自動解析したコード進行から曲が作れる! ヤマハのiOSアプリ「Mobile Music Sequencer」がバージョンアップ、QYのフレーズも発売
ヤマハは、iPad/iPod touch/iPhone向けアプリケーション「Mobile Music Sequencer(モバイル・ミュージック・シーケンサー)V3.0」をApp Storeで発売した。
「Mobile Music Sequencer」は、豊富なフレーズパターンを組み合わせて楽曲制作できるシーケンサー。フレーズからセクション、セクションからソングへと、制作の流れに沿って感覚的に曲が制作できる。本格的なソフトウェアシンセサイザーも内蔵しているので、場所を選ばず曲のイメージをスケッチし完成させることができるアプリとなっている。
今回登場したV3.0では、さらに楽曲制作を手軽にする機能を追加。iPad/iPhoneのライブラリ内にある曲のコード進行を自動的に解析する新技術「Audio Chord Assist」の搭載により、好みの曲のコード進行を参考にして楽曲制作を始めることが可能となった。
お気に入りの楽曲から任意の範囲のコード進行を取り込めるので、コード進行の知識がなくても、好みのコード進行を参考にして楽曲制作がスタートできるのはうれしいところ。キーやセクションのフレーズを変えたり、メロディを載せていくことでオリジナルの楽曲を簡単に制作できる。独自技術によるスピーディーな解析も大きな特徴。一度解析した曲のコード進行はアプリケーション内に保存されるので、次からは解析時間を待たずに読み込むことができる。オリジナルの曲を再生させながらコード進行を確認することもできるので、楽曲制作だけでなく、コード進行の学習にも役立てられるのもポイント。コード解析は楽曲によってはオリジナルと異なる場合もあるもののなかなか優秀で、これから耳コピーや曲作りを始めたいという人は要チェックの機能となっている。
また、新たに「QY Pack」(別売り、アプリ内課金800円)も追加。モバイルシーケンサーとして定評のあるヤマハの「QYシリーズ」に搭載されていた1000以上のフレーズパターンやコード進行パターンを読み込んで利用することが可能となった。
▲QY Packはアプリ内課金で追加可能。このほか、accessやTeddyLoidなどアーティストのフレーズパックもラインナップされる(画面左)。セクションではフレーズ/コードをまとめて指定できるようになった(画面右)。
QYシリーズは、1990年に発売されたVHSテープサイズの「QY10」をはじめ、多くのモデルがリリースされた人気の音源内蔵シーケンサーのシリーズ。コンパクトなモバイルシーケンサーのほか、デスクトップサイズのモデルもラインナップされたが、2000年の「QY100」以降新製品はリリースされていない。2013年1月の「Mobile Music Sequencer」登場時には、「QYの再来」という声も聞かれたが、内蔵パターンの少なさや仕様の違いから、よりQYライクな環境を求めるユーザーも少なくなかった。今回の「QY Pack」の登場はそうしたユーザーの期待に応えるものといえそうだ。
V3.0ではフレーズ/コード進行をまとめてセクションに読み込むことができるため、ジャンルやスタイルを「QYシリーズ」と同様の感覚で選んで楽曲制作を行うことが可能だ。従来は1パートずつフレーズを指定する必要があったのが格段に効率アップ。複数のフレーズをセットでセーブ/ロードすることが可能になったほか、コード進行パターンのプリセットも用意。フレーズパターンのみ、コード進行のみの読み込みもできるため、イメージに合うものを組み合わせ、オリジナルの楽曲制作を素早く行うことができる。
このほか、プリセットフレーズの組み合わせ、ピアノロール入力によるユーザーフレーズ作成、画面上の鍵盤を用いたリアルタイム録音、強力な「LOOP REMIX」機能など、従来からの機能も使用可能。「MOTIF XF」などのヤマハシンセサイザーで再生・編集したり、スタンダードMIDIファイル出力機能により各種音楽制作ソフトウェアを用いて緻密に楽曲を仕上げることもできる。さらに、オーディオファイルへのミックスダウンにも対応。他のアプリケーションで再生したり、SoundCloud に直接アップロードすることも可能となっている。
現在、バージョンアップにあわせ期間限定の半額セールが実施中、1月6日まで800円で購入可能だ。iOSで音楽制作したいという人はこの機会をお見逃しなく。
◆Mobile Music Sequencer
価格:1,600円
◆Mobile Music Sequencer 製品詳細ページ
◆ヤマハ
◆BARKS 楽器チャンネル
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