【インタビュー】テクノボーイズ・パルクラフト・グリーンファンド「『ウィッチクラフトワークス』という作品を大事にしていると同時に、テクノボーイズの音楽がこういう世界観なんだというのも出したかった」

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■ボーカルの声がなかったらここまで聴いてもらえなかったと思います
■「こんなにテクノと親和性の高い声だったんだ」って正直思いました



▲「ウィッチ☆アクティビティ」
――ちなみにこのタイトルとジャケットについてはどうしても聞かなければいけないと思うんですが…。

一同:ははははは!

――まず「ウィッチ☆アクティビティ」というタイトルはクラフトワークの『Radio-Activity』を想起させますね。

松井:はい、そうですね(笑)。

石川:僕らのせいじゃないです(笑)!

――これはどういう経緯で?

松井:『ウィッチクラフトワークス』という素晴らしい作品で、僕らテクノボーイズを呼んでもらったということで、凄いプレッシャーだったんです。これは僕らもある程度覚悟も決めなければいけないな、と(笑)。それでタイトルを決めなければいけないという時にボソっと「ウィッチアクティビティ」って言ったら、プロデューサーの佐藤君が「それっ!」って言って(笑)。

石川:彼が特A級戦犯です。

松井:「大丈夫なん!?」って聞きましたもん。

石川:僕も「大丈夫か!?」って。

松井:まあでもそこは数々のアニソンを作り上げてきた名プロデューサーが「いける」っていうんで(笑)。

――ジャケット(クラフトワーク『人間解体』がモチーフになっている)についてはみなさんの意向ではなく?

石川:ではないですね(笑)。いきなり見せられましたから。

松井:「できたから確認して」って言われました。「何の確認?首の角度?」って(笑)。

一同:(笑)。

松井:でもおかげさまで沢山の人に聴いてもらえて。さっきも話がありましたが、ボーカルの声がなかったらここまで聴いてもらえなかったと思います。「こんなにテクノと親和性の高い声だったんだ」って正直思いましたね。

――ライブではこの曲はどうなるんですか?

松井:やっぱりこれだけ反響があるとライブで「ウィッチ☆アクティビティ」やらないの? ってなりますよね。でも僕らはたんぽぽちゃんみたいな素晴らしい声が出ないんで(笑)。実はタイトルを「WATCH ACTIVITY」にして全部英語で歌詞を書きなおしまして。それを自分たちのライブでやろうと思います。

――なるほど。それは5月に発売予定の『ウィッチクラフトワークス』のサントラに収録されるんでしょうか?

松井:そうですね。リミックスとセルフカバーが収録される予定です。


▲セカンド・アルバム『good night citizen』
――その前にテクノボーイズのセカンド・アルバム『good night citizen』が4月に発売されるんですね。こちらはどんな内容になっていますか?

石川:8年前から準備していたんですが、その頃は機材的なことがついてこない問題があったのと、発表する場がなかったということもあるんですが、沢山の方に「ウィッチ☆アクティビティ」を聴いてもらっているので、このタイミングで出したいなと思って。去年アレンジやミックスをやり直したりして、8年間発酵させていったものをいよいよ出すという感じですね。

松井:音のふくらみというのを結構意識してるかもしれないですね、ノイズも込みで。ただ電子音を鳴らすだけじゃなくて、生の音や単なる空間の音だとか。エレクトロニカをテクノボーイズがこの8年でどれだけ消化できたかというのは聴いてもらえばわかると思います。『ウィッチクラフトワークス』のサントラについては、僕らにしてみたら、バンド初期の懐かしい曲作りなんですよね。それに対して『good night citizen』は「あ、こんなこともするんだ」という、どちらかといえばヒューマンな作りになっています。2枚のアルバムが動と静の作品になっているので、両方聴いて比較してもらったら面白いと思いますよ。

――ライブ等、今後の活動について教えてください。

石川:3月22日に代官山LOOPでのライブがあります。これは「ウィッチ☆アクティビティ」のミキサーをやってもらった「ハイスクール・ララバイ」なんかを手掛けた寺田康彦さんのバンドModern Flower Childrenの呼びかけで決まったライブです。そこに出る出演者が凄くて、『うる星やつら』のサントラを作っていたTPOというバンドにいた岩崎工さんも対バンで出るんですよ。『ウィッチクラフトワークス』を僕は『うる星やつら』だと思って作ってたところもあるんですよ、実は。

――そうなんですか? 作品としては全く違うものの。

石川:はい、そうなんですけど。

松井:空気感というか、あのギャグのテンポ感が。そういうものを作っていた人達と偶然一緒にライブをやれるということがあって。だから自分達で言うのもなんですけど、僕らがやりたかったテクノが今キテるな、と。さっきフジムラ君が言っていた、僕らがテクノとして認識されない時代が終わりを迎えたのかなと(笑)。

――それはテクノボーイズが変わったということではないんですよね?

石川:僕の中では意識的に8年前に止まりました(笑)。

松井:あと、4月から神戸・東京・大阪と月に一度ツアーに出ます。僕らは結成20周年なんで、『TWENTY TECHNO ACTIVITY』っていう、まあちょっと乗っかった感じのタイトルなんですけど(笑)。

一同:あははははは!

――思いっ切り乗っかってるじゃないですか(笑)。

松井:自分で起こした波に自分で乗るという(笑)。あとはハイレゾが、いま来てるじゃないですか? 自分達が表現したいことに躊躇しないで出したいなというのがありまして。ハイレゾ音源での配信もしたいと思っています。

石川:世の中の音楽の聴き方って、レコードに始まりCDになって、良い音を選んできた歴史があるんですが、MP3とかが出てからは良い音じゃなくて「便利さ」を選ぶようになってしまったんですよね。機械で音楽を作っている者としてはそれは嫌だな、と。ミュージシャンとして自分は良い音で出したいという気持ちがあるので、だから192kHzで録ってそれを配信したいなと。あとは192kHzだと音が良いままCDにはできないので、アナログのレコード盤にすればそのまま聴けるんじゃないかなとか、色々考えてます。

松井:だからセカンド・アルバムはLPでのリリースもします。もちろん16bit / 44.1kHzのCDでも出しますけど。他にも高音質で録音した別の作品を配信する予定もあります。

――かなりのリリース・ラッシュになりそうですね。

松井:そうですね。でも今の状況があるのは『ウィッチクラフトワークス』という作品に巡り合えたおかげですからね。アニメもまだまだ続きますし、見てほしいですね。そして僕達のアルバムもぜひ買ってください(笑)。よろしくお願いします!

取材・文 岡本貴之

「ウィッチ☆アクティビティ」
TVアニメ『ウィッチクラフトワークス』エンディング主題歌
発売中
LACM-14183 ¥1,200
1.ウィッチ☆アクティビティ
2.Saturday Night Witches
3.ウィッチ☆アクティビティ (Off Vocal)
4.Saturday Night Witches (Off Vocal)

『good night citizen』
2nd ALBUM 13曲収録
4月6日神戸LIVEにて先行発売
HKCR-1001 ¥2,800

<SPRING ELECTRIC PRELUDE New Electric Pop Era Starts.>
3月22日(土)代官山LOOP
開場 17:15 / 開演 18:00
前売 ¥2,500+1Drink / 当日 ¥2,800+1Drink[※Drink代¥500]
出演:
Modern Flower Children
Takumi Iwasky -岩崎工-
TECHNOBOYS PULCRAFT GREEN-FUND
APOTHEKE

<TWENTY TECHNO ACTIVITY>
4月6日(日)神戸クラブ月世界
開場 16:30 / 開演 17:30
前売 ¥3,000+1Drink / 当日 ¥3,500+1Drink[※Drink代¥500]
出演:
TECHNOBOYS PULCRAFT GREEN-FUND
Modern Flower Children
結城アイラ


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