【対談】高橋優×佐々部清監督、映画『東京難民』と主題歌を語る「「旅人」という曲に映画と関係ないところで感動しちゃった」

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映画『東京難民』が2月22日、有楽町スバル座ほかにて全国公開される。同映画は、若手俳優・中村蒼が主演を務め、『半落ち』や『ツレがうつになりまして。』で著名な佐々部清氏が監督を手がけた作品だ。“ネットカフェ難民”や“ファストフード難民”の実態をはじめ、華やかなホストの秘密ビジネス、“日雇い”の信じられない労働条件、そして流転の先に流れ着く終着点など、現代日本のタブーとされる裏社会に迫った本作は、その現実を真正面から描くことで格差社会の真実を突き付けている。

主題歌は高橋優が務めた。2013年11月24日の初武道館公演で披露された「旅人」は、“誰しも旅をしているように生きている”ということを思ってこの映画のために書き下ろされたナンバーであり、公開中のミュージックビデオには武道館のライブ映像と『東京難民』のシーンがふんだんに盛り込まれている。ぜひともご覧いただきたい。BARKSでは、2月初旬に行われた高橋優と佐々部清監督のスペシャル対談を掲載する。それぞれの作品を通じて共鳴し合う2人の言葉をお届けしたい。

◆「旅人」ミュージックビデオ

■人がどんどん不幸になっていくところにはものすごく共感する──高橋優
■高橋さんの怒りというか、ソウルみたいなものがぶつけられてる気がした──佐々部監督

──まずは、今回のコラボレーション実現の経緯についてうかがいたいのですが。

高橋:佐々部監督の『陽はまた昇る』は、自分のソウルフードならぬソウルムービーみたいな感じで、何度も何度も見ています。

佐々部:僕が高橋優という名前と歌を知ったのも、映画『桐島、部活やめるってよ』の主題歌になった「陽はまた昇る」が、僕のデビュー作と同じタイトルだったからなんです。だから今回の『東京難民』のプロデューサー二人から、主題歌については「まず高橋優さんに当たりたい」と言われたとき、「いいね」と即答したんです。

高橋:映画を拝見して、ぜひ主題歌を書かせていただきたいと思いました。人が幸せになっていくところにはなかなか共感しづらいけれども、人がどんどん不幸になっていくところにはものすごく共感する、というところから僕はこの映画に入っていったんです。最初のほうで主人公の時枝君が転落していくシーンがずっと続くんですけど、これはないだろうと気持ちが冷めるどころか、逆に映画の世界観にのめり込まされていく。財布の中身が見る見るうちになくなっていくとか、女の子に誘われたら行っちゃうとか、ワンシーン、ワンシーンに共感ポイントが盛り込まれている映画でもあるので、「このワンフレーズが心に残った」と言われる曲を考えてみようと思いました。

──完成した主題歌「旅人」についてはどう感じましたか?

佐々部:イントロから始まって、最初のフレーズで(ヒロインの)茜の顔が出てきて、最初のサビまでに時枝君がすれ違った人たちがワーっと出てくるし、サビになると時枝君が出てくる。そして、1回しかない後半のカギカッコ付きの歌詞の部分からのサビは、電車の中で聴いていて思わず涙がこぼれてきちゃったんです。

高橋:Dメロと呼ばれる部分ですね。

佐々部:尺の問題があって、映画にはフルコーラスを入れられなくて、外した部分もあるのは申し訳なく思ってるんですけど。

高橋:4分~4分半という注文だったのに、6分半の曲を書いちゃったんですよね(笑)。自分でも長くなっちゃったなと思ったんですけど、聴いてもらいたくてそのままお渡ししたので……(笑)。今おっしゃってくださったDメロの部分は、最初はなかったんですけど、この曲の核心になるような部分が欠けているような気がしたので付け足していったら間奏も欲しくなって、6分半になったんです。

──“いつか忘れ去られるなら生きていく意味なんてないよ”という言葉から始まる部分ですね。

高橋:監督にそんなふうに言ってもらえて嬉しいですね。ここを書いてよかったなと初めて思えた瞬間です(笑)。このDメロの部分は、自分の解釈になってるんですよね。時枝君が、何ゆえこれほど難民になっていかなければいけなかったのかを自分で考えたときに、もし「俺はこうなりたい」っていうのが一つでもあったら全然違ったんじゃないかと。

佐々部:僕は、高橋さんが映画に寄り添って書いてくれたなと思いながら聴いていたら、このフレーズのところで高橋さんの怒りというか、叫びというか、ソウルみたいなものがぶつけられてるような気がしたんです。それでこの「旅人」という曲に、映画と関係ないところで感動しちゃった。僕も今『東京難民』で、今年どうやって食っていこうかなと思ってるんですけど、きっと僕の世代の人たちは会社の倒産やリストラといった不安の中で難民感を抱えていると思うんです。世代を超えてハマっていく歌だと思いますね。

高橋:同じ難民でも、佐々部監督はご自身の道をちゃんとチョイスして生きてらっしゃるように見えます。まったく先が読めない不安定な中で、いかに自分の道を切り開いていこうかと悩んだり考えたりしながら試行錯誤をやめないで歩んでる人って、僕は大好きなんです。佐々部監督のお話を聞けば聞くほど、主題歌をやれてよかったなと思うし、「旅人」というタイトルにしてよかったなとすごく思います。

   ◆   ◆   ◆

◆映画『東京難民』
中村蒼が演じるどこにでもいるような大学生の時枝修は、授業をサボり、合コンで盛り上がり、気楽な毎日を送っていた。しかし、授業料の未払いを理由に、突然大学を除籍されてしまう。生活費全般の面倒を見てくれていた父親が、借金を抱えて失踪したのだ。家賃の支払いもなく、アパートから強制的に追い出された修は、ネットカフェに泊まりながら日払いのバイトで食いつなぐ。ある日、騙されて入ったホストクラブで高額料金を突きつけられ、その店で働くことを余儀なくされるが、ホストの裏側を見てしまった修は無傷で抜け出すことが出来ず、ついにはホームレスにまで転落してしまう……。
出演:中村蒼、大塚千弘、青柳翔、山本美月、中尾明慶、金子ノブアキ、井上順
監督:佐々部清(『半落ち』、『ツレがうつになりまして。』)
脚本:青島武(『ツレがうつになりまして。』、『あなたへ』)
原作:福澤徹三(『東京難民』光文社刊)
主題歌:「旅人」高橋優(ワーナーミュージック・ジャパン)
制作プロダクション:シネムーブ
配給:ファントム・フィルム
(C)2014『東京難民』製作委員会
2014年2月22日(土)有楽町スバル座ほか全国ロードショー




■10thシングル「パイオニア/旅人」
※両A面シングル
【1万枚限定初回TP盤(トイレットペーパー仕様)<CD+オリジナルトイレットペーパー>】
WPCL-11746  ¥1,600(税抜)
【通常盤<CD>】
WPCL-11707 ¥1,200(税抜) 
1.パイオニア
2.旅人
3.卒業(弾き語り)
全3曲収録
※初回限定盤のみ<SPACE SHOWER TV×JCN”LIVE FOR NEW LIFE”高橋優LIVE2014.3.26> 250名招待応募券(シリアルコード付)封入
<応募期間:2014年3月11日(火)10:00~2014年3月16日23:59>

■<高橋優2014東北ライブハウス大作戦ツアー“一人旅”>
3月28日(金) 岩手・KLUB COUNTER ACTION MIYAKO
open 18:00/start 18:30
[問]キョードー東北 022-217-7788 (平日10:00~19:00 / 土10:00~17:00)
3月29日(土) 岩手・大船渡LIVE HOUSE FREAKS
open 17:00/start 17:30
[問]キョードー東北 022-217-7788 (平日10:00~19:00 / 土10:00~17:00)
3月30日(日) 宮城・石巻LIVE HOUSE BLUE RESISTANCE
open 17:00/start 17:30
[問]キョードー東北 022-217-7788 (平日10:00~19:00 / 土10:00~17:00)
<一般発売>
2014年3月1日(土)AM 10:00
※3会場共通
・ローソンチケット 0570-084-002(Lコード 25570)
・チケットぴあ 0570-02-9999(Pコード 221-900)
・e+ http://eplus.jp
LAWSON/ミニストップ/セブンイレブン/サークルK・サンクス/Family Mart、各店頭にて受付!


◆映画『東京難民』オフィシャルサイト
◆高橋優 オフィシャルサイト
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