【ライブレポート】黒夢“クロの日”、名古屋凱旋公演でツアー新局面へ突入?
9月6日、Zepp Nagoya。黒夢のツアー<BEFORE THE NEXT SLEEP Vol.1『夢は鞭』>が中盤のクライマックスを迎えた。いや、開幕前から「最後のロング・ツアー」と公言されているだけに、各地で“最後の夜”を重ねているこのツアーは毎回のライブがクライマックスでもあるのだが。
◆黒夢画像
今回のツアーではずっと定刻開演が続いているが、この名古屋公演も18時の開演予定時刻ちょうどに暗転。「FAKE STAR」で幕を開けたライブはアンコールに次ぐアンコールを重ねてトータル30曲以上にも及び、音響トラブル等の影響もあったとはいえ、終演を迎える頃には22時を過ぎていた。余談ながらこの前夜、清春は東京・新宿ReNYのグランド・オープン、すなわち正式なこけら落としにあたるソロ公演を行なっており、単純計算すれば2夜で約8時間、歌い続けたことになる。
黒夢は今回のツアー中、各公演終了後にツイッターのオフィシャル・アカウント(@kuroyume_info)上に、撮られたばかりのライブ写真とともにその日の演奏曲目を公開している。まだまだ続くツアーだけに通常ならばいわゆるネタバレ回避に努めようとするところだろうが、これもまた彼らが一夜一夜を“もう二度と訪れないもの”と解釈していること、選曲や構成に重複があろうと“同じライブ”を繰り返していくつもりが彼ら自身のなかに皆無であることを物語っている。実際、この夜の公演終了後、清春は今後のセットリストに変化が生じるはずだということを示唆していたりもする。そのヒントになるかどうかはわからないが、この夜は今ツアーを通じて初めて「KINGDOM」が披露されている。
アンコール時のMCで清春は「1年は速いよ。(去年の今頃は)『黒と影』が絶対間に合わない(ことが決定的になりつつあった)頃」と観客に告げた。実際、2013年の同じ頃、『黒と影』のレコーディング作業は、11月に設定された発売日を目指して進められていた。結果、同作の発売日は2014年1月29日に再設定されることになるわけだが、同じMCのなかで彼は「ツアーが終わるとそれ(=実際のアルバム発売)から1年になる」とも語っている。
そう、『夢は鞭』をキーワードとするこのツアーの“VOL.1”は10月30日、清春の誕生日に東京・新木場STUDIO COASTにて終了するが、『毒と華』という言葉を掲げて12月4日に郡山で開幕を迎える今ツアーの“VOL.2”は、2015年2月9日まで継続される。また、この日の公演が“VOL.1”における名古屋での最終公演となったが、“VOL.2”において彼らは12月31日、そしてツアー最終日の2月9日に、同じZEPP NAGOYAを占拠することになる。加えて、11月15日に名古屋・ダイアモンドホールで行なわれるBOYS ONLY公演(同19日、東京でもZEPP Diver Cityにて開催)、2015年1月29日に同じくダイアモンドホールにて開催されるFC限定公演にも注目したいところだ。
かつての活動拠点だった名古屋をふたたび本拠地とするかのようにしながら、このツアーは続いていく。そして黒夢の新たな歴史は、驚くほどのスピードで転がり続けている。しかし同時に、そのスピードのなかで、清春と人時には、移り変わりゆく風景を眺める余裕もあるようだ。清春は「これが名古屋での、45歳最後のライブ」とも語っていたが、そうしたさまざまな“最後”を経ていくからこそ、彼らはそれと同じだけの“最初”をこれからも迎えていくことになるに違いない。
PHOTO:宮脇進
TEXT:増田勇一
◆黒夢オフィシャルサイト
◆黒夢オフィシャルTwitter
◆黒夢オフィシャルFACEBOOK
この記事の関連情報
黒夢、10年振り再始動公演チケット即完売により追加公演決定
【ライヴレポート】清春、30周年記念ツアー全60本中40本目のバースデー公演「最後までみんなを連れていきます」
黒夢、生配信番組で最新インタビュー公開
黒夢 × SAINT Mxxxxxx、コラボレーション始動
清春、黒夢復活ライブと恒例<The Birthday>公演の放送/配信が決定
清春 × Boris、コラボシングル「The Hidden Bloodline」発売決定
【ライヴレポート】清春、30周年ツアー前半戦“Yokohama ReNY betaこけら落とし”公演に3時間半の超人的領域
【ライヴレポート】SADS、限定復活<1999-2003>初日公演「ロックに、音楽に、美学に年齢関係ありません。踊り狂ってください」
SADS、限定復活ライヴを10月放送配信