【インタビュー】ボヤケルズ、鹿児島代表ロックバンド・薩摩ブランドアーティストの音ルーツをじっくり聞いてみた 後編
真っ直ぐさとどこか懐かしいフォークテイストを併せ持つロックサウンドで鹿児島から全国へ飛び出したボヤケルズ。9月11日にリリースした1stフルアルバム『上京48日目』をひっさげ現在全国ツアー中の彼らに、その成り立ちから音楽性まで前後編に分けてじっくりと聞いてみた。前編ではバンドの成り立ちをそこそこ詳しく語っていただいたが、いよいよ後編。
◆ボヤケルズ 画像
■まぁ、絶対に横文字のカッコイイ系のシュッとしたバンド名は
■似合わないだろう、って話しになって。
若松剛:どうなのかな? 僕的には、全部自分で作詞作曲をしてしまっているので、どれが一番自分たちらしいのか、あんまりよく解らないんですけど(笑)。あ、でも、曲を構築していくときは、スタジオに入って、みんなで音を出し合って形にしていくんですけどね。そうだなぁ、『上京48日目』 の中で、一番ボヤケルズっぽい曲と言えば、4曲目の「うたはしなない」っていう曲なのかなって思いますね。アップテンポで、みんなで一緒に声を重ねて歌う感じが、すごくボヤケルズっぽいのかなって。
──なるほど。私的には、6曲目の「いーのか、いーんだ」とかが、イメージどおりのボヤケルズだったかなって。
若松剛:なるほどなるほど。
──個人的には、ジャケットのイメージからも、もっとフォーキーなサウンドをイメージしてたの。でも、1曲目の「星をたべる」から、すごく鮮やかに染めあげて行くロックを感じたし、「メロウ」とかなんて、一気にトーンダウンしたかと思うと、結構ゾクッとする歌詞が乗っていたりもするしね。
若松剛:はいはい。そうですね。曲や歌詞を描くときに、一番に考えてることは、聴いてくれる人の頭の中に、風景が浮かぶような感じの曲を作れたらいいなぁってところですね。
立元芳明:いつも種みたいなのを若松くんが持ってきて、それをみんなでもんで、それを持ち帰って、またもんでっていうのを繰り返して作っていってるイメージですね。
渡口史郎:そんな曲の作り方は地元に居た頃からずっとで、今も変わってないですね。
──なるほど。そういえば、一番肝心なこと聞いてなかったかも。ボヤケルズってバンド名はどこからきてるの?
渡口史郎:なんでしょね(笑)?
若松剛:あははは。なんでしょね(笑)。最初は遊びで組んだバンドだったんで、なんか適当に名前付けようって思ったんです。呑み屋で、お酒を吞みながら、何にしよっかぁ~って。
──それは、先月話してくれていた、現メンバーになる、本当に初期の段階の話しだね。
若松剛:まぁ、絶対に横文字のカッコイイ系のシュッとしたバンド名は似合わないだろう、って話しになって。
──たしかに。エンペラーとかだったら、絶対イメージ違うもんね。
一同:(爆笑)
若松剛:いやいや、ちょっと待って下さい(笑)。絶対そんな名前にしないし。第一、エンペラーって……。カッコ良くもなんともないじゃないですか!
渡口史郎:しかも、あんまりシュッともしてないしね(笑)。
──あ、そう(笑)? 例えが悪過ぎたかな。
若松剛:悪過ぎでしょ(笑)。まぁ、でも、次にバンド組む機会があったら、エンペラーも候補に上げてみます(笑)。
立元芳明:ちょっと字足らずな気がするな。どうせなら、エンペラー何とか、みたいに、もうちょっと長い方がカッコイイかもね。
渡口史郎:あぁ、たしかに。何がいいかね。
松下千穂里:ん? 今、決めるの?
若松剛:あははは。たしかに(笑)。そういう話じゃなかったね(笑)。で、なんでしたっけ? あぁ、でバンド名ですね。そうそう。それで、いい感じに、ちょっとダサイくらいの名前にしたいねってことになって。よし、何とかズにしよう! って。それで、ズの前に来るいいワードがないかなぁっていろいろと考えてて。ちょうどその頃、僕が歌詞とかに、よく“ぼやける”っていう言葉を使っていたこともあって、ボヤケルズにしよう! ってことになったんです。
──なるほど! ぼやけるっていう意味だったんだね!
若松剛:そうなんです。ちょっと造語っぽいモノにしたかったのもあったんです。もともとある言葉だと、そっちの方が印象強くて、検索してくれたときも、そっちがヒットしちゃうじゃないですか。例えば、ニトリとかだったら、絶対に家具屋の方が有名だし。
──IKEAもね。
若松剛:そうそう(笑)。
渡口史郎:あははは。また家具屋(笑)。
立元芳明:そこは狙ってないっていうね(笑)。
松下千穂里:そういう話しじゃなかったですよね(笑)。
若松剛:そうそう(笑)。
──そうそう(笑)。でも、そうか、ぼやけるっていうところから来たバンド名だとしたら、音楽性とも近い気がするね。音が綺麗に滲み合う印象もすごく受けたから。最初にバンド名を聞いたときは、もっとボケてる印象が強くって、もっとほっこり系のバンドかと思ったんだよね。
若松剛:あ、それよく言われるんです。ライブ終ってから、ライブハウスの人とかに、“君たち、全然ぼやけてないじゃん!”って言われるんですよね。
渡口史郎:っていうか、そもそも遊びで1回きりで終わるバンドのはずだったんで、そこまで深くバンド名に意味を持たせてなかったっていうのが正直なとこなんですよ(笑)。早急に適当に決めたバンド名だったっていう(笑)。
──“おいもバンド”っていうあだ名もあるんだって?
若松剛:だから、帰りたいんだよね(笑)。
松下千穂里:そう。ホームシック癖が(笑)。でも、よく、MCでも言ってるんです。“だいたいイモっぽいモノは全部友達!”って。
渡口史郎:言ってるねぇ。最近気に入ってるみたいで、よく言ってるね(笑)。
立元芳明:言ってる言ってる。
松下千穂里:ずっと聞きたかったんだけど、あれは、どういう意味なの?
若松剛:え!? 今ですか? 今、ライブ中のMCの説明するの!?
松下千穂里:うん。“だいたいイモっぽいモノは全部友達!”って言ってるでしょ? あれ、どういう意味?
若松剛:え、あの……そのですね。MCでは、ノリでギャグっぽいこともよく言っているので、それを説明しろと言われるとですね……。“だいたいイモっぽいモノは全部友達!”ってういのも、それもね、ちょっとラップ調で、“我々は鹿児島生まれ、鹿児島育ち! イモっぽいモノはだいたい友達!”って言ってるんですけど、ノリというかね……そこに意味は……無いからね……。
一同:(爆笑)
松下千穂里:あぁ、そういうことね(納得)。
若松剛:……なんか、一生懸命考えたギャグの説明をさせられた気分です……(苦笑)。ボケ殺しっていうか……。
渡口史郎:あははは。今のは随分ハートが強くなったね(笑)。
立元芳明:いい感じなんですよ(笑)。いつもだいたいこんな感じのテンションです(笑)。
松下千穂里:?
──あはははは。いいね、千穂ちゃん(笑)。ま、そんなライブの雰囲気も、音源に入っていたりするので、そこでも楽しんでもらえたらと。
◆インタビュー続きへ
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