【インタビュー】HIPPY、「“俺を観たいなら広島に来いっ！”って言えるようなアーティストになりたい」

■「Last Love」の板野成美さんは本気で叫ぶように泣いていて圧倒された
■すごくエモい色んな表情をパッケージしてくれて感謝しています

──そういう人を楽しませようという曲がある一方でメロウなバラードも歌えるのがHIPPYさんのアーティストとしての特徴だと思うのですが、「Last Love」についてはスポーツ新聞各紙、Yahoo!ニュースでも大きく取り上げられていましたね。

HIPPY：そうですね～もう本当に、ありがとうございます。

──「Last Love」のMVに元AKB板野友美さんの妹、板野成美さんが出演しているということですが、この曲はHIPPYさんご自身がアルバムのリード曲に決めたんですか？

HIPPY：アルバムに入っている11曲が全部好きすぎてすごく悩んだんですけど、今の自分にとっては「Last Love」がハマっているのかなって思ったんですよね。歌に対してもステージに対しても、常に“最後”の気持ちでいたいなというのがあって。そう思わせてくれるシーンだったり仲間がいたので。これを聴いて色々感じてもらえたらなと思ってこの曲をリード曲にしました。

──MVでは板野成美さんとは別々のシーンですが、お話はされましたか？

HIPPY：僕が撮ってから成美さんが撮ったんですけど、僕のカットが終わってもそのまま観させてもらいました。それくらい飲み込まれる演技だったんで、すごいなと思って。本気で叫ぶように泣いているし、圧倒されたというか。最初の微笑むシーンで「あ、この人で本当に良かった」って思いましたし、すごくエモい色んな表情をパッケージしてくれて感謝しています。フルバージョンがアルバムType-Aに付属のDVDに入っていますので、ぜひ最後まで観てください。



──「Last Love」はライブではすでに披露されているんですか？

HIPPY：1フレーズアカペラで歌ったりはしているんですけど、今はまだ「Last Love」を歌うには心の準備がまだできてないですね。もちろんリリースする頃には歌いますけど。好きすぎて泣いちゃうんですよ、バラードは。2日前に「大丈夫さ」を歌ったときも泣いちゃって曲を止めたくらいで（笑）。

──「大丈夫さ」は高校時代のことを描いた歌詞ということで、それだけ感情移入できる曲ということですね。

HIPPY：そうですね、それに目の前に聴いてくれる人がいてありがたいなっていう。仲間に向けた歌でもあるので、なんか泣けて来ちゃったんですよね。「Last Love」も僕のエモーションを詰め込んでいるので、心の準備をしっかりしてフルに歌いたいなと思います。

──ステージ上で思わず涙がこぼれたこともありますか？

HIPPY：メジャーデビューしてから、より一層あるんですよ。ありがたい気持ちが肌で感じられて。僕はバンドを解散して3年ソロをやって、ちょっともう音楽活動するのは無理かなっていう矢先にギリギリ今のレコード会社さんとやらせてもらうことになったんですけど、デビューする中で僕を売り出そうとしてくれる全国の人たちと会ったりして、「HIPPYです、よろしくお願いします！」っていうキャンペーンの中で地元の広島に帰って「待ってましたよ！」みたいな広島の人がいてくれたら、それでもう泣けちゃうんですよ。「歌やってて良かったな」って。だから本当に広島の人たちを元気にしたいと思うんですよね（話しているうちに涙が溢れ出す）。

──本当に熱い気持ちがあるんですね。最後に入っている曲「Everything in my life」の歌詞に「一度終わらせたこの夢に ありったけの勇気を注いだ」とありますが…。

HIPPY：じつは僕は2014年で区切りを付けようと思っていたんです。もう何も結果が残らなかったら辞めようと思っていて。テレビのレギュラーもやらせていただいていたんで、ディレクターの方にも「もう僕、決まらなかったら辞めさせてもらいます」って言ってちょっとやさぐれかけていたときに、「やっぱ歌が好きだ」っていう曲を最後に書いて去ろうと思っていて。その頃に書いた歌詞なんです。喜びも悲しみも、死んでしまったら何も残らんな、と思って。

──「今日で最後かもしれない かけがえのないステージで」というのは本当に音楽を続けるかどうかという気持ちで書かれたものなんですね。一際思い入れがある曲なのでは？

HIPPY：そうですね、思い入れありますね。

──「RAINBOW」も“初めてのアルバムには絶対欠かせない曲”とのことですね。

HIPPY：「RAINBOW」は僕がバンド時代からずっとお世話になっている方に書いてもらった曲に僕が歌詞を乗せていて。この曲が僕を色んなところに連れて行ってくれたと思っているので大事なんです。バンドの解散ライブから、みんなで「バイバイ」って手を振った感じが、「また会おうね」っていう笑顔の懸け橋みたいに見えたことから「RAINBOW」ってタイトルを付けたんですけど、今の意味合いとしては広島から全国に笑顔の懸け橋を描いて行きたいなということで歌っています。

──もちろん、どれも大事な曲ではありますよね。

HIPPY：そうなんですよ、どの曲も好きすぎるんですよ！どうしましょう（笑）。

──「NICE TO MEET YOU feat. TEE」は前作同様TEEさんが参加していますが、TEEさんも広島のご出身なんですね。

HIPPY：音楽を通じて知り合ったんですけど、じつは家が歩いて5分くらいのところに住んでいたことが後にわかって。こんな近くにこんな良いアーティストがいて、同じ事務所になって。今は僕の前を走ってくれているんですけど、良い目標でありライバルであり、一緒にデビューしてできてるのが嬉しいですね。「NICE TO MEET YOU feat. TEE」も良い曲です。1人では出来ない曲なので、ライブでもワンマンのときにスケジュールが合えば来てくれたらなと思っています。

──「君の笑顔」は大原あい来さんとの共作になっていますが、テレビの企画から生まれた曲なんですか？

HIPPY：あい来ちゃんは高校生で、とあるテレビ番組のテーマ曲を作りましょうという企画に応募して選ばれた曲が「君の笑顔」なんですけど、そこに僕のリリックと作家さんにも入ってもらって一緒に作り上げた曲です。これは本当にお母さん目線になっている曲なんで、「お母さんってどんなことを思っとったんじゃろ？」っていうことを改めて思いました。周りの友達が親になって、泣いている赤ちゃんをなだめているのを見たりして、「ああ、俺もこんなだったんだな」とか思ったり。今までなんとも思わなかったことに色々感じる部分はありましたね。

──アルバム全体に暖かい包容力を感じるのは、HIPPYさんの人間性が出ているからだと思うんですが、HIPPYさんはご自身がくじけそうなときにどうやって乗り越えてきたんでしょうか。

HIPPY：自分1人で乗り越えてきたんじゃなくて、周りに支えてくれる人がいたからできたんですよね。これが僕の周りに誰もいなかったら、ここにいなかったですし、支えてくれて押し上げてくれた、「おまえまだここで終わるなよ」って言ってくれた友達だったりマネージャーさんだったり事務所のスタッフがいてくれたんで。それに一緒にバンドをやってた仲間も、僕に夢を託してくれている部分もあるので、すごく応援してくれてますね。応援してくれている人が徐々に増えてくれているからこそ頑張れています。

──2016年1月11日にワンマン・ライブが広島クアトロで開催されますが、ゲストも有りということで今回アルバムに参加しているアーティストの方も参加されるんですね。

HIPPY：そうですね。それに、「ナイス☆でぶ」のMVが近日公開されるんですけど、そこで僕と同じサイズ感の4人が登場したりするんで楽しみにしていてください。今後は全国規模でライブをやれたらなと思っています。まだまだ僕のことを知らない人も多いと思うんですけど、この機会に知ってもらって一緒に歌えたり遊べたり出来たらなと思っているので。僕も各地にライブで行けるようにがんばりますけど、僕を気に入ったら広島までライブを観に来てくださいって言えるような、「俺を観たいか！？じゃあ広島に来いっ！」って言えるようなアーティストになりたいと思いますので、みなさんどうかよろしくお願いします！

取材・文●岡本貴之







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