【インタビュー】ボヤケルズ、東京2年生になった”お芋ロックバンド”の美味しさに迫った 前編

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鹿児島から上京後、“お芋ロックバンド”というキャッチフレーズを携え活動してきたボヤケルズ。9月10日に2ndミニアルバム『ビヨンド』をリリースする彼らだが、1stアルバムリリースから約1年の間に、彼らは東京でバンドとして明確な進化を遂げていた。今回はボヤケルズの作詞作曲を一手にひきうけるわかまつごう(Vo/G)への独占インタビューを行い、現在のボヤケルズの美味しさについて迫ってみた。まずは前編。

◆ボヤケルズ 画像

■家の近所にも愛着が湧いてきたし、
■東京での生活が少しずつ自分のものになってきてるのかなって。

──鹿児島から上京して1年半。もう東京の生活には慣れましたか?

わかまつごう:う〜ん、前よりはちょっと慣れてきたかなという感じはあります。去年は東京に出てきて、息つく暇なくレコーディングして、レコーディングが終わったらミックスだ、PV撮影だ、アーティスト写真撮影だってどんどん進んでいって、しかも生活環境も、いろんな街に行くのに電車をいろいろ乗り換えかえなきゃいけなかったりとか。

──東京は地下鉄もいっぱいあるしね。

わかまつごう:そうなんですよ。最初、全然わからなくて。鹿児島なんてJRしかないですから。それに、東京は地下なのに電波が通じたりするから、一体どういう仕組みになってるんだ?って思ったりもして(笑)。だから去年1年間っていうのは、すごくお祭りっぽい、非現実的な中で過ごしている感覚があったんです。でも1年間東京で暮らしてみて、次は2年生になったわけじゃないですか。2年生になって、少しずつ地に足が着いてきたというか、お祭り感がだんだんなくなってきたんですよね。ツアーから戻ってきても、鹿児島……あ、鹿児島じゃない! 今“東京に慣れてきた”っていう話をしたかったのに“鹿児島”って言っちゃうあたり、やっぱりまだ2年生ですねぇ(笑)。でっかいランドセルしょって黄色い帽子かぶってる感じがまだまだありますねぇ(笑)。

──あはははは!

わかまつごう:でも、ツアーを廻って東京に戻ってきた時、なんか“帰ってきた”って感じもするようになってきたんですよ。家の近所にも愛着が湧いてきたし、お祭り感、非現実感がなくなってきて、東京での生活が少しずつ自分のものになってきてるのかなって。

──それは他のメンバーも同じですか? 前にボヤケルズがBARKSのインタビューに出てくれた時、ドラムの千穂里ちゃんは「鹿児島に帰りたい、帰りたい」って言ってたようですが。

わかまつごう:千穂里ちゃんは前ほどじゃないにしても一緒に飲んだりするたび「鹿児島に帰りたいなぁ」って言ってます、いまだに(笑)。そもそも実家がすごい好きみたいなんですよ。自分が歳取らないですむなら一生実家にいてもいいとか言ってて。それぐらい良い家族なんでしょうね? それは素敵なことだなと思うんですけど、ちょっと変わってますね、あの娘さんは(笑)。実家大好き千穂里ちゃん。

──何かのキャッチコピーになりそうですねそれ(笑)。

わかまつごう:語呂がいいですよね、“実家大好き千穂里ちゃん”(笑)。

──(笑)じゃあ、ごうくんは東京での暮らしにも少しずつ慣れてきて、もうホームシックになるようなこともなく。

わかまつごう:そうですね。変な話、鹿児島には僕だけ結構帰らせてもらってるっていうのもあるんです。ソロの弾き語りライヴで鹿児島に帰ったり、あと、地元のテレビ局で鹿児島のいいところをわかまつごうが再発見するみたいなコーナーもやらせてもらったりして。ホームシックになる暇もなく……。鹿児島を十分楽しんでおります(笑)。こんな話、今日はメンバーがいないからしてますけど、いたらあんまりできないです(笑)。

──そんな日々の中、今回の2ndミニアルバムはどんなふうに作られていったんですか?

わかまつごう:1年生の時は……あの、さっきから1年生、2年生って、いつのまにか学年制度を取ってますけど、いいですか?(笑) 1年生の時は、鹿児島の時に持ってたもので勝負してたところが多かったと思うんですよ。でも去年1stアルバムを出したあと、全国30本のツアーを廻らせてもらったり、イベントに出させていただいたり、いろいろ経験する中で、より伝わるライヴ、より伝わる曲を作りたいなって思うようになったんですね。で、鹿児島から上京してきた自分達の進化した部分もちゃんと作品に出したいなと。でも、そういう漠然とした思いはあっても、じゃあ次のアルバムにどういう曲を入れようか?ってなった時に、最初は方向性が見えなくて。スタジオに入ってなんとなく曲はやってみたものの上手く形にできないとか、結構もどかしい時間がありましたね。

──2ndアルバムを作るにあたって、単純に鹿児島時代に作ってた曲の延長線上で行こう、みたいな考えは?

わかまつごう:もちろん前からの延長線上にある曲もありますし、基本は何も変わってないんですけど、せっかくなら新しいところも出したいし、前作を超える作品にしたいっていう想いがあったんです。

──なるほど。

わかまつごう:で、去年がお祭りみたいな1年間だったので、もうお祭り感じゃなく、地に足の着いた、今の生活に根ざした空気感を歌詞に込めたり、今の自分達を音に込めたいなって。そうは思いつつも、何をどう形にしていけばいいのかわかんなくて、最初のうちは悩んでもがいたんですけど。それがだんだん解決していった1つには、みんな東京での生活がしっくり来だしたっていうのがあるんじゃないかなと。

──具体的に、今作の突破口になった曲はあったんですか?

わかまつごう:突破口かどうかはわからないですけど、1曲目に入っている「マーブル」って曲は、今までボヤケルズがやってた曲とは全然違う曲調ですし、このアルバムを聴いた時に一番目立つのかなって思いますね。

──うん、「マーブル」を聴いた時、最初ビックリしました。“え? ボヤケルズってギターロックバンドだっけ!?”と思って。


わかまつごう:1曲目から“あれ!? CD間違えたのかな?”みたいなね(笑)。結構言われるんですよ。「間違えてギターロックバンドのCD入れたのかと思っちゃった」って。今まではハッピーによいしょ、よいしょっていう感じだったのが、「マーブル」はすごくシリアスというか。

──そう、シリアスでヒリヒリするようなロックチューンですもんね。これはどんなふうに生まれたんですか?

わかまつごう:この曲自体は結構前からあったものなんです、鹿児島時代から。でも自分の中で“これはボヤケルズっぽくないしな。バンドのキャラクターに合ってないよな”と思って、勝手に遠ざけてたんですよ。

──ちなみに、ごうくんが思ってたボヤケルズぽさっていうのは?

わかまつごう:今回のアルバムに「ゆー」って曲が入っているんですけど、あの曲なんかはまさにボヤケルズ感満載だと思います。例えばライヴでも僕が“ゆー!”って言って、お客さんも“ゆー!”って言ってくれて、みんな笑顔で手拍子したり歌いながら一緒にワイワイ楽しもうね、みたいな。明るいか暗いかって言ったら、絶対明るい方のキャラクターだなっていう。


──その明るさっていうのは、意識的に?

わかまつごう:もともとボヤケルズというのは、バンドやってて楽しいよね、みたいな感じをテーマにしようってことで始まったんですよ。地元鹿児島にいた時“ギターロックバンドです!”“オルタナティブです!”みたいなバンドが周りにすごく多くて、そういうバンドの人達ってMCも“ありがとう”しか言わないし、手拍子なんか煽らない、みたいな感じだったんですね。だったら僕らはもう、みんなで歌うし、手拍子も煽りまくってやるぜ! MCも何だったら笑いを取りにいっちゃうぞ! という感じでやろうと思って。

── 一種、反骨心というか。

わかまつごう:ひねくれ心というか(笑)。それで始まったバンドなので、このバンドでは明るいことに特化してやっていこうっていうのがあったんです。ただ、僕が昔やってたバンドでは暗い曲とかも普通にやってたし、これは「マーブル」の歌詞にも繋がることなんですけど、どんなものでも何色って言えない部分があるじゃないですか。例えばパッと見て赤だと思っても、近くで見たら青とか黒とかいろんな色が混ざってたりとか。

──特に人間ってそうですよね。一見明るそうに見える人でも実は暗い部分を持ち合わせてたり。

わかまつごう:そうそうそう。それはバンドも同じかなと思いまして。明るいだったら明るい、暗いだったら暗いって分けなくても、人がいろんな面を持ってるように……というか、バンドも人がやってるものですから、すごい楽しい時もあれば悲しい時もあるし、明るいと暗いが混在しててもいいんだよなって最近ちょっと思えるようになってきたんです。だから「マーブル」とか、今までにないような曲調ってさっき言いましたけど、無理して作ったんじゃなくて、ほんとは明るい部分だけじゃないんだよっていうのが自然に出た曲だなという気はしてます。

──なるほど。では次回、後編ではニューアルバム『ビヨンド』の中にさらに踏み込んでみたいと思います。

取材・文●赤木まみ

2nd ミニアルバム『ビヨンド』
2014年9月10日発売
¥1,620 (Tax in) / ARGT-0003
1.マーブル
2.to the space
3.ゆー
4.run run run
5.ゆっくりとさよならをとなえる
6.砂時計
7.ときがたつってことは

■2ndミニアルバム『ビヨンド』より収録曲よりiTunes限定で先行配信中&ミュージックビデオを公開中
★M-1「マーブル」
価格:¥200 ダウンロードURL http://itunes.apple.com/jp/album/id907001130

★M-3「ゆー」
価格:¥200 ダウンロードURL http://itunes.apple.com/jp/album/id906997268

<BSフジ ボヤケルズ特番>
「上京48日目」ツアーファイナル〜僕らの東京一年祭〜
放送日時:2014年9月13日(土)24:30〜25:25
ダイジェスト映像公開中

■1ndミニアルバム『上京48日目』収録曲ミュージックビデオ公開中
「うたはしなない」ミュージックビデオ
https://www.youtube.com/watch?v=8XIKSNFwbh8

<LIVE SCHEDULE>
9月
・17日(水)熊本TSUTAYA MUSIC CAFE MORRICONE ※わかまつごうソロ出演
・18日(木)福岡Music Bar SORA ※わかまつごうソロ出演
・19日(金)長崎Ohana Café ※わかまつごうソロ出演
・20日(土)鹿児島KTSテレビ主催「KTSの日」
・21日(日)鹿児島CAPARVO HALL  【2ndアルバム「ビヨンド」レコ発LIVE!!】
10月
・11日(土)大阪MINAMI WHEEL2014

◆ボヤケルズ オフィシャルサイト
◆ボヤケルズ Twitter
◆ボヤケルズ Facebook
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