【インタビュー】T.M.Revolution、『戦国BASARA4』オープニングテーマ「Count ZERO」完成「20周年に向けて宣言を込めた」

ポスト

■『戦国BASARA』シリーズの楽曲を作り、歌う作業は
■実は非常に想像力を伴うことなんです

──高カロリーな楽曲を乗りこなすことはヴォーカリストとして腕試しされるような部分もあるのかなと。

T.M.Revolution:(深くうなずきながら)常に意識する部分でもありますが、スピード感は失うことなく、なおかつ熱量を変えることなく歌うことに関しては、すごく頭の中で事前に計算していることだったりしますね。実はこのシリーズの楽曲を作り、歌う作業は非常に想像力を伴うことなんですよ。というのも、新作の現物をチラリとも見られるわけではないので(笑)。毎回、出来る限り多くの資料をいただいたり、実際にお話を伺って制作に臨みますが、でもやはり見えない物事に挑む難しさを感じることは少なくありませんね。

──映画やドラマのテーマ曲の場合は、多少は映像を事前に見れることも多いですが、今作は参考資料の文字面などから楽曲を“創造”していったと?

T.M.Revolution:ええ。だから、自分のイマジネーションをすごく駆使する作業になるんですよ。今回も説明していただく時に、「◯◯といった新要素が入ることになります」と口頭で教えてもらったりしましたけど、その画が見れるわけではない。だから余計にイメージする必要に迫られたり(笑)。今回は本当に新しい要素が多かったので、より想像力を総動員する必要があったと思いますね。

──画やストーリー、そこにあるドラマとか。

T.M.Revolution:それに加えて、このシリーズにはとてもたくさんの方々が携わっているので、そういった方たちの思いを受け止めて、踏まえた上で、それを楽曲という形にしていくことでもあるんです。自分が出来る楽曲へのエールや期待などを込めて、きっとこういった画になるんだろうなとか、こういった展開になるんだろうなということを、むしろこちら側から投げかけるようなところもあります。

──タイアップでありながら、クリエイター同士のキャッチボールができていると。

T.M.Revolution:それは嬉しいことですよね。やはり、長年一緒にやらせていただいてるからこその信頼関係があるんだなと感じます。僕から投げかけたことに対してもそうですが、向こうも必ずこちら側が応えてくれると信じているから、手探り状態でも任せてくれるのだと思いますし。

──タイアップによくある“お題”を出され、それに合わせて作る作業とはまた別のものですか?

T.M.Revolution:そうですね。むしろ、“自由に”というところから始まっているので、自分の作品として思う存分作らせてもらってる感覚ですね。

──では、自由度もありつつ、作品のテーマ曲を作る際に心がけていることはどんなことですか?

T.M.Revolution:もちろん作品ありきで曲は生まれるので、この「Count ZERO」であれば親和性などを意識して作っています。とはいえ、T.M.Revolutionの楽曲として後にはこうやってリリースしたり、ライブでプレイすることにもなりますよね。ややもすると、タイアップで楽曲を作るとなると、今回ならば『戦国BASARA』との親和性を前面に押し出したり、その作品の世界観だけに始終してしまいがちです。でも、そうではなく、一度T.M.Revolutionの世界に取り込んでから楽曲としてアウトプットするように心がけています。

──なるほど。

T.M.Revolution:『戦国BASARA』の世界観とリンクさせながらも、僕自身の楽曲や活動に対する思いとも共通項がなければいけないと思っているんです。なので、2つの世界観の共通点を見つけ出し、丹念に拾い上げていって楽曲に落とし込むことを注意深く行うようにしています。今回の場合は親和性などを頭に置きながらも、それだけに終わらないものになっていると自負していますし、いわゆるアニソンと言われるものとは一線を画した作品になっていると思います。

──T.M.Revolutionとしての色を失うことなく、お互いにいい距離感を保っている?

T.M.Revolution:はい、それは僕にとってはとても大事なことだと思います。

◆インタビュー(3)へ
◆インタビュー(1)へ戻る
この記事をポスト

この記事の関連情報