【インタビュー】DIV、3周年特別企画第一弾「Point of view=視点を変えることで新たに見えるもの」
■自分が持っている手の内が“10”あるとすると“8”くらい出しています
■かなり手の内を見せているからバンドスコアになると困る──将吾
▲将吾(Guitar) |
▲2014.5.10@EX THEATER ROPPONGI |
▲2014.9.7@目黒鹿鳴館 |
CHISA: EX THEATER ROPPONGIで、お披露目することが決まってから、ライヴに来てくれた人に何を伝えたらいいかなと考え始めて。夏の曲ということは決まっていたけど、普通の歌詞ではなく、そのときに自分が一番思っていることを書くことにしました。DIVが始動した頃に思い描いていた2周年とは違うかもしれないけど、すごくいい形で2周年を迎えられたなと。このワンマンが決まったときに思って。同じように、たとえば小学生の頃に自分が思い描いた人間になれていなくても、今の自分を肯定できる人は多いと思うんですよ。夢見ていた自分じゃなくても“Point of view=視点”を変えれば、好きになれるよ、ということを伝えたいというのがまずあって。
──なるほど。
CHISA:あと、結局僕らはDIVのライヴをリアルタイムで客席から見ることはできないじゃないですか。お客さんにとっては僕らのステージを客席から見た様子がライヴの情景だけど、僕らにとっては自分の目に映るお客さんやメンバーの姿がライヴの情景なんです。同じものでも視点によって違うように見える。そういうことが面白いなと思って。たとえば不機嫌な人がいたとして、その人は不機嫌でも、それを見ているこっちは愛しいと感じていたりとか。ネガティブなことでも捉え方によって前向きに考えられるんじゃないかな、ということをテーマにした歌詞を書きました。
──リスナーの背中を押す歌詞になっていますね。では、「Point of view」のレコーディングは、いかがでしたか?
satoshi:この曲のデモは、けっこう今の形に近かったんですね。それもあって、デモを聴いた時点で、本番で叩いたドラムが浮かびました。ドラムのフレーズを熟考することもあるけど、この曲は自然に思いついたドラムをそのまま叩いた感じです。
──どっしりしたビートと、パーカッシブなフィルの取り合わせが印象的です。
satoshi:こういうテンポ感のいい曲は、スピード感が必要なので。それをどう形にするかというアプローチが、大きく言うと僕の中には2種類あって。この曲はパーカッシブな方向を活かしました。
──最後の最後に遅い2バスを踏んでいるのもカッコいいです。
satoshi:僕の世代で2バスというと、いわゆるレジェンド・バンドがやってきた速い16分音符で埋めるメタルみたいなものをイメージすると思うんですよ。でも、この曲はそういうアグレッシブな2バスではなくて。すごく心地好いというか、あまり熱くないお湯に入る半身浴みたいな気持ち良さ(笑)。
将吾:わかる、この2バスは、めっちゃエモい。
CHISA:舞浜から、“ドドドドッ”と電車で帰る感じがする(笑)。
satoshi:そう。要は、みんなと同じ気持ちなんですよね。終わりに向かうから、最後の最後に懐刀を出すというか。そういう感覚で入れました。
ちょび:ベースはドシンプルです。ギターを押し出したかったので無駄なことはしないでおこうと。ストレートなルート弾きに徹して、気持ちいい疾走感を出すことを意識しました。あとDIVは普段、チューニングを“ドロップC#”にしているんですけど、この曲は“ドロップC”なんです。そこまでチューニングを下げるとどうしても音が埋もれがちになるので、強めのピッキングで弾いています。全編ダウン・ピッキングで弾いたので、結構大変でした(笑)。それに、ドロップC#を活かして、よりロー感を強調したいというのがあって。ベースがどっしり構えた上に、エモなギターが鳴っている状態をイメージして音作りをしました。
──ソリッドに行きつつ、2番の歌中だけスライドを混ぜたフレーズを弾いて、ベースをウネらせていることもポイントです。
ちょび:そこは、将吾からリクエストがあったんです。
将吾:「Point of view」は、2番はハーフ・ビートになるから、ルートを弾くんじゃなくて、スライドでウネったらカッコいいんじゃないかなと思って。ギターに関しては、自分が持っている手の内が10あるとすると、8くらい出しています。分かりやすいギター・テーマとかAメロの左右で段差を付けるアンサンブル、サビのフレーズで位相を変えて左右に広げるアプローチ…という感じで。ギター・ソロもホンの一瞬だけど、速弾きっぽいこともしているし。かなり手の内を見せているから、この曲がバンドスコアになると困る。本当のことは、教えたくないから(笑)。
──な、なるほど(笑)。サビ・パートのギターの広がり方は将吾さんならではと言えますが、ギターは数本ダビングしているのでしょうか?
将吾:いや、2本だけです。すごく簡単に言うと、2人でやることを1人でやれるように変えているだけです。テンション・ノートを入れたり、オクターブ・フレーズから急にコードに変わったりしているから、もっと沢山のギターが鳴っているような広がり方をしているんです。
CHISA:歌は、元気よくというか、暑苦しく歌えたらいいな…というのがありましたね。暑苦しいといっても、うっとおしい歌ということではなくて、抑揚とエッジ感で熱さを出すというか。せつない歌ではないことを意識して、自分なりの夏っぽさを出すことを目指しました。全体的に歌いやすくて、録りはスムーズでしたね。この曲はライヴで歌っていても気持ちいいです。
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