【ライヴレポート】CRUDE PLAYとMUSH&Co.が、「カノ嘘」イベントで最後のジョイントライヴ!?
音楽業界を舞台に、ひとりの平凡な女子高生が天性の歌声を見出されてスターダムを駆け上がる傍ら、その正体を知らずに天才サウンドクリエイターと恋に落ちる物語「カノジョは嘘を愛しすぎてる」。青木琴美により現在も連載中の人気コミックは今冬、映画化される運びとなり、劇中に登場するモンスターバンドCRUDE PLAYと、ヒロイン・理子が同級生と結成するバンドMUSH&Co.は、なんと現実世界でもCDデビューを果たした。結果、CRUDE PLAYはオリコンチャート初登場9位、MUSH&Co.はiTunesやレコチョクなど配信サイトのランキングで軒並み1位を獲得と、これまた作品世界同様の人気を証明した2バンドによる奇跡のコラボレーションが、このたび実現。映画公開の3日前となる12月11日、渋谷公会堂で一夜限りのプレミアムライブを行った。
◆CRUDE PLAY、MUSH&Co.のジョイントライヴ~拡大画像~
会場に集まったのは、11月27日発売のCRUDE PLAYデビューシングル「サヨナラの準備は、もうできていた」と、12月4日リリースのMUSH&Co.デビューシングル「明日も」のダブル購入者から抽選で選ばれた1600人。ステージにCRUDE PLAYの4人を演じる三浦翔平、窪田正孝、水田航生、浅香航大、そして理子役の大原櫻子に、劇中で彼女とMUSH&Co.を組む吉沢亮、森永悠希が登場すると、満員の客席からは大きな歓声が沸き上がる。
2バンドだけのイベントは、これが初めてということで、彼らの素顔が垣間見えるトークセクションからイベントはスタート。まずは12月8日に渋谷で行われた<カノ嘘冬フェス2013>の模様が報告され、マルイシティ渋谷1F店頭プラザに1500人を集めて動員記録を塗り替えたCRUDE PLAYのゲリラライブ、号外を配るMUSH&Co.や渋谷の街頭ビジョンをジャックしたときの様子が、舞台上のモニターに映し出される。その間も三浦翔平らCRUDE PLAYメンバーは、2枚並んだ写真に「これは間違い探しですか?」等、ツッコミを入れまくって大ハシャギ。浅香航大も「渋谷公会堂は、いつかは俺、立たなきゃいけないなと思ってた」とテンションMAXだ。
続く特技公開コーナーでは、バスケ部出身という役柄の設定にちなんで、三浦がバスケットボールを指先で高速回転させると、水田と吉沢はジャグリングのペアプレイでバンドを超えたスペシャルコラボを披露。また、窪田が懸垂10回に挑戦した際には他メンバーの3人で懸垂器具を押さえたり、撮影時と同様に浅香がけん玉に失敗すれば「コイツはこういう奴なんです!」とイジりまくって、スクリーンの外でも変わらぬメンバー愛を証明する。対するMUSH&Co.は、大原のリアルすぎる“テーマパークのお姉さんのモノマネ”に場内大喝采。最後に森永がお茶を立てて振る舞うという、17歳とは思えない意外すぎる趣味で観る者の度胆を抜く。
また、来場者からの質問コーナーでは「嘘をついたことはありますか?」「一目惚れって信じますか?」と、映画にちなんだ2問に全員が○×で回答。ちなみにNOと答えたのは前者が三浦と吉沢、後者が窪田と森永であった。
トークが終わるとそのままMUSH&Co.のライブに突入して、大原が「もし良かったら立ってもらっても…」と促せば、オーディエンスは総立ちに。「私たちのデビューのキッカケになった曲です。今日、集まってくださった皆さんと一緒に歌いたい」と語って、「うたうたいのうた」をアコースティック形式で届けると、場内には温かな手拍子と合唱が満ちる。続いて「私たち2曲しかないので、次が最後になってしまいます」と贈られたのは、彼らのデビュー曲でもある「明日も」。幕開けの大原のアカペラは、二階席までビシビシと響くパワーと情感にあふれ、「すごく緊張してます」という言葉が全く信じられない力強さ! 夢への道を歩き始めた彼女自身にもリンクするポジティヴな楽曲を、リズミカルにパフォーマンスする吉沢、森永と共に奏で、クライマックスには「みんなで一斉にジャンプ行きますよ!」とオーディエンスを巻き込む舞台度胸は、さすがオーディションで約5000人の中から理子役を勝ち取っただけのことはある。最後は客席にピックを投げ、3人で繋いだ手を掲げてフィニッシュ。フレッシュかつインパクトの強いステージで、高いポテンシャルを感じさせてくれた。
一方、CRUDE PLAYは楽屋からステージまでをコミカルな映像で客席に実況しながら登場。「泣いても笑ってもコレが最後!」と気合入れしつつ、出番直前には三浦がデーモン小暮のモノマネを披露する等、リラックスしたムードで「INSECTICIDE」から始まったライブは、劇中で東京ドームを2分で売り切るモンスターバンドとして描かれているに相応しい余裕と貫禄にあふれていた。ギターを弾く水田の背中に三浦が凭れかかって憂いたっぷりに歌い上げたり、互いにアイコンタクトを交わしたりと、メンバー間の息もピッタリ。「僕たちは今日が解散ライブということで、ココにやってきました」と三浦が告げた瞬間、一斉に「ええーッ!」と惜しむ声があがるのも当然だろう。さらに、デビュー曲でもあるバラード「サヨナラの準備は、もうできていた」を切なさ満点に届ければ、メンバーが袖に消える前から沸き上がる「アンコール!」の大歓声。それを「おい、声小せぇよ。これじゃけん玉も外しちゃうよなぁ!」という浅香の影アナが煽り、アンコールの「卒業」へと雪崩れ込む。「この曲は本当にノレる曲で、みんなの力と僕たちの力が一緒になったときに、すげぇことになるんで!」との三浦の言葉通り、客席では無数のサイリウムが振られ、ステージ上ではフロント陣もジャンプ!“俺たちの絆は最高のストーリーになる”“やりたいことは自分で見つけるのさ”という歌詞も、若手俳優としてグングン成長中の4人で組んだCRUDE PLAYというバンドにピッタリハマッて、若さ弾ける熱気のうちにライブを締め括る。
ちなみに、この日、両バンドが披露した楽曲は、劇中の楽曲を全て収録した『映画「カノジョは嘘を愛しすぎてる」~MUSIC BOX~』(12月18日リリース)でも聴けるので、要チェックだ。
その後、7人がステージに揃い、大原が「CRUDE PLAYと同じ舞台に立つのが夢だったので、解散ライブとか言ってますけど……また、よろしくお願いします」と水を向ければ、「音楽の力、ステージに立って一体化できることの素晴らしさに感動しました」(窪田)、「皆様の前に戻ってこれるか否かは、映画がヒットするかしないかに掛かっているので、宣伝よろしくお願いします!」(三浦)と、メンバーも満更でもない様子。往年のアイドルにならい、最後に「普通の男の子に戻ります!」とマイクを置いた4人が、再び歌う日は訪れるのか? 三浦から「MUSHは今後も歌をどんどん出していくので」とエールを贈られたMUSH&Co.と共に、今後の動向に要注目したい。
取材・文●清水素子
◆HEARST RECORDSオフィシャルサイト
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