【倉木麻衣×BARKS連載対談】第五回(2005~2006年)「もっと深く音のことを知りたいと思ってました」

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■カウントダウン……できなかったと思います(笑)
■気づいたら“8”ぐらいになってるんですよね

▲<Mai Kuraki Live Tour 2005 LIKE A FUSE OF LOVE>(2005)
▲「 Mai Kuraki Live Tour 2005 LIKE A FUSE OF LOVE>(2005)
烏丸:あと、2006年にはカウントダウンライブを始めていますね。これについては?

倉木:年末からハッピーニューイヤーをみんなと一緒に過ごして、1年を締めくくってまた1年頑張るぞという、親戚の顔合わせじゃないですけど(笑)。そういうライブができたらすごくハッピーだなと思いまして。

烏丸:ニューイヤーのカウントダウンライブって、いろんなアーティストの方がやられてますけど、一番アーティスト冥利に尽きる瞬間なんだろうなって、横から見ていて思うんですよ。だって、よっぽどですよ? 年末年始を一緒に迎えようというのは。家族や親戚をさしおいて。

倉木:そうですね(笑)。

西室:捧げるわけですからね(笑)。

烏丸:アーティスト活動をする上で一番大事なのは、応援してくれるファンじゃないですか。一緒に年を越したいというのは、当然の思いだと思うんですよ。だけどお客さん側は、倉木麻衣も好きだけどレッド・ツェッペリンも好きだしとか。

西室:紅白も見たいとか(笑)。

烏丸:それ以前に、彼氏や彼女と一緒にいたいとか。いろんなことがある中でそれを選ぶのは、相当なことだと思いますよ。そういう人たちが集まるわけですから、それはすごいエネルギーですよ。

倉木:1年を振り返って、頑張ったことや、つらいこと、それらを洗い流してくれるのがカウントダウンライブだなという気持ちもあるんですよ。

烏丸:あ、そういう気持ちもあるんですね。

倉木:はい(笑)。音楽によってそれを忘れて、気持ちを新たにして、1年を迎えようと言う気持ちも大事だと思うんですよね。初めてのカウントダウンライブは、どういうふうにしていいのかわからなくて、時間を合わせるのも大変だったんです。12時になる前に、“10,9,8,7…”ってカウントする時間と、その前の曲の終わらせ方をどうするか?とか、てんてこまいで。ストップウォッチで計ったりして。

西室:“これ以上MCはやめてください”とか(笑)。

倉木:3分前くらいには、うしろのスクリーンを見ていないといけないとか。選曲のほうも、その前のツアーでは新曲を多めにやっていたんですけど、それとはまた違ったライブを見せたいということで、デビュー当時から大切にしている楽曲を多めにしたりとか。リハーサルも大変だったことを覚えてます。

西室:最初の年は、ちゃんとカウントダウンできたんだっけ?

倉木:……できなかったと思います(笑)。

烏丸:どういうこと?

西室:10秒前からカウントダウンをやらなきゃいけないんですけど、前を向いてMCをしていて、みんなが“ああ~”って言って、慌てて“6,5,4…”みたいな(笑)。

倉木:それが何年も続いちゃったんですよ。

西室:2年に1回ぐらいしか成功しない(笑)。毎年“今年はできるかな?”と思いながら、ハラハラドキドキしながらカウントダウンを迎えるという。

倉木:気づいたら“8”ぐらいになってるんですよね(笑)。私の中では、そこは一番大事にしたい部分だったんですよ。もちろん歌が大事なんですけど、みんな新しい年に向けて、いろんな思いでカウントするじゃないですか。みんなに完全燃焼してもらいたいんですよ。だけど“10”からやれなかったら、完全燃焼できないじゃないですか(笑)。そこで“うわ~、やってしまった”と思うとともに、でも後悔を振り切ろうと思って、“七転び八起きです!”とか言ってみたりして。そしたらみんなも“麻衣ちゃん、七転び八起きだよ!”って声をかけてくれて。

西室:みんなに励ましてもらって新年を迎えるという。

烏丸:面白すぎますねぇ。

倉木:ハプニングはすごく多いです。衣装替えが間に合わないとか。そういう経験を経て、ひとつひとつ成長できてきたカウントダウンライブでもあるので。自分の中では、ツアーとカウントダウンライブの位置は違うんですよ。別々のライブ・スタイルを作れたということは、自分の中ですごく大きいと思います。

烏丸:何回ぐらいやったんですか。

倉木:8回です。2013年でいちおう終わりにして、区切りをつけたんですけど。また違ったライブ・スタイルを作っていきたいと思ったことと、ファンのみなさんやスタッフの方に、一度おうちでカウントダウンを迎えてほしいという思いもあったので。

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