単にアイドルにあらず、ザ・ヴァンプスの類まれなる現場力
2014年の大注目株、すでに日本でもボーイズ・グループ・ファンの間で話題になっているUKの新人ポップ・バンドThe Vampsが、テイラー・スウィフトのロンドン公演のオープニング・アクトとして2万人収容のO2アリーナでパフォーマンス。彼らのヘッドライン公演かと見間違うほどの熱狂ぶりを見せた。
ブラッドリー(Vo)、ジェイムス(G)、コナー(B)、トリスタン(Dr)のティーン4人から成る“ワン・ダイレクションのバンド版”ことThe Vampsは、キャッチーなメロディとイケメンぶりで瞬く間に女の子のハートを掴み、これまでにリリースしたシングル「Can We Dance」「Wild Heart」両方がUKチャートのトップ3入りを果たした。この後、デビュー・アルバムのリリース、ツアーと続き、2014年にさらなるセンセーションが巻き起こるのは間違いないだろう。
彼らは30分にわたり、2ndシングル「Wild Heart」、新曲「Last Night」、初めて作った曲だという「She Was The One」、ザ・キラーズのカバー「Mr Brightside」、デビュー・シングル「Can We Dance」、サイモン&ガーファンクルのカバー「Cecilia」の6曲をパフォーマンス。ランウェイを走り回ったり、オーディエンスを巻き込んでのジャンピングなど、元気でアップリフトなショウを展開した。
そのルックスゆえアイドル系と思われがちだが、The Vampsには優れたライブ力がある。ドラムのトリスタンは15歳にして、ピンク・フロイドのニック・メイソンやディープ・パープルのイアン・ペイス、プライマル・スクリームのダーリン・ムーニーらそうそうたるメンバーが審査員を務めた<ヤング・ドラマー・オブ・ザ・イヤー・コンテスト2010年>に出場し、最終選考まで残った実力の持ち主。そして、ギタリストのジェイムスは16~17歳のころからマネージメントが付きソロ活動を行ってきたという腕前。トリスタンが叩き出す激しいドラムとジェイムスのギター・ソロはThe Vampsのライブ・パフォーマンスの要であり、デビュー・アルバムではすでにリリースされたシングルのポップさとは違う面も見せてくれるのでは…と期待させる。
この先、彼らの音楽を耳にしたり姿を目にすることが増えるだろうが、そのキャッチーなメロディやキュートな笑顔に満足せず、是非ともライブを観てもらいたい。
Ako Suzuki, London