【倉木麻衣×BARKS連載対談】第五回(2005~2006年)「もっと深く音のことを知りたいと思ってました」
■歌詞と歌の世界の中で自分というものを
■すべて出し切りたいという思いがある
▲23thシングル「ベスト オブ ヒーロー」(2006.2.8発売) |
▲25thシングル「白い雪」(2006.12.20発売) |
▲「ベスト オブ ヒーロー」撮影時 |
▲「ベスト オブ ヒーロー」撮影時 |
倉木:大学を卒業して、音楽にどっぷりはまって、もっと深く音のことを知りたいと思ってました。楽曲制作やアレンジの部分ですごくこだわって、1曲1曲を作っていた時期でしたね。アレンジを何パターンか作って、ということもありました。卒業して時間に余裕ができたので、音のこだわりや作詞のこだわりはより強くなったと思います。時間が増えるぶん、悩むことも多々ありましたけど。これでいいのかな?とか。
烏丸:正解がない世界じゃないですか。誰か“これでOK”というものを出してくれるか、自分で決めるかというところで、締め切りみたいなものを無理矢理にでも作っておかないと、正解の見えない世界の作りこみって大変ですよね。
倉木:やればやるほど方向性が違ってきちゃうとか、そういうこともありました。でもだんだん“ファースト・インプレッションを大事にしよう”ということに、自分の中でなっていきまして。そこは学んだところですし、客観的に見ることや、いろんな人の思いを聞いてやっていくことも大事にしたいというふうに、変わっていきましたね。
烏丸:プロデューサー的な意識が芽生えてきた、ということですかね。
倉木:その頃から、いろんなことに幅広くたずさわるようになりました。プロモーションビデオの編集に参加したり、ジャケット写真を何パターンも撮って選んだり。楽曲も、選曲の段階から参加させていただいたり。
烏丸:自分のやるべきことと、ほかの人にお任せする部分と、境界線がはっきりしてるんじゃないですか。たとえばさっき“女優業はどうなの?”と聞きましたけど、そこには興味がないと言われたのと同じように、音楽の中でも、例えば楽器を弾いてみようとか、作曲をやろうとか、いろんな方向性があるじゃないですか。でも、はっきりしてますよね。作詞にはすごくこだわりがあるけど、曲は人に作ってもらうスタイルは変えないとか。ちなみに、楽器を弾こうと思ったことはないですか。
倉木:私の中で、歌詞と歌の世界の中で自分というものをすべて出し切りたいという思いがあるので、ピアノにチャレンジしてみた時期はあったんですけど、やっぱり違うんじゃないか?と。それよりも詞の世界で、みんなの思いを取り入れて、自分の中で情景にして、ストーリーを伝えて、思いを伝えたいという方向に行きたいなと思っていたので。楽器を弾きたいという気持ちはないです。ひとつひとつ、自分が作る詞と、歌と、選曲した曲と、ジャケットと、プロモーションビデオと、そこに情熱を注ぎたいと思っているので。
烏丸:そこは一貫して、ブレてないですよね。
倉木:2005年に大学卒業する時にリリースした「ダンシング」という曲があって、初めて本格的に海外でプロモーションビデオを撮って、向こうの映像プロデューサーを起用して、新たな試みに挑戦したんです。「ダンシング」は、ライブで盛り上がれるものを作りたいという思いで作った楽曲なんですけど、会社のみなさんに“ぜひ海外で撮らせてください”とお願いして。
烏丸:楽曲制作も、PVも、アートワークも、ご本人の意向がずいぶん強く入って来てるんですね。
倉木:監督さんといろいろお話して、“こういうシーンが撮りたい”とか。
烏丸:その時その時で、やりたいことをどんどん表現していく。
倉木:そうですね。一貫してるのは、ライブでみんなと楽しめる楽曲を作りたいという思いが、強くなってきた時期でもありました。
烏丸:マネージメントとしては、“倉木は今何を考えているんだろう?”ということに、一番気を配るということですか。
倉木:今私が一番やりたい曲、等身大の自分を見せられる曲をやればいいよと、いつも言ってくださるので。
西室:それは、デビューの時から変わらないですね。その時にしか歌えない曲があるから、それを大事にしたらいいんじゃない?と。詞の世界観も含めて、今の年齢なら歌えて、もっとあとになると難しいとか、そういうものもありますから。その時の気持ちも含めて、今しか歌えない曲をやるのがいいと思っていたので。
倉木:その部分を、すごく大事にしていただけていると思います。
西室:しかも大学を卒業して、自分のやりたいことが明確にあるので、それはどんどんやってもらって、我々はそれがちゃんとした作品になるようにサポートするということですね。
烏丸:そのスタンスは、デビュー当時から今に至るまで、実は変わってないと。
西室:楽曲制作に関しては、そうですね。
倉木:それと、曲の世界観を引き出してくれる要素として、タイアップも重要なんですよ。
烏丸:アニメのタイアップや、CMのタイアップや、相手の求めるものを聞いて、自分なりに解釈して、出てくるものがあると。
倉木:それも出会いだと思っているので。新しい楽曲との出会いによって、自分の中にはない言葉が歌詞になって出てきたりするんですよね。今でもそうなんですけど、その曲を聴くと、新しい言葉が生まれてくるような時もあるので。そういう刺激は、アーティストとして大事だなと思っているので、いろんなことにチャレンジしていくことは大事だなって、この時にはすでに感じていたと思います。
文◎宮本英夫
◆ ◆ ◆
次回の連載対談は、倉木麻衣の2007年~2008年をお届けします。
■40thシングル「無敵なハート/STAND BY YOU」
2014年8月27日(水)発売
【初回盤A:CD+DVD】VNCM-6036 税込み¥1,300(税抜き¥1,204)
1.無敵なハート 作詞:倉木麻衣 作曲:平賀貴大 & 望月由絵 編曲:佐藤瞬, 田尻尋一
2.STAND BY YOU 作詞:倉木麻衣 作曲/編曲:徳永暁人
3.無敵なハート ~Instrumental~
4.STAND BY YOU ~Instrumental~
<DVD>
・ 「無敵なハート」Music Clip
【初回盤B:CD+DVD】VNCM-6037 税込み¥1,300(税抜き¥1,204)
1.無敵なハート 作詞:倉木麻衣 作曲:平賀貴大 & 望月由絵
2.STAND BY YOU 作詞:倉木麻衣 作曲/編曲:徳永暁人
3.STAND BY YOU ~Instrumental~
4.無敵なハート ~Instrumental~
<DVD>
・「STAND BY YOU 」Music Clip
【通常盤:CDのみ】VNCM-6038 税込み¥1,080(税抜き¥1,000)
1.無敵なハート
2.STAND BY YOU
3.無敵なハート ~Instrumental~
4.STAND BY YOU ~Instrumental~
■<15th Anniversary Mai Kuraki Live Project 2014 BEST “一期一会” ~無敵なハート~>
09月06日(土) 三郷市文化会館(埼玉)
09月13日(土) 磐田市民文化会館(静岡)
09月20日(土) 久喜総合文化会館 大ホール(埼玉)
09月23日(祝・火) 桐生市市民文化会館 シルクホール(群馬)
09月28日(日) 東京エレクトロンホール宮城(宮城)
10月04日(土) 福岡国際会議場 メインホール(福岡)
10月10日(金) 愛知県芸術劇場 大ホール(愛知)
10月13日(祝・月) 札幌市教育文化会館 大ホール(北海道)
10月18日(土) 西条市総合文化会館 大ホール(愛媛)
10月19日(日) サンポートホール高松 大ホール(香川)
10月26日(日) 武蔵村山市民会館(さくらホール) 大ホール(東京)
11月01日(土) 大津市民会館 大ホール(滋賀)
11月09日(日) 大阪国際会議場(グランキューブ大阪) メインホール(大阪)
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