【ライブレポート】アーバンギャルド、<鬱フェス>2日目も全力で“盛り下がる”
30分ほどの休憩を挟んで後半の最初に登場したのは、ハードロックなヘヴィメタルバンド NoGoD。フロントマンを務める団長の特異なキャラクターが生み出す独自の世界観と、ハイクオリティーな音楽性を併せ持った個性が光る実力派である。何でもありの<鬱フェス>にあって、ロックバンドとしての勢いと安定したステージングで、長時間のフェス中盤を見事に締めてみせた。ヴィジュアル系バンドでありながら、その変幻自在の立ち位置は、アーバンギャルドともしっくり合うようで、2014年の名古屋での2マンライブ以来のアーバンギャルドと2度目の遭遇となった。
場所をエクストラステージに移して次に登場したのは、レ・ロマネスク。フランスで結成され、ヨーロッパ各国で英語及びフランス語でのライブ活動中とのことだが、まずそのステージに触れてしまったら、しばらく頭にこびりついて離れないだろうインパクトがある。とにかく、そのメイクと扮装が衝撃的で笑激的。デコボココンビの男女ポップデュオが、歌謡曲チックな曲に載せてエスプリの効いた歌詞を歌う様は余りに面白過ぎた。
さていよいよ終盤となり、メインステージに登場したのは、確かなテクニックに裏打ちされたライブパフォーマンスや、ハードロックを基調とした独自のサウンドや文学的な歌詞などで、音楽ファンの厚い支持を集め続けているロック界の重鎮であり異端のバンド 人間椅子。スリーピースバンドでありながら重厚なサウンドを奏でる圧巻のステージは必見であり、有無を言わさず捻じ伏せられた感は爽快でもあった。白塗りの坊主に落ち武者、いかついトラックの運ちゃんといった、近寄り難いメンバーの容姿でありながら、このような趣旨のイベントに参加するフットワークの軽さと、ステージで見せた心底ライブを楽しんでいる表情に大人の余裕を感じた。

エクストラステージの最後の出演アーティストは、“マジック・ヴォイス”と表現される、ゆるふわかつフレッシュで透明感ある歌声を武器に、ソロやユニットなど、さまざまな形態で活躍中の注目の女性シンガー 南波志帆。アーバンギャルドとはかつてライブハウスでの2マンライブを行ない、一時は何度も対バンを行なっている。デビュー年齢が若かったのか、この日のステージでも依然とキュートで初々しい魅力に満ち溢れたステージを見せてくれた。
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