【ライブレポート】“踊るバイオリニスト”リンジー・スターリング、息を呑むパフォーマンス
◆リンジー・スターリング画像
父親が愛聴していたクラシックのレコードやコンサートで実際目にした演奏に魅了され、6歳のとき自らバイオリンを習いたいと願い出たリンジーは、10年以上に渡り本格的なクラシックの教えを受けたものの、高校でバンドを結成したのをきっかけに独自の道を歩み始める。バイオリンのロック・ソングを作り始め、激しいソロにダンスを取り入れたユニークな演奏法を生み出した。
2010年に“ヒップホップ・バイオリニスト”としてオーディション番組『America's Got Talent』に出場した際には、視聴者からは絶賛されるものの、審査員の厳しい批評に一度は挫折。しかしその後、あらためて自分自身や自分のやりたいことを見つめ直し、夢を追い続けることを決意すると、YouTubeでミュージック・ビデオを続々と公開。よりパワーアップし洗練された演奏とヴィジュアルで、爆発的な人気を得る。2012年にリリースしたセルフ・タイトルのデビュー・アルバムはクラシック・チャート、ダンス/エレクトロニック・チャートの1位を獲得。2ndアルバム『Shatter Me』ではさらなるヒットを記録した。
ロック・ファンらしき姿が多く見られたロンドンのショウケースでは、1stアルバムからのヒット「Crystallize」に加え、最新作『Shatter Me』から「Beyond the Veil」「Mirror Haus」「Night Vision」「Swag」「Roundtable Rival」「Shatter Me」を披露。ドラムとキーボードをバックに、バレリーナのような可憐なダンスや身体を床まで反らしながらプレイし続ける『マトリックス』演奏、ハードロック/ヘヴィ・メタルのギタリストのような激しくアグレッシヴなバイオリン・ソロと、最初から最後まで息を呑むような圧倒的なパフォーマンスを見せた。
新作『Shatter Me』のテーマであり、彼女が目指すのは「殻を打ち破ること」だそうだが、その目標はすでに達成されている。
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