【インタビュー】OLDCODEX、メロディックナンバー「Lantana」は多彩なエピソード付

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OLDCODEXがTVアニメ『黒子のバスケ』ラストシーズンのED主題歌をふくむシングル「Lantana」を6月10日にリリースした。ヘヴィにふりきれた最新ミニアルバム『pledge』を経て彼らが提示したのは切なく、胸を焦がし続ける記憶とさめない熱を閉じこめたメロディックなナンバーだ。全国ツアーのまっただ中に行なわれたインタビューということもあって、楽曲の話から発展して沖縄ではじけまくりの爆笑エピソードも飛び出し、Ta_2とYORKE.の最強コンビをあらためて再確認することになった。

◆OLDCODEX 画像

■辞書で見つけたのが“Lantana”という英語の言葉だった。”a”で終わってるのがいいなって。
■“z ”で終わるより“a ”で終わるほうが未来を感じる



▲「Lantana」初回限定盤

──TVアニメ『黒子のバスケ』第3期第2クール誠凛vs洛山編のED主題歌でもある「Lantana」は景色や思い出がどんどん過ぎ去っていくような切なさと熱情が同居していて、いろいろな色や感情が混ざり合っている印象を受けました。

Ta_2:郷愁のあるメロディで俺たち的にもどこか懐かしい感じがする曲だったから、今のOLDCODEXサウンドを注入したら、新しいものが生まれるんじゃないかなって。ミニアルバム『pledge』の後のリリースなので、もう少しあの作品の延長線上のものを出してもいいんじゃないかっていう気持ちもあったんですけどね。

──『pledge』に通じる硬質でヘヴィな曲を持ってきてもいいんじゃないかって?

Ta_2:そう。でも、そうすると(『黒子のバスケ』と)うまくブレンドできなかったというのもあって、シングル単体としてポーンと突出したものにしようって。曲の良さはそのままに今のOLDCODEXのテイストを入れようって話をしてましたね。

──「Lantana」は熱帯に咲く鮮やかな色の花ですが、なぜ、このタイトルを付けたんですか?

YORKE.:タイトルはけっこう苦戦して、歌詞の中に出てこない言葉を選ぼうと思ってて……最初は“Lantern”っていう言葉がポンと浮かんだんだよね。

──持ち運ぶランプのこと?

YORKE.:そうだね。でも、この曲は優しいだけじゃなくて、ちゃんと痛みも伴っているし、叫んでる。ミニアルバム『pledge』がヘヴィだったのに対してメロディアスな曲でテンポもミドルだけど、その中にロックをすごく感じたから、“Lantern”だと柔らかいかなと思って辞書で見つけたのが“Lantana”という英語の言葉だった。詳しくは知らなかったけど、”a”で終わってるのがいいなって。『黒子のバスケ』は今回のクールで最後だけど、“z ”で終わるより“a ”で終わるほうが未来を感じるじゃない。で、植物図鑑を見たり、花の意味を調べたらピンと来て「これだ」って。アニメの内容というより自分の中から出てきたものっていう感覚が強いかもしれない。もちろんストーリーには目を通したけれど、そこにひっぱられると「最後なんだな」っていうメンタルになっちゃいそうだったし。

──感傷的になってしまいそうだった?

YORKE.:あと、これまで『黒子のバスケ』のテーマ曲になった「カタルリズム」や「WALK」の流れを自分の中でちゃんと意識していれば、自ずとストーリーに重なっていくはずだと思って書いた歌詞でもありますね。

──“サイン”という言葉が出てきたり、「カタルリズム」と繋がっている部分も感じられます。

YORKE.:「WALK」とも繋がりがあってあの曲で書いた“whisper back”を「Lantana」では“can you hear the whisper back”って書いていたりね。

──なるほど。“君の出す答えは風に消えていった”というフレーズが出てきますが、“君”はどんな存在ですか?

YORKE.:自分自身でもあるかな。ちょっと前の自分だったり。

Ta_2:俺はレコーディングする前にYORKE.から詞の話を聞いていたから、聴いた人が色づけできるようにあえて自分は無色透明で歌ってみたいと思った。集中するがゆえに色をつけないっていう意識でしたね。

──Ta_2くんの歌はシャウト気味に熱く歌えば歌うほど切なく響きますよね。

YORKE.:ああ、そういうところはあるね。

──その歌が詞の世界とカッチリハマってOLDCODEXマジックが起きるんですよね。あと、ぜひMVを撮影したときのエピソードを教えてください。ロードムービー風で今までにないテイストですよね。


YORKE.:エピソードはいかに寒さに耐えるか(笑)。

Ta_2:(爆笑)。

──ははは。とても寒そうに見えない映像ですけどね。

YORKE.:めちゃめちゃ寒かった。俺、着る服(タンクトップ)間違えたなと思って。

Ta_2:あんなに震えるYORKE.は久々に見た(笑)。

YORKE.「Lantana」の世界に入っちゃえば大丈夫だったけど、終わった瞬間、超寒くて。海沿いで風も強かったし。

──メキシコやアメリカで撮ったような映像なのに。

YORKE.:確かにメキシコを感じるね。

Ta_2:懐かしい8ミリのフィルムで撮ったような質感だし。

YORKE.:実は最初はもっとクリアな映像だったんだけど、これは違うなって。シチュエーションがノスタルジーで乗っている車もグランドワゴニア(アメリカのクラシックジープ)だし、カセットテープを手渡しする女性もちょっと昔風のファッションだから、見たときに違和感があったんだよね。で、ある程度編集された後に再度スタッフとミーティングして、どうにかできないかなって。「1秒で何コマあるの?」って聞いたら「24コマ」って答えが返ってきたから「じゃあ、それを全部プリントアウトしてスキャンしたらどうなる?」って。そう提案したときのプロデューサーの真っ青な顔は今でも忘れられない(笑)。でも、なんとか、そういうアナログなトライをしたいと思っていたから、「やってみよう」って言ってくれたときは嬉しかった。動画を静止画的に捉えてひとコマ、ひとコマ切り取って繋げて映像にした事で、デジタルとも違うし、8ミリのフィルムともまた違う質感になったんじゃないかな。


▲「Lantana」通常盤

──そんなに手間をかけていたんですね。凝ってるMVだとは思ったけど、そんな裏話があったとは!

Ta_2:いちばん最初に見たときは例えると時代劇をハイビジョンで見るみたいな感じだったもんね(笑)。

YORKE.:あと、只のロードムービーにしたら面白くないと思ったから、さらにアニメーションを加えたりとか。

──アニメーションとか色使いがまたいいんですよね。

YORKE.:そういうほうがファンタジー感が出るんじゃないかなって。車の窓の外から見える植物もいかにも日本だったんだけど、どこの国だかわからない変な感じにしたくて。

──あと、2人とも演技をしていますね。

Ta_2:してるね。

YORKE.:演技っていう意識はなかったけどね。

Ta_2:寒すぎたから演技してる感覚がなかった(笑)。

──まぁ、寒さは初回限定盤のメイキングを見れば伝わってはきますけどね。2人の憂いのある表情がこんなに見られるMVは貴重ですよ。

YORKE.:やー、あれは寒かったから(笑)。

Ta_2:寒さが強すぎると人間って切なくなるんだなって(笑)。

YORKE.:そういう意味では良かったのかもね。

──そこですか?(笑)。

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