【ライブレポート】sads、新音源を携えながら“成熟した過激さ”炸裂
▲会場限定盤Single「spin」 |
▲会場限定盤Album『erosion』 |
◆sads画像
とはいえsadsは、アニバーサリー・イヤーだからといって歴史総括的なライブに徹するようなバンドではない。2010年発表のアルバム、『THE 7 DEADLY SINS』以降、清春はK-A-Z(G)、クボタケイスケ(B)、GO(Dr)という顔ぶれとともに、邦楽/洋楽といった垣根や、時代との温度差を感じさせないアグレッシブなヘヴィ・ロックを体現してきた。彼らのサウンドは、敢えて言うならばヘヴィ・メタル・バンドよりもヘヴィで、世に溢れているラウド・ロック系バンド以上にラウド。しかも過激さばかりではなく、官能の匂いすらも併せ持っているところが非常に稀有だといえる。実際、このツアー初日のライブもそんな彼らの現在の魅力を十二分に堪能できるものとなっていた。
同日の具体的な演奏曲目などについては明かさずにおくが、フロアを埋め尽くしたオーディエンスは、灼熱の空間で汗だくになりながら全25曲以上に及ぶ激烈パフォーマンスを味わい尽くし、まさに“音殺”ともいうべき快感に浸っていた。また、その公演中にも披露された3曲の新曲が収録された新作シングル「spin」と、前述の『THE 7 DEADLY SINS』以前の楽曲群からライブにおけるマスト・チューンをセレクトして新たに録音されたセルフ・カヴァー・アルバム『erosion』もこの日から会場限定にて販売開始。どちらもファン必聴の音源であることは言うまでもないが、ことに今後、「spin」の収録曲たちがライブにおいてどのような化学反応を起こしていくかには注目したいところだ。
ちなみにこれら双方の会場限定販売CDに関しては、会場外での通常販売を求める声が当然のごとく殺到中。所属事務所によれば、今回のツアーの全日程終了後に何らかの方法での販売を開始する予定があるという話だが、いわゆる通常のCDショップでの販売は予定していないとのこと。一刻も早くこの最新音源に触れたいという人たちには、やはりまずライブ会場へと足を運んで欲しいところだ。が、これらのCDの販売に関しては公演チケットの所持者のみに限定されているのでご注意いただきたい。
6月17日、このツアーの二本目のライブにあたるHEAVEN'SROCKさいたま新都心VJ-3での公演終了後には、自らのツイッター・アカウントにて「二本目でもはや最高だった!」とつぶやいていたりもする清春。さらに翌朝には「若い頃よりもやり切れるようになった気がする」との言葉も発信されている。先頃の<地獄ノ三夜>では黒夢としての20年超の時間軸を超越してみせた彼だが、ずっと止まっていたように思われていたsadsも、実は我々の目の届かないところで進化を遂げていたのだ。そんな彼らの現在なりの“成熟した過激さ”を、あなたにも是非ライブ会場で体感して欲しいところだ。
撮影:宮脇進
文:増田勇一
会場限定盤Single「spin」
FFRE-020 1,300円(税込)
1.spin
2.Tell me what you lie
3.PSYCHO GALLET
会場限定盤Album『erosion』
FFRE-021 3,000円(税込)
1.Because
2.STUCK LIFE
3.SANDY
4.NIGHTMARE
5.for you
6.Fairy's Malice
7.Liberation
8.Liar
9.THANK YOU
10.CRACKER'S BABY
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