木村カエラ、デビュー記念日にキャリア史上最小キャパでプレミアライブ

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アルバム『MIETA』を引っ提げ、2015年3月6日から赤坂BLITZを皮切りにスタートした5年ぶりとなる木村カエラのライブハウスツアー<MITAI KIKITAI UTAITAI>。計2万7千人動員を動員した本ツアーが、6月23日のデビュー記念日に行なわれた下北沢SHELTERにてファイナルを迎えた。

◆<MITAI KIKITAI UTAITAI>下北沢SHELTER 画像

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熱狂と絶叫の1時間40分だった。観客はたったの200人だが、その歓声やかけ声は最初から最後まで途切れることはなかった。「Magic Music」で高くジャンプし、「sonic manic」で雄叫びをあげ、「BEAT」では激しくギターをかき鳴らし、“最強のセットリスト“がならぶ「one more」から「マスタッシュ」までの4曲ではダイバーが乱立。観客の熱気と汗でサウナ状態になったなか、モニターに乗り、天井に手をつけて歌ったカエラも同じく、大粒の汗をかき、興奮と感動がないまぜになった幸せそうな表情を見せていた。

デビューから11年を超え、キャリア史上最小キャパシティのライブハウスで行われた特別なライブを目撃できたことはとても貴重な体験だったし、いまもまだその余韻が、途方もなくエネルギッシュでスピード感あふれる熱気の塊が体に残っている。

デビュー記念日である6月23日(火)に下北沢SHELTERにてワンマンライブを開催した木村カエラは、ひとりでステージに登場し、最新アルバム『MIETA』のタイトル曲を歌った。今年の3月から全国17箇所 22公演に及んだ全国ライブハウスツアー『MITAI KIKITAI UTAITAI』のファイナル公演。曲中のセリフは各地で変えていたが、この日は「そして今、2015年6月23日。今日は、私のデビュー日でもあり、ツアーファイナルです。みんな、下北沢SHELTERにようこそ! みんなに会えるのを待ってたよ!!」と語りかけ、怒涛のライブがスタートした。彼女はこの曲のなかで<♪すべてはここからがはじまりなんだ>という気づきを得ている。常に<はじまり>を意識すること。それが本ツアーのキーワードの1つだろう。

彼女にとっての下北沢は、デビューのきっかけとなったTVKの音楽番組『saku saku』へのレギュラー出演よりも前、高校生の頃に足繁く通い、現在もバンドのベースを務める4106×××とともに楽曲制作に励み、様々なロックバンドのライブを見に行った場所でもある。また、この日のMCで、デビュー以来、彼女の音楽制作を支えている渡邊忍ことしのっぴのバンド、ASPARAGUSのライブを4106×××とともに同所で見たという逸話も明かしていた。彼女にとって下北沢というのは、シンガーとしての“はじまり”の地でもあるのだ。そういう意味では、12年目の第一歩に、SHELTER以上にふさわしいライブハウスはないだろう。この日は、デビュー曲「Level42」に加え、彼女が下北沢の練習スタジオで初めて作詞作曲した「You know you love me?」も披露した。11年後にまさか下北沢で歌っているとは、当時はおそらく想像もしてなかっただろう。でも、だからこそ、おもしろいと思う。

はじまりの場所で、彼女は「TODAY IS A NEW DAY」を高らかに歌い上げた。ツアーの本編の最後に必ず歌ってきた大事な曲で、10周年にしのっぴがカエラのために作った曲でもある。ここには「毎日、新しい自分でいられるように。みんなの明日が素敵な新しい日になりますように」という願いが込められている。アリーナ2デイズから全国ライブハウスツアー、そして、下北沢SHELTERまで。彼女はいつだって、今回がいちばん最強のライブだったなと感じさせてくれる。そんな刹那の思いと歴史の重みがちゃんと手を結んでいるからこそ、彼女は「TODAY IS A NEW DAY」と笑顔で言えるのだろう。その言葉は、彼女の道のりを映して、光り輝かせている。
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