【インタビュー】WEAVER、「くちづけDiamond」は「史上最も難しい曲です(笑)」
WEAVERが5月20日、約1年振りとなるニューシングル「くちづけDiamond」をリリースする。バンドの奥深さをさらりと、されど絶対的な自信とともに提示したシングルは、リード曲「くちづけDiamond」(TVアニメ「山田くんと七人の魔女」OPテーマ)のキャッチーなメロディの向こうの巧みなサウンドワークがまさに玄人好みだし、2曲目「Beloved」(映画「ライアの祈り」主題歌)の、吐息さえ感じられるほどの距離感と温度感は今までにない。さらに3曲目、前回のホールツアーでも演奏され、留学先のロンドンの空気を封じ込めた「Inception」だって、当然ながら心憎い限りだ。
◆「くちづけDiamond」ミュージックビデオ
初回限定盤に至っては、同じく前ツアーで演奏された『Time Piece』が驚きのアレンジで収録されているし、3月に開催された自主企画ライヴ<Guess What!? We Have a Guest!! WEAVER×ゲスの極み乙女。>から5曲分の映像がDVD特典としてパッケージされている。どちらを選ぶか、それは言うまでもないということで。
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■はみ出して行きたいという願望はあります
■ステージに立つとアドレナリン全開ですし──杉本雄治
──まず、まもなく最終日(5/31終了)を迎える3年振りのライヴハウスツアーですが、手応えは?
杉本:すごくいい感じで、毎度のことですけど“今回が一番!”と思えるツアーをやれていますね。ライヴハウスツアーということで、ホール以上にバンド感や勢いをしっかり見せていきたいなと思っていて。ロンドンから帰ってきて、3人それぞれに骨太になったなと。それが前回のホールツアー以上に伝えられてる実感があるんですよね。
──初めて行くところも多くて。
杉本:そうなんです。はじめは互いに緊張感ある感じで(笑)。
奥野:最初のMCとかで、どんな反応したらいいんだろうって探ってる感じも見受けられるんですけど、ただ、そこからスタートしてどんどん熱くなっていくんですよ。
杉本:あと、3年振りに行くところもあったんですよ。同じハコだとなおさら、前より伝わってるなっていうのが実感できたりするんで、すごく意味があるなと思ってます。
河邉:3年前は31ヵ所33公演だったんですけど、はじめてのツアーだったこともあって、その高揚感が大きかったですよね。みんなで車で回ったりして。あ、今回もそうなんですけど。
──え、そうなの?
奥野:小回り利く感じで、全国回ってきました(笑)。
杉本:僕ら、車中はすごく静かなんで、かえって居心地よかったりして。
河邉:まぁでも、3年振りとはいえ2回目のライヴハウスツアーだから、1ステージごとにしっかり世界観を伝えられるように、もう一段階上をフォーカスしているような感じで進められたので、そういう意味ではすごく成長したなと実感してます。
──出したい音が出しやすくなっている、とか。
河邉:まさにそういうことだと思います。ホールも経験したからこそだとは思うんですけどね。
杉本:僕は個人的には、そうやって欲しいものに届かないフラストレーションみたいなものをずっと感じてきたんです。3年前、ライヴハウスツアーを経て変わっていこうってすごく思ってた。正直、前半はなかなかうまくいかないというか、本調子じゃないなって感じたところもあったので、悔しい想いばっかりだったんですよ。でも、そこから今日までの3年で変化したこと、手に入れたものがたくさんあって、それを今回全部伝えようと思いました。
──ライヴハウスだとね、ちょっとお行儀の悪いWEAVERが観られるので、それはそれで観る方としては楽しいわけですが(笑)。
杉本:あははは、ちょっとはみ出して行きたいという願望はあります、確かに(笑)。ステージに立つと、必然的にアドレナリン全開ですしね。
──「くちづけDiamond」ももちろん演奏しているんですよね?
杉本:もちろん。曲自体は、ロンドンに行く前に、ロンドンでこんな音楽をしたいっていうイメージを持ちながら作ったんです。新しいWEAVERを見せられる曲かな、と。
河邉:アニメのタイアップをいただいているんですけど、制作サイドからは、オープニングに合うものがいいと言われていたので、これがぴったりだなと思って。
──なんて抜け感のある曲。
杉本:そうですね、サビはとくに新鮮かなと思いますね。もともとはサビがなくて、もっとヒネクレた曲だったんですよ。
──サビなし曲はシングルにできません、たぶん(笑)。
奥野:それは僕らがまず自粛します(笑)。
杉本:今回、新しいWEAVERを見せるためにストリングスが肝になると思っていたので、河野圭さんに再度お願いしたんです。タイトさがすごい出たなと思って。
──そうそう、どことなくオシャレでスリリングで。
杉本:そうなんですよね。タイトさみたいなのはテーマにあったんですよ。河野さんってキーボーディストじゃないですか。僕、実はキーボーディストの人とじっくり作業したことがなくて、周りにも鍵盤弾く人間がいないので、こういうアレンジだとこういう弾き方がいいみたいな話をしたことがなかったんですよね。今回、河野さんにペダルの新しい使い方とか、グルーヴの出し方とか、すごく丁寧にレクチャーしてもらったんですよね。泥臭さの中のタイトさ、みたいなところとか。ドラムのサビのパターンもかなりストイックでね。
河邉:3人それぞれ演奏のアプローチが違うんですよ。そこはレコーディングしてても、新しいなって感じてましたしね。
──そんなに速い曲じゃないのに、速く感じる。
河邉:そうそう、BPMはそんなに速くないのに。
杉本:史上最も難しい曲です(笑)。
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