【インタビュー】Robert de Boron「輝いている人間というのはみんな熱い」
── とはいえダイナミックなところは変わらずに、なおかつリラックスして聴けるのがBoronさんの音楽の魅力だと思います。『Dreams in Static』というタイトルはどんな意味が込められているんでしょう?
Boron:静寂な……というか。まあただ単に使いたかっただけなんですけど、“Static”を(笑)あんまりそれに対する意味はないかなあ。でもジャケットは奥行きというか「見たいな」と思えるものを表現しました。あと最近は月にずっとハマってて。2nd『Mellow Candle』のローソクが並んでるジャケットには真ん中に小さい月があるんですけど。そろそろデカい月行ってみようよって。
── 3rd『ON THE RAINBOW』と前作『Shine A Light feat. AWA』は子供が2人がいて太陽が描かれていましたよね。今回のジャケットは女性1人になって太陽も月に変わりましたし、景色も都会に変化していますね。ジャケットはアーティストの心情を表すものだと思いますが。
Boron:そうですね、ダイレクトですからね。どう受け止められるのかなと僕も思ってますね。だから自分の中で答えを言っちゃうと、というのもあって。そこは聴く方に考えてほしいですね。でも結構ツイッターとかのメッセージで「これってこういう意味ですよね?」ってピタってすごく良いとこいってる人がいたりするんですよね(笑)。「そんな気持ちになれたんだ? 嬉しいな」みたいな。長くやってると結構そういうことありますね。『Mellow Candle』も月日が経ったから言っちゃいますけど、一番最後の曲(「Mellow Candle」)でローズ(ピアノ)を“ファー”ってめちゃめちゃ揺らしているんですよ。最後、まさにローソクが消えたようなイメージで入ってるんだけど、それを言ってくる人が結構いて。「最後ローソクがパッと消えたような気がしました」って。嬉しいですよね。今回もそういうことがあれば良いなって思います。今回はジャケに関しては言うことなしですね。
── 1曲目「Be Okay feat. Kharisma & Jon Wonder」の冒頭は映写機みたいな音に聴こえたんですが、これは?
Boron:あれは昔のオープンリールテープで回してると“カラカラカラカラ”って音がするから、イメージはそこにあって。俺の音楽ってあんまりデジタルデジタルしてないじゃないですか?だからそれをアナログライクな感じで表現できたらなと思って。
── アーティストってアルバムを出してツアーをやって、というルーティンがありますけど、Boronさんの場合がライヴをやらないですよね。前作が出てからここに至るまではどのような活動をしてきたんでしょうか。
Boron:ほとんどずっと曲を作ってますね。企画ものを1枚挟んでオリジナルを出すというのが俺のパターンなのかな。そこは意識してやってるわけじゃないんですけど、『BEAT THE CLASSICS』、1st『Diaspora』、MIX CD『NEW AGE OF BEATS』、2nd『Mellow Candle』、『BEAT THE CLASSICS II』、3rd『ON THE RAINBOW』、AWAとの『Shine A Light feat. AWA』で今回の4th『Dreams in Static』。ちょうど流れ的には1年に1枚は出ている感じで。その間ライヴ活動してないから何やってるかと言われても……曲づくり(笑)。
── (笑)創作活動をしているわけですね。以前はギターを弾いて歌いたいって言ってましたよね。相変わらずギター熱は変わらないんですか?
Boron:そう、それもやりたいんですよ。昨日も外で弾いてて日焼けしちゃって顔ものすんげえ痛くて(笑)。
── 歌モノも作ってるっておっしゃってましたよね。
Boron:もう何曲あるんだってくらいありますよ。でも曲作りっていうのは自分のパターンを見つける感じだし、新たなパターンをみつけたときはそれにどっぷりハマるから、過去のものがなよなよしく感じることが多くて。でも溜めていくと、その中にも輝いてるのが置いてあるというか。だからもう少ししたらアルバムくらいになるんじゃないかな。
── アルバムでのギターの使い方って今回もオーガニックな感じですよね。
Boron:うん。でも今回結構エレキを使いましたね。裏でストリングスに混ぜてハイフレットで「カ~」ってドローン効果で同じ音をずっと出しているっていうのを結構やった。ストリングスがバーっときて盛り上げる系の曲にはほとんど入ってる。聴き取れないとは思うけど。深くディレイをかけて、単音でピックじゃなくて指でなぞるような感じで音を出してたりとか。あとはユニゾン・チョーキングでガーガーガーってやったりとか。迫力を出すためにエレキは使ったかなあ。でもそれが結構当たりで、2曲目(Blues feat. Magnetic North & Taiyo Na & Teng Yang)なんてまさにそれをやってるんですけど。まあほとんど聴こえないですけどね。