【インタビュー】ALTIMA「前向きになれるポイントがたくさんあるアルバムになっているので、元気の無いときはこの『TRYANGLE』を聴いて元気になってください」
2011年夏の始動から2年半。SATが生み出すハイパーなデジタルサウンドと、勢い良く絡み合うMAONのボーカル&MOTSUのラップでシーンに衝撃を与えてきたALTIMAが3月26日、遂に1stアルバムをリリースした。そのタイトルは『TRIANGLE』ならぬ『TRYANGLE』。三角に交わる力で新たな角度(=ANGLE)に挑戦(=TRY)してゆくという気概は、もちろん収録曲にも溢れ、カバーに打ち込みゼロ のバンドサウンド等、ALTIMAの自由なスタンスを高らかに表明している。5月からは待望のワンマンツアーも敢行。完全燃焼を目指す彼らの激熱ステージに、万全のエネルギーチャージで臨め。
◆ALTIMA『TRYANGLE』~拡大画像~
■ALTIMAの2年半の集大成になる1枚なんで既発曲は全曲入れたかった
■TDやマスタリングは全部やり直して新曲ではALTIMAらしい楽しさを入れました
――待望の1stアルバム、ホントにアゲアゲですね。とにかく聴いていて楽しい。
MAON:私も家で掛けながらお掃除してたとき、とにかくテンションが上がって元気になるな! って思ったんです。曲それぞれの個性も、流れも、すごく気持ち良くて。ファンの人はもちろん、デジタルサウンド好きなファンの方にも刺さるんじゃないかな。1枚通して、ホントに自由なんですよね。
SAT:アルバムリリースが決まって、まず一番最初に話したのが“俺、「Walk This Way」やりてぇ!”ってことだったんですよ。もともと僕はMOTSUさんを聴いて育った世代なんで、一種のファン心理としてMOTSUさんにRun-D.M.C.をやってほしかったんです。
――そう! いきなりカバー曲で幕開けるのには、本当に驚きました。
MOTSU:それによって“ALTIMAって自由だぜ!”ってことを、ド頭から宣言できるじゃないですか。で、実際やるにあたって解析してみたところ、まずRunとD.M.C.の歌手としての上手さにビックリ。僕、“ラップなら歌がダメでもできるじゃん”と思って入ったクチだったんで、あ、この人たち凄かったのか! と。
MAON:元が名曲というのもあって、とにかくスキャットと発音は難しかったんですが、一度だけライブで披露したとき、メチャメチャ楽しかったんですよ。すごくバンドサウンドに近いのに、イントロの何小節かだけで“ALTIMAが来る!”っていう感じが滲み出て、今までにないALTIMAの未来を感じました。
MOTSU:うん。ホントにアドリブ感が超楽しくて、ミュージシャンで良かったなぁ!と思いましたね。
――そこからアッパーにアガり続けていきますが、既発4枚のシングル表題曲だけでなく、カップリングも満載ですね。
SAT:ALTIMAを始めて2年半の集大成になる1枚なんで、僕としては全曲入れたいくらいだったんです。まぁ、いろんな事情があって、4thシングルのカップリングである「NORADRENALINE」だけは残しておくことになり。もちろん再収録にあたりTDやマスタリングは全部やり直した上で、新曲ではシングルで出せなかったALTIMAらしい楽しさを入れようと。
――アッパー&メロディックなALTIMA王道とは異なるアプローチが新鮮でありつつ、おかげで1枚通しての馴染みも良くて、5曲目の「Backfire」も「CYBER CYBER」からの流れが最高に気持ちよかったです。
SAT:もともと「CYER CYBER」ってハイパーテクノに着想を得て作ったものだったから、「Backfire」のイントロもハイパーテクノっぽくして、綺麗にユーロビートに繋げたかなと。MOTSUさんの車をイメージしたいという要望に応えて、ドライブに適した曲になってますね。
MOTSU:あのシンセブラスのリフが、主張が強くて素晴らしい。
――歌詞もとてもポジティブで、“子供時代の夢を思い出して、君は君のままで進んでごらん”というようなメッセージを感じました。
MAON:活動していく中で、MOTSUさんとSATさんが私にとってのヒーローに映る瞬間がたびたびあるんです。そういうヒーローに憧れる気持ちを描きつつ、未来に進んでいくっていうのを大前提に書いた曲です。今回のアルバムでもいろんなことに挑戦していく中で、“何にでもなれるんだ”とか“不可能なんて無い”って思わせるパワーみたいなのを私自身すごく感じました。そういう気持ちが「Backfire」だとか6曲目の「Mission Dispatch」では、歌詞にも表れてますね。聴いている方にも、そうやってプラスな気持ちを持ってもらえたらいいなぁっていうのは、今回の作詞における一つのテーマでした。
――その「Mission Dispatch」はMOTSUさんの曲で、ベースの太い感じだとか楽曲自体ちょっと異色ですよね。
MOTSU:あ、そうですね。ホントにアゲの音楽っていうのは自分の中で完全なる使命なんで、とにかくリズムと一緒に勢いで巻き込んでいくようなイメージで書きました。タイトルもミッション急送みたいな意味で、要は3人が要請を受けて盛り下がってるところに急行して盛り上げる!みたいな感じ。“大丈夫だから、四の五の言ってないでアガりますよ!”っていう曲です。
MAON:最初に聴いたとき、率直に“すごく好き!”って思ったんで、レコーディングも楽しかったです。キーもピッタリだったので1時間くらいでスンナリと気持ちよく歌わせてもらいました。
SAT:2013年<ANIME2013>っていうオランダのコンベンションに参加したんですけど、そこでの経験も歌詞に反映されてますよね。
MOTSU:うん。それでScheveningenっていう地名も出てくる(笑)。大体アニメコンベンションに行くと、ライブだけじゃなくサイン会とかをやったり、覆面をして遊びに行ったりするから、いろんな人に触れ合ってインスパイアされるんです。だから、もっともっといろんなところにDispatchしたい。
――ここで折り返して、後半は1st&2ndシングルの表題とカップリングが続きますが、メロディックで恋愛要素も含んだ曲の中に置かれた「Here We Are~Mountain Explosion~」が、ものすごいインパクト。4つ打ちでガンガン攻めるあたり、まさに“ドラムビート無限ループ 人々超すぐトランス”というラップ詞の通りだなと。
SAT:これは3rdの「Burst The Gravity」をリリースしたときに、MOTSUさんの“ヒェア!”っていうガヤがバズりまして(笑)。じゃ、“ヒェア!”をテーマに、みんなでコール&レスポンスしながら飛び跳ねる曲を作ろうと。
MOTSU:あの、一言も“ヒェア!”って言ったつもりはないんですけど……。
SAT:でも、言ってます!
MOTSU:そしたらデモが上がってきたとき、“ヒェア!”がホントに200万回くらい入ってて! さすがに常識的な数に減らしました(笑)。
MAON:その“ヒェア!”っていう言葉自体、私たち3人だけで生み出したものじゃなく、オーディエンスの皆さんから届いたワードだったので、ある意味みんなとの共作とも言える曲なんですよね。それこそALTIMAを2年半やってきた結果というか、今、ここで出すのが象徴的な1曲になってると思います。
SAT:そういうバックグラウンドがあるから、俺、30分で作れたんだよ。
――早い!
MOTSU:言ってみれば、もう、ファンの熱を我々が描写したようなものです。ファンの人たち自身が歌詞に出てくる“ヒェガートライブ”で、“山が噴火しちゃったよ、ヤベェよ!”って祈祷してる絵が浮かんだから、歌詞もその通りに書いただけ。
――だから山が噴火するような力強さと、原始的な神秘性を感じさせる曲になっているんですね。さらに、山の三角形はALTIMAマークにも通じている。
MOTSU:あ、ホントだ!
SAT:え、俺はそういう解釈でいましたけど?
MOTSU:……全然適当です(笑)。あと、個人的にはサビ頭の“どこまでどこまでも”っていうMAONちゃんのボーカルがたまらない! また、そこに“だからねえ?”って疑問詞が続くのがグッときて、同じメンバーながら“この人たち良いなぁ”と嬉しかったですね。
――そうして打ち込み曲でトバした最後、表題曲の「TRYANGLE」は、電子音もシンセサイザーも一切入っていないスタンダードなロックというのがニクい。
SAT:やっぱりタダでは終わりたくなかったんですよ。電子音に頼らず、どこまでできるのかを示したかったというか。それにツアーも決まってますから、バンドメンバーと僕のほうで生っぽく、洋楽っぽい楽曲をシレッと提示することで、ALTIMAの大人な面を表現したいなと。
MOTSU:いつものライブメンバーが演奏してくれてるんで、ファンの人にとっては非常に聴き馴染みのある感じになってるんじゃないかな。
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