニューアルバム『KALEIDOSCOPE』1月リリース決定
藍井エイル、劇場版 ソードアート・オンライン主題歌を担当。プロデュースははn-buna(fromヨルシカ)
藍井エイル、23日24:00から新曲「HELLO HELLO HELLO」配信+MVプレミア公開
藍井エイル、新曲がTVアニメ『カッコウの許嫁』2ndクールEDに
FLOW、Aimer、藍井エイルら日本アーティスト陣がサウジアラビア<Anime Village>に出演。現地大盛況
藍井エイル、自身初となる横浜アリーナ単独公演を11月に開催