【インタビュー】VAMPS、アルバム『BLOODSUCKERS』完成「死は永遠のファンタジー」
■横ノリのグルーヴは今までVAMPSにありそうでなかったかもしれない
■演奏やパフォーマンスにも独特のノリが生まれそうな気がします──K.A.Z
▲アルバム『BLOODSUCKERS』 |
HYDE:そうですね。ここからは怒濤のロック攻撃。VAMPSらしい、いかがわしくてノリのいい曲を持ってきたかった。
──歌詞も“グーグーグー”とか“ガーガーガー~”とか擬音が入っていてコール&レスポンスできそうな。
HYDE:子供も一緒に歌えると思います。サビで首を横に振りたくなるような曲ですね。
K.A.Z:ギターのバッキングってロックでは重要だと思うんですよ。ヘヴィなギターで始まるこの曲はドライヴ感があって妖しさもある。きっとライヴで盛り上がると思うし、HYDEが言った横ノリのグルーヴは今までVAMPSにありそうでなかったかもしれない。演奏、パフォーマンスにも独特のノリが生まれそうな気がしますね。
HYDE:「LIPS」から立て続けに3発ぐらい景気のいい曲を持ってきたかったんですよ。で、シングル「AHEAD」がハマりが良かったので4曲目にして。
──「AHEAD」の後の「EVIL」がまたキテますよね。ヘヴィでゴシックでもあり後半の歌と演奏の迫力がスゴイ。
K.A.Z:後半はドラムの乱れ打ちみたいなね。ここで燃え尽きてArimatsuに倒れてほしいんですけどね(笑)。
HYDE:ははは。
K.A.Z:新しいヘヴィメタルでありラウドロックであり、サイバーな要素も少し入っている。尖っているとか刺さるっていう言葉が合う曲になりましたね。
──歌詞もゾクッとする怖さがある。非現実的なようで現実とリンクさせても聞けますよね。
HYDE:今の世の中を見ていると、正義の主張が度を越してると思うことがあるんですよね。正義は大事なことだけれど、それが押しつけになったときには悪に変わるんじゃないかって。「なぜ、俺に従わないんだ」っていう考えがエスカレートしたときに戦争が起こるんだと思うんですよ。人を殺してでも自分の意見を通したいっていう。そうなったときに悪魔は表れるっていう歌です。「俺を呼んだのはオマエだろ?」って。
──その邪悪な「EVIL」から「GHOST」への流れが切なくて絶妙です。
HYDE:ガーッといききって、ここでメロウな曲がね。歌詞は主人公が幽霊だったら?っていうところから入っていったもので。
──死生観が表れた曲がほかにもありますね。
HYDE:うん。そう考えたら死生観が出ている歌詞が多いかもしれないですね。
──ただ、ダークサイドな曲も含めて生き生きしているというか、何かがみなぎっているんですよね。
HYDE:逆に僕はそこにロマンを感じているのかもしれないですね。死って忌み嫌うものではなく、誰もが経験するものじゃないですか。だからこそ景色が美しく見えたりすることがあるんだろうし。個人的には信じてはいないですけど、例えば死んだ後に次の人生が待っていたら、ドラマティックだし、そう考えたら“死”は永遠のファンタジーという考え方もできると思うんです。その視点からの「GHOST」ですね。K.A.Zくんの曲を聴いて、こういうガラス越しの世界が浮かんで。
K.A.Z:実態の見えない霧がかかった雰囲気が漂っている曲ですね。サビのHYDEのファルセットがすごくキレイで、曲をさらに盛り上げる役目を果たしていると思う。
──「GHOST」のあとの「VAMPIRE’S LOVE」は、このポジションしかないという感じです。
HYDE:「GHOST」はメロウだけど、テンポは軽快じゃないですか。きっとライヴではみんな踊ると思ったので、身体を休めるという意味で、ワンクッション的にバラードがくるといいなと思ったので。
──「VAMPIRE’S LOVE」の日本語ヴァージョンを入れたのはアルバムではシングルと異なる楽しみ方をしてほしいと思ったからですか?
HYDE:もともとシングルでは日本語と英語をリリースするつもりで。英語ヴァージョンは海外向けにと思っていたんですけれど、映画『ドラキュラZERO』の関係でシングルは英語のほうがいいということになって。だったらアルバムに入れたら棲み分けができていいかなと思ったんですね。
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