【連載】Hiroのもいもいフィンランドvol.2「ヘルシンキ・ミュージック・マラソン」

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先週末にサマータイムが終わりいきなり日が暮れるのが1時間早くなったフィンランドです。サマータイム…日本ではなじみではないと思いますが、春は3月末の日曜午前3時を1時間進めて4時に、秋は10月最後の日曜午前4時を1時間時計の針を戻して午前3時にします。秋の場合は時計の針を戻すので忘れていても遅れたりの心配はないですが、春の場合進めるのを忘れると1時間遅刻になっちゃう(笑)ので気をつける必要があります。

◆ヘルシンキ・ミュージック・マラソン画像


そのぎりぎりまだサマータイムだった先週末10月23日-25日にヘルシンキで今回5回目となるヘルシンキ・ミュージック・マラソンが開催されました。2012年秋から年に2回、3日間のイベントとして開催されています。マラソンといっても走る必要はないので(笑)誰でも気軽に参加できます。しかも入場は無料!ヘルシンキの5会場、Henry's pub、Bar Loose、Bar Base、On The Rocks、Zetor、Hard Rock Cafeで20時または21時より深夜過ぎまで3日間で50バンド以上が出演し、ライブ演奏を続け、生ライブがたっぷり楽しめるという音楽ファンにはうれしいイベント。

出演バンドはインディバンドがメインですが、毎年5月に東京で開催されているFinland Fest"LOUD & METAL ATTACK"に昨年出演、日本盤「レネゲイド」も発売になったジェシカ・ウルフの名前も。



その中で初日のHard Rock Cafeに行ってきました。この日はなんと外の入り口前に赤いマットがひかれていてちょっとVIP気分!(笑) さて最初に登場したのはStala & So.というバンド。日本ではあまりおなじみではないかもしれませんが、来日もしたことのあるフィンランドのモンスターロックバンドLordiといえばフィンロック通の方にはおなじみかも。

Lordiは2006年のユーロビジョンソングコンテストにフィンランド代表で出場しなんと見事優勝!ヨーロッパで人気の歌の祭典ユーロビジョンでフィンランドに優勝をもたらしたのは現在のところ後にも先にもこのLordiのみ。彼らが代表に決まった際にはフィンランドの恥だと反対する人達もいましたが優勝後は反対派はどこかへ消え去り(笑)彼らは当時一躍国民の英雄的バンドにのし上がりました。Stala & So.にはこのLordiの元メンバーが2人います。ドラマーだったキタとベーシストだったカルマ。カルマはユーロビジョン出場前に脱退していましたが、キタはユーロビジョンにも出演していました。そのキタことスタラがボーカルで、カルマことニックがベーシストでSo.なるバンドを結成、ひそかに活動していました。バンド名をStala & So.にし、2011年ユーロビジョンのフィンランド国内予選に出場することになり素顔を公開、素顔公開がご法度だったLordiからキタことスタラは脱退せざるを得なくなり、ユーロビジョン出場は逃したものの、それ以来Stala & So.で活動を続けています。Lordiはメンバー皆モンスターのコスチュームとマスクを身に付けていますが、キタのマスクを脱いだらモンスターとは程遠いイケメン登場!そのギャップがこれまた面白い。Stala & So.としては2011年日本でもアルバム「イット・イズ・ソー」が発売になっています。



Hard Rock Cafeはステージが小さいのもありアコースティックライブ。オリジナルソングに加え、Bon JoviやBilly Idolなど1980年代のヒット曲もプレイし会場を盛り上げてました。彼らの後に登場したのがCrawloutなるバンド。2013年にヘルシンキで結成された5人組ロックバンド。この日はアコースティックだったこともありボーカルのミロとギタリストのミスカの2人での出演。まだレコード会社との契約はないようですが、なかなかよかったです。新しいいいバンドどこかにいないかなぁ~と探してる方にはこういう無料の音楽イベントは新バンド発掘にいいかと思います。


フィンランドでは会場や出演バンドにもよりますが、ライブ前や後、会場内をよーくチェックしているとその日の出演バンドのメンバーが会場内を普通に出歩いてることはよくあること。ライブハウスだとライブ後すぐに外に出されることもなく閉店時間がたいてい午前4時。午前3時半ぐらいにおひらきの目印で電気がつきますが、それまではDJなどで音楽は流れているものの会場内けっこう暗く、フィンランド人のファンはメンバーを見つけてもきゃーと騒いだりしないでたいてい静かに近寄っていき、話をしたり、一緒に写真撮ったり、サインもらったりなので、よーく見てないと気がつかないかもしれません。どこかでカメラのフラッシュがピカッとしたらそこにメンバーいるかも。そして地元のバンド仲間が見に来てたりもよくあることなので、会場内に有名バンドの方が来てたりもあります。さらにはバンド活動以外に音楽関係の仕事をしているミュージッシャンもいるので、会場で見かけることもあります。この日はPrivate Lineのサミーがミキサーをしてました。ということでフィンランドでライブにいく場合は会場内も要チェック!

この日は雪がうっすら積もるなどしてビルの外に表示されてた23時前の気温は-2℃。長距離バスターミナルに向かっていた時、このヘルシンキ・ミュージック・マラソンの別の会場Henry's Pubの前を通るとイベントのたれ幕がテラスのフェンスに掲げられてました。夏の間はテラス大好きで深夜でもテラスには人がいっぱいのフィンランドですが、さすがにマイナス気温ではテラスに人はいませんでした(笑)。このイベント年に2回開催されているので、開催中にヘルシンキを訪れる機会があれば生のライブ演奏ぜひ聴きにいってみてください。

文:Hiro
写真:Hiromi Usenius

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