【ライブレポート】吉川友がバースデーライブで17分超えの新曲披露。解散発表のキマグレンには瞳を潤ませる
アプガとのコラボが終われば、いよいよ本公演の目玉、5月6日リリースの新曲「花」の歌唱へと入っていく。この曲は、全17分25秒にもわたる、アイドル史に残るであろう超ロング大作。曲をスタートさせて恵比寿から山手線外回りに乗り込むと池袋まで。東京駅から東海道新幹線に乗ると新横浜まで。1曲目だった「きっかけはYOU!」がフルサイズで4分14秒なので、連続4回歌ってもまだ終わらない、そんな長さの楽曲。さらに、この大作には、まさに5月5日のこどもの日に妊娠5ヶ月であることを発表した大森靖子をはじめとした3組の作家が歌詞を提供し、女の一生を吉川友が歌で描き出す。
「第一楽章~ヒナゲシのように~」では16ビートとオペラを共存させつつ生きる歓びを謳い上げる。衣装を黒のワンピースにチェンジして、「第二楽章~アネモネの恋~」では、恋することの胸の高鳴りを台詞とともに表現。さらに真っ赤な衣装にチェンジして「第三楽章~コスモスへの祈り~」。きっかの歌世界は、今を生きる「第一楽章」、恋のドキドキの「第二楽章」を超越して宇宙へ、そして無限の彼方へ。ふたりのダンサーがたおやかな動きで光と影を切り取り、光に包まれた吉川友は「Do you believe in eternity?」と歌い、そして祈るのだった。
超ロング大作を歌い終えると、次に待っていたのは、アップテンポなナンバーの連発。気づけばきっかは客席へと降りて、友フレと一緒に大盛り上がり。さらに、きっかが「ひざまずくのよ」と書かれたビッグうちわを高く掲げれば、客席の友フレは一斉に跪く。これだけの人数を即座に跪かすことができるのは、思いつくだけでも、きっかか水戸黄門かといったところ。うちわの効果に葵の御紋もビックリである。
アンコールでは、ニューシングル「花」の初日デイリー3位を報告。歓喜の声に沸く会場に「ありがとうございます! メダルで言ったら銅メダルです。本当にみなさんのおかげです。」と頭を下げるきっか。さらに、5月11日にデビュー4年目を迎えるにあたって、あらためての抱負を口にする。
「アップアップガールズ(仮)、そしてほかのライバルたちも、日本武道館、中野サンプラザ公演を成功させている中、私はまだ制覇できていない状況で。悔しい気持ちはあるんですけども、今年の目標としては、来年5月1日のバースデーライブは中野サンプラザでライブをしたいなと思う……んですが。」
「中野サンプラザでライブをしたい」ではなく、なぜか逆接の接続詞をつける歯切れの悪いきっか。今までは「これからの目標」といった発言では、アイドル界1、2を争うビッグマウスっぷりをいかんなく発揮してきた彼女にしては珍しい。「本当にこの23歳、謙虚になってしまったのか?」と、不安になりざわつく会場。しかし、きっかの歯切れの悪さには別の理由があった。
「噂によりますとですね、来年で中野サンプラザは、もしかしたらなくなってしまう……という“噂”なので、『中野サンプラザ……クラスのホール』で、来年はバースデーライブができたらいいなと思います。まだまだ、大きいホールでのライブは、相当頑張らないといけないと思いますけども、ちょこちょこ、ちょこっとと、一歩一歩、積み重ねて、いつか、目標は来年ですけども、いつか『中野サンプラザ……クラスのホール』でライブ。そして最大の夢は、きっかが米粒で見えるぐらいの大きな、ドームとか。これはもう老後の夢ですね。もう、ほんと、そのくらいの域まで、ソロを頑張っていきたいなと思います。もうそろそろ、ソロの時代が来ると思いますので、吉川友、ソロのジャンヌ・ダルクに。先駆けしたいなと思っております。」
そんな宣言を受けてほっと胸をなでおろすとともに、友フレからは大きな声援が一気にきっかへと向けられた。
そしてラストは「ずっとずっとずっと君がスキだ」。夜公演、つまりこの日のラストということもあって、きっかはステージを降りて客席を行ったり来たり。それだけに飽きたらず、会場後方に一段高く設置されていた関係者・メディア用撮影スペース内にまで侵攻すると、記録用としてステージに向けられていたビデオカメラを手に、客席の友フレを撮影開始。そこは決してサブステージではないのだが、もはや誰にも手がつけられない、やりたい放題なこの暴れ馬。
きっかが再び客席の間を駆け抜けて“メインステージ”へと飛び込んできたのは、まさに曲が終わろうとする直前であった。
「なんか、ステージが2個あって、さっそくドームツアーの予習をしました吉川友です。ありがとうございます! みなさんの声援が吉川友のパワーになると、あらためて感じ、そしてこれからも、みなさんにパワーと元気と勇気を与える曲を歌っていきたいなと思います。」── 吉川友
<吉川友 7大都市ツアー2015 ~友言実行!~>は、5月23日には名古屋、さらに福岡、広島と続き、6月7日の札幌でファイナルを迎える。
text and photo by ytsuji a.k.a.編集部(つ)
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