LUNA SEA、さいたま&横浜公演、大興奮の2夜をレポート。“25尽くし”のツアーファイナルは大阪城ホールで
LUNA SEAが、<LUNA SEA 25TH ANNIVERSARY LIVE>を12月21日にさいたまスーパーアリーナで、12月23日に横浜アリーナで開催した。BARKSでは熱狂の2夜のレポートをお届けする。(※写真はすべて12月23日の横浜アリーナ公演の模様となります)
<LUNA SEA 25TH ANNIVERSARY LIVE> 横浜アリーナ公演ライブレポート&画像
◆バンドの“今”が焼き付けられた幸せな空間。そして、「I LOVE YOU,OK!」
――2014年12月21日@さいたまスーパーアリーナ
結成25周年を迎えた今なお、LUNA SEAというバンドの可能性に限りはない。そう思わせてくれたのが<LUNA SEA 25TH ANNIVERSARY TOUR THE LUNATIC-A Liberated Will->ツアーのアリーナ公演<LUNA SEA 25TH ANNIVERSARY LIVE>、12月21日にさいたまスーパーアリーナで行なわれたライヴだった。
オープニングSEは「月光」。大歓声の中、ステージにメンバーが登場し、白い一筋の光が客席に向かって伸びていく演出のなか、鳴らされたのはREBOOT後、初のオリジナルアルバム『A WILL』の幕開けのナンバー「Anthem of Light」だ。未来へと踏み出した彼らの意志が音そのものに刻まれたこの曲は、5月に代々木第一体育館で聴いたときより、さらに説得力が増していた。曲そのものがまばゆいほどの光を放ち、希望のカタマリが会場を包みこみ、細胞が目覚めていく感覚を覚える。
続いて放たれたのはINORANのシャープで研ぎすまされたカッティングに歓声が上がった「TONIGHT」。上手に駆け抜けたJがステップを踏みながらビートを刻み、SUGIZOがスロープを走り、センターでRYUICHIとINORANが絡む目が離せないステージが初っ端から繰り広げられる。
「久しぶりだな。さいたまスーパーアリーナ。3年ぶりに来ました。今日は外は寒いけど、世界一、熱い場所にしましょう!アルバム『A WILL』が生み落とされてから約1年経ちます。今日はアルバムからたくさん曲をやりますから」
RYUICHIがそう宣言したとおり、約14年ぶりとなる全16都市32公演に及ぶ全国ツアーは『A WILL』の楽曲を中心にセットリストが組まれている。振り返ってみたらLUNA SEAは結成当初からアルバムを出すたびにライヴで楽曲を育て進化させてきたバンドなのだが、ソロ期間を経て全員のスキル、表現力が磨かれた今も、その基本姿勢はまったく変わることがない。だからこそ、現在進行形のLUNA SEAを余すことなく表現しきった、圧倒的なエネルギーに満ちたアルバムを生み出すことができたと思うのだが、共に成長してきたオーディエンスが、過去の思い出ではなく、彼らの“今”を共有したくて会場に集まってきていることが会場の空気からもひしひしと伝わってくる。ここは何と幸せな空間なのだろうか。
ステージのLEDパネルが赤に染まった「Rouge」ではSUGIZOのエッジーなギターリフが興奮を加速させ、INORANがコーラスをとる「乱」の多彩に表情を変えていく演奏も、今のLUNA SEAならでは。真矢のパワフルかつ繊細なドラミング、Jの強靭で間合いが見事でメロディアスなベース、そして、個性のカタマリのような4人の楽器陣の音圧をモノともしないRYUICHIのボーカルも過去最強の熱量を放っていた。
また、さいたまスーパーアリーナは思いがけないサプライズとハプニングが起こったライヴでもあった。
まずは中盤でメジャー1stアルバム『IMAGE』から「VAMPIRE’S TALK」が披露されたことだ。会場に集まった誰もが想像すらしなかっただろうこの曲のイントロが鳴らされたときには「信じられない」と言わんばかりの怒濤の大歓声。今のLUNA SEAの色気と深みで、ヴァンパイアが蘇ったかのごとく、この曲が新曲のように響いてきたのは驚きであり、今なおこのバンドは予測不可能だと確信した。
本ツアーでは恒例となっているSUGIZOのヴァイオリンとINORANのアコースティックギターによるジャムセッションでイマジネーションの旅へといざなわれ、もはや無我の境地に達しているのではないかと思うほど日本人魂がこめられた真矢のドラムソロから「Dejavu」、「Metamorphosis」とアッパーチューンをはさんで「とことん行こうぜ!」と煽るJの躍動するベースソロ。これまでとフォーマットを変えた見せ方も新鮮で、ライヴはますます加速し、後半戦へと突入する。
復活したLUNA SEAを燃え上がらせる起爆剤となった「The End of The Dream」から、4人がセンターに終結するパフォーマンスでもおなじみの「TIME IS DEAD」へとなだれこみ、キラーチューン「ROSIER」ではハプニングが起こった。会場が沸きに沸く中、Jがマイクスタンドを放り投げ、勢いあまったのか、バックのLEDパネルまで破壊してしまったのだ。そして、本編はLUNA SEAのバンドアンサンブルの構築美、スケール感が堪能できる「absorb」で幕を閉じた。
アンコールでは自然発生的に場内からウェーブが巻き起こり、メンバーがタオルを肩にかけたり、ペットボトルやピックを投げて登場。RYUICHIが「ちょっと後ろのパネルが破損しましたけど、そんなところがJのいいところです」と笑うと、Jは「やっちゃった!また伝説作りました」とやんちゃな顔をのぞかせて大歓声。RYUICHIは前半戦のツアーのことに触れ、「何か終わりたくないね。メンバーの地元でもライブやったほうがいいんじゃないかな。鶴間(RYUICHIの育った街)に会館ありますか?」と呼びかけるほどリラックスモードだった。
「今夜、この会場に集まった全員に愛を込めて送りたいと思います」と名曲「I for You」を届けた後は恒例のメンバー紹介。
これが爆笑に次ぐ爆笑で、宇宙一のドラマーと紹介された真矢が「ホントに今日1日、みんなの愛に囲まれて頭の中にあることはI LOVE YOU,OK!」と笑わせると、宇宙一のベーシスト、Jもまさかの「俺の気持ちを表すとするとI LOVE YOU,OK!」と叫び、INORANも「俺、しゃべるの苦手なんで……でも、俺の心の中の言葉を言うとI LOVE YOU,OK!」と乗っかる。「3年ぶりだよね。前回は震災のチャリティーライヴという素晴らしい光景を見せてもらって、とても愛着のあるスーパーアリーナです」と話し始めたSUGIZOは、普通に話し終わるのかと思いきや、「ちょっとアカデミックで難しい英語になってしまうんですけど、今の俺の心を言うとI LOVE YOU,OK!」と場内を再び爆笑させた。そして、みんなのコメントに大喜びだったRYUICHIはINORANに「宇宙一のボーカル」と紹介され、「俺からはもう何も言うことはないんだけど、心に秘めた言葉があります。I LOVE YOU,OK!」と期待を裏切らなかった。
終幕前にはありえなかった光景にギャップ萌えしたオーディエンスも多数だったと思うが、こういう超ナチュラルなテンションも含めてLUNA SEAは“今”をステージに焼き付けている。アンコールラストナンバーは、会場名と日付が入ったテープが放たれた「WISH」。5人が最後の挨拶をするためにセンターに集まってもアンコールの声は大きくなるばかりだった。
INORANは「さいたま、また会おうぜ」と挨拶。Jは「また会おうぜ」と絶叫。SUGIZOは深々と頭を下げ、感無量の表情で無言でステージを去った。
Text by 山本弘子
<LUNA SEA 25TH ANNIVERSARY LIVE>
12月21日(日)@さいたまスーパーアリーナ/セットリスト
2.TONIGHT
3.Rouge
4.END OF SORROW
5.乱
6.銀ノ月
7.gravity
8.VAMPIRE’S TALK
9.Violin&AG Jam(SUGIZO/INORAN)
Drum.Solo/真矢
11.Dejavu
12.Metamorphosis
Bass Solo/J
14.The End of the Dream
15.TIME IS DEAD
16.ROSIER
17.absorb
EN
1.I for You
2.Thoughts
3..IN MY DREAM
4.WISH
◆<LUNA SEA 25TH ANNIVERSARY LIVE> 横浜アリーナ公演ライブレポートへ
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