【インタビュー】空想委員会「ずっと居場所がなくて困っていたけど聴いてくれる人が居場所をくれたんです」
■全然関係ないものが組み合わさったら違うものに見えてくる
■そういうふうに組み合わせるのが好きなんです
▲『種の起源』通常盤 |
▲『種の起源』お試し価格盤 |
三浦:あはははは。
──なんで笑うんですか(笑)。すごくいい曲ですよこれ。クールで、オシャレで。
三浦:で、歌詞がそれですからね(笑)。ミスマッチというか。
岡田:ノリが気持ちよくてカッコいい曲なのに、言ってることが笑っちゃうような。素敵です。
──でもそれ、言ってしまえば、全曲そうじゃないですか。
三浦:そうですね(笑)。
──サウンドはカッコいいオルタナ・ロックやギターポップで、ダンスミュージックを取り込んで洗練されたものもあって。「うわーカッコいい」と思ったら、「何を歌ってるんだ?」と(笑)。
三浦:全部そうです。だからサウンドが入口で好きになってくれる方もいると思いますし、歌詞を見て「何だこれは」と思って好きになってくれる方もいると思いますし。
佐々木:そこで重要なのが、やっぱりイントロなんですよ。イントロがよくなかったら、聴いてもらえない。
岡田:「おっ」と思わなければ、歌詞まで到達しないし。
──入口がサウンドで、言葉を読んで、ハマッていくんでしょうね。
佐々木:「歌詞に共感します」と言う男の子がすごく多いから。ちゃんと聴いてくれてるんだなと思います。
──三浦さん、文学的なルーツって、何かあるんですか。
三浦:本は好きです。あと、学生の時は作文とか小論文とかが大好きでした。歌詞を書くのも一緒で、楽しくやってます。ただ、「この人の影響でこの歌詞」とか、そういうものはないと思います。昔からこういう感じなんですよ、書いてることは。何の影響なんでしょうね? 本も、小説よりもビジネス書とか、そっちの方が好きな感じもあって。物語を読むよりは、誰かが書いた自伝とか、考えてることとか、そういうものを読むほうが好きなので。
──バンド名は空想だけど、好きなのは現実的なことというか。
三浦:そうですね。それがきっかけで、考えたことが頭の中で展開するので。きっかけはリアルなものがほしくて、考えてることは空想という、そういうことだと思います。たぶん。
──ああ、なるほど。それこそクラスメイトへの恋の妄想に「トレーダー」という概念を持ち込んだり。
三浦:そうですね。組み合わせるのは好きです。全然関係ないものが組み合わさったら、違うものに見えてくるとか。そういうものは好きです。
──「八方塞がり美人」もそうですよね。ふたつの意味がくっついて、「何だそれ?」という面白さを生んでいて。「八方塞がり」と「八方美人」は、全然違う意味じゃないですか。
三浦:そうなんですよね。ただ組み合わせてみたら、「そういう女性、いるな」と思っちゃって。「ドッペルゲンガーだらけ」も、ドッペルゲンガーって、稀にしかないじゃないですか。現象自体は。それを「だらけ」と組み合わせるという、矛盾したところから生まれるものがあるんですよね。矛盾してることが想像につながるとか。
──そこ、空想委員会の歌詞の世界の、すごく魅力的なところだと思います。「何だろうこれは?」って。
三浦:面白がってもらえると、うれしいです。
──そしてアルバムタイトルが『種の起源』。ダーウィンですね。これは?
三浦:メジャーデビューするということが、自分の中では大きなことだったので。ずっと居場所がなかったものが、メジャーデビューできるまでに応援してくれる人が増えたというのは、僕にとって大きい事件だったんですよ。で、メジャーに行くと変わっちゃうんじゃないか?って、ファンの方は心配されるじゃないですか。それを考えていて…でもおそらく変わるだろうなと自分では思っていて。ただいきなり変わるんじゃなく、自分たちの音楽をしっかり届けたいと思って頑張るのであれば、その状況に対応しなければいけないので、変わっていかないと届けきれないと僕は思ってるんですよ。
──はい。
三浦:そうやって「変わる/変わらない」ということをすごく考えている時期に、曲をいっぱい作ったんですよね。そしたら、今までと変わらないテイストの曲と、積み重ねによって新たなチャレンジができている曲とが並んだので、それこそ進化の過程じゃないかと。残るものは残るし、変わるものは変わっていくし、それが混ざってるCDですよと言う意味で、『種の起源』とつけたんですね。これからどういう音楽性になっていくか、まだわからないですけど、でも最初の入口として「ここからどうなって行くんだろう?」という意味での『種の起源』なんです。
──なるほど。納得しました。
三浦:だから今、混ざってる時期なんですね。バンドって、常にそうだと思うんですけど、とりあえずメジャーに移って、より一層進化しなきゃという気持ちをこめて。…真面目な話をしちゃいましたね。
──いいじゃないですか。最後は真面目に。
三浦:あんまり真面目な話をすると嫌われるかな?とか、思っちゃうんですよね。
──誰に嫌われるんですか(笑)。
三浦:いや、ライブ中のMCでもけっこう真面目にしゃべるので、「お客さんを置いていってないかな?」とか。でもみなさんいい子で、今みたいな説明をすると、「はい、わかりました!」という子たちばかりなので、ありがたいなと。
──最後にバンドとして、近未来の夢、目標、野望をひとこと。
三浦:今年は夏フェスがけっこう決まっていて、あこがれのステージにやっと出られると。それもこれも、今まで応援してくれた方たちがいたからこそだと思っているので、さっき言ったみたいに、僕らは変わっていく部分もあるんですけど、みなさんとの関係性は変わらないので、一緒に次のステージへ上っていきたいなという気持ちはすごくあります。特に僕なんて、お客さんに生かしてもらってるようなものなので。恩返しじゃないですけど、皆さんが普段日常生活で思っていても言えないようなことを、僕が言うので、一緒になって行こうよと、そう思ってます。それが未来のビジョンですね。
取材・文●宮本英夫
メジャーデビューアルバム
『種の起源』
2014年6月4日(水)発売
●お試し価格盤 期間限定生産
KICS-93066 ¥1,852+税
[CD] 新録10曲
M-1 カオス力学
M-2 八方塞がり美人
M-3 残響ダンス
M-4 エリクサー中毒患者
M-5 ラブトレーダー
M-6 主の機嫌
M-7 To DARWIN(instrumental)
M-8 ドッペルゲンガーだらけ
M-9 「ユートピア」検索結果
M-10 空想進化論
[封入特典]
・空想委員会新聞(予定)
●通常盤
KIZC-255~6 販売価格 ¥2,593 + 税
[CD] 新録11曲(共通10曲+準リード楽曲)
M-1 カオス力学
M-2 八方塞がり美人
M-3 残響ダンス
M-4 エリクサー中毒患者
M-5 ラブトレーダー
M-6 主の機嫌
M-7 To DARWIN(instrumental)
M-8 ドッペルゲンガーだらけ
M-9 「ユートピア」検索結果
M-10 空想進化論
M-11 自然選択説
[DVD]
・八方塞がり美人 Music Video
・自然選択説 Music Video
・ワンマンツアーファイナル(2013.12.21 メジャーデビュー発表LIVE)ダイジェスト映像
収録曲:エンペラータイム / 難攻不落ガール / 波動砲ガールフレンド
[封入物]
初回プレス分のみ:空想エンブレムステッカーランダム1種(全3種予定)
空想委員会メジャーデビュー記念ワンマンライブツアー
<空想進化論の証明>
6月8日(日) 高松DIME
6月12日(木) 札幌DUCE
6月15日(日) 名古屋CLUB QUATTRO
6月19日(木) 広島Cave-Be
6月21日(土) 福岡DRUM SON
6月22日(日) 熊本DRUM Be-9 V2
6月24日(火) 大阪・心斎橋Music Club JANUS
6月28日(土) 仙台LIVE HOUSE enn 2nd
6月29日(日) 八戸ROXX
7月5日(土) 金沢vanvan V4
7月6日(日) 新潟CLUB RIVERST
7月20日(日) 赤坂BLITZ
チケット一般発売 4/26(土) 12:00スタート
◆空想委員会 オフィシャルサイト
◆キングレコード