【ライブレポート】圧巻のベストヒット・ライブ、赤坂BLITZがTLC一色のクラブに
6月18日、東京・赤坂BLITZには、4年ぶりとなるTLCの来日公演を待ちわびていたファンが早々に詰めかけ、会場はぎっしりと埋め尽くされていた。オーディエンスの7~8割は女性で、いわゆるBガール・ファッションに身を包んだ人もいれば、お揃いのTLCのTシャツを着たグループもいるなど、TLCで青春を過ごしたであろう多くの人々から、無邪気な笑顔を引き出していた。
◆TLC画像
バンドが定位置につき、DJが客席を煽った後、まず6名のTLCダンサーズがパワフルに会場を温める。歓声が飛び交う中、ダンサーたちと同じ淡いブルーのセットアップ姿のT・ボズとチリが姿を現すと、絶叫にも近い大歓声が会場にとどろいた。
デビュー時のストリート・ガール的なイメージのまま「Ain't 2 Proud 2 Beg」でスタートしたショーは、前半「What About Your Friends」「Silly Ho」「Hat 2 Da Back」といったヘヴィ・ビートのアップ・チューンで猛攻撃、ステージの熱気に負けじと客席も大合唱で応える。その後も「Baby-Baby-Baby」「Diggin' On You」「Red Light Special」とベイビーフェイス作のキュートでセクシーなミディアム~スロウを3連発。続く「Creep」も含め、1990年代アトランタを象徴するようなディープでレイドバックしたグルーヴで懐かしさを誘い、T・ボズのハスキーなアルト・ボイスとチリの滑らかでコシのある声も当時のままで、“あの頃”に連れ戻してくれた。
ショーの後半、「FanMail」「I’m Good At Being Bad」の前後では、T・ボズとチリはファンに心からの感謝の気持ちを送っていた。続くアコースティックな「Damaged」「Unpretty」では、その切なさの滲むリリックに共感を重ねながら、多くのファンが共に口ずさみ、歌声が会場を包んでいく。その後ダンサーたちのパフォーマンスを挿み、チリとDJによる「自惚れの強いダメ男に“絶対NO”を突きつける」パフォーマンスも盛り込んだ「No Scrubs」で本編は終了。
これほどまでのベストヒットの連続に会場の熱気はピークに達したかに見えたが、満員のオーディエンスの心を最も掴んだのは紛れもなくアンコールで歌った「Waterfalls」だった。「レフト・アイが一番好きだった曲よ」というチリの紹介の後、ラップのパートではステージ後方のモニターにレフト・アイの映像が映し出され、観客の涙を誘う。天国に旅立ったレフト・アイは、もう帰ってこない。けれど一度結ばれた糸は解かずに前進していく…そんな思いを伝えるべく最後に歌ったのが、2013年に本国で放映された伝記映画『Crazysexycool: The TLC Story』のためにNe-Yoが書き下ろした新曲「Meant To Be」だった。
レフト・アイを含めた変わらぬグループの絆、そしてファンとの絆を確かめ合うようにしてライブは終了した。アッという間だが濃密な70分、赤坂BLITZは時と場所を超えて、ハッピーオーラ漂うディープなクラブへと早変わりした。ロビーや帰り路で、涙を流しながら語り合う女性グループが多かったが、TLCの音楽とともに生きてきたことを改めて噛み締めたことだろう。
6月19日にはTLC大阪公演(なんばハッチ)が行われる。
photo:(c) UCHIDA YUSUKE
<TLC日本公演 2014年6月18日(水)@赤坂BLITS>
-INTRO-
Dubstep
Ain't 2 Proud 2 Beg
What About Your Friends
Silly Ho
Hat 2 Da Back
Baby-Baby-Baby
Diggin' On You
Red Light Special
-DJ BREAK-
Creep
Fanmail
I'm Good at Being Bad
Damaged
Unpretty
-DANCER BREAK-
No Scrubs
-ENCORE-
Wtaerfalls
Meant To Be
<TLCプレミアム大阪公演>
2014年6月19日(木)
@大阪 なんばHATCH
開場18:00 / 開演19:00
http://www.creativeman.co.jp/artist/2014/06tlc/
『グレイテスト・20イヤーズ・ヒッツ/TLC』
EICP-1593 ¥2,200+税
◆TLCオフィシャルサイト