【インタビュー】LUNA SEA、真矢が語るバンドの進化「意識したつもりはないんだけど、今回のアルバムにはLUNA SEAの今がしっかりパッケージされている」
13年5ヶ月ぶりのアルバム『A WILL』をリリースしたLUNA SEA。2000年の終幕を経て、再び、結束した5人は合宿で曲を作るというバンドの原点中の原点に戻るところからアルバム作りをスタートさせた。LUNA SEAの大黒柱であり、不動のムードメーカーであり、凄腕のドラマーである真矢が分析する自身のバンドにおけるスタンスの変化とは。そして彼から見たLUNA SEAの新たな化学反応のスタイルとは。バンドの進化と変わらない核心を真矢が語り尽くす。
◆今回は“LUNA SEAの真矢”じゃなくて
“LUNA SEAのドラマー”ということを念頭に置いてやってみたの。
――アルバム『A WILL』のサウンドからは終幕前のLUNA SEAとは異なる大人の色気とか濃密さを感じました。それでいて非常にパワー感がある。真矢くん自身は完成したアルバムをどう捉えていますか?
真矢:自分はLUNA SEAの余裕感、それと色気に通じるのかもしれないけど、オシャレ感が前面に出てるなと思いましたね。もともとLUNA SEAはどっちかっていうと、気合いとか根性がベースになったバンドだったけど。
――結成当初は?
真矢:そう。年齢的にも若かったし、そうなったのは必然で好きなジャンルの音楽や考え方が違っても、そこの部分がすごく一致したから、やってこられたバンドだと思う。でも、年齢を重ねていくと、余裕が出てきたり、変に力みすぎないように自然となってくるわけじゃない? だから、意識したつもりはないんだけど、今回のアルバムにはそういうLUNA SEAの今が非常にパッケージされているなって。
――ありのままの姿が自然と音に変換されたっていうか。
真矢:何て言ったらいいんだろうな。僕個人のことで言うと、今までは“LUNA SEAの真矢”っていう部分をライヴでもレコーディングでも出さないと気が済まないタイプだったの。ずっと、そこにこだわってたんだけど。
◆無理に自己主張しなくても、自分のドラムってめっちゃLUNA SEAなんだ
というのを思い知ったのかもしれないね。
――俺自身をドラムで表現しないと、っていうことですか?
真矢:そういうことです。ウチはSUGIZO、INORAN、Jの3人が原曲を持ってくることが多いんだけど、曲をもらっても全部、組み替えちゃったり、リズムパターンもドラマー目線で「こっちのほうがいいよ」って提案したりとか。
――終幕前の後期のLUNA SEA時代も?
真矢:そう。真矢という存在をエッセンスとして残さないと仕事じゃないと思ってたんだろうね。でも、今回、そういうのをやめてみたんだよね。“LUNA SEAの真矢”じゃなくて“LUNA SEAのドラマー”ということを念頭に置いてやってみたの。どういうことかというと、曲をもらったときに、このまま全部挑戦しようと思った。もちろん、メンバーはドラマーじゃないから、中には聴いたら、「すいません。これ、手が5本ないと叩けないんですけど」っていうのもあるよ(笑)。
――(笑)。そこは何とか2本に調整しないと。
真矢:そう、そう。でも、そういう箇所以外は、原曲者の意図を汲み取る作業がすごく面白かったんだよね。ドラマー目線じゃないフレーズがいっぱい出てくるから、今まではそれを組み替えてたんだけど、無理なもの以外は原曲に忠実に叩いたら、それがすごく新鮮だった。やっぱり、原曲者3人がそれぞれオシャレだからね。生き方もファッションも。
――そこがさっき言ったオシャレ感なんですね。洗練されているっていうか。でも、今回、今までと違うやり方をしてみようと思ったのはなぜなんですか?
真矢:自分自身の主張よりLUNA SEAのウェイトが大きくなってきたのかな。2000年に終幕して、各自がソロ活動をしてきて、再び一緒に音を出したときにそう感じたのかもしれないし、無理に自己主張しなくても、自分のドラムってめっちゃLUNA SEAなんだっていうのを思い知ったのかもしれないね。いろんなミュージシャンといろんな経験をして……。
――ちなみに「Glowing」も原曲者のイメージのまま?
真矢:そうです、そうです。
――リズムのハネ方が独特でスゴイなと思ったんですけど、明らかに今までになかった感じですよね。
真矢:そうですね。「Glowing」はLUNA SEAになかった3連のエイトビートの曲なんですよ。ハネすぎず、ハネてるっていうか。実はこれは僕がLUNA SEAをやる前から、自分の中にあったノリなんですけど、バンドに合わなかったからやる機会がなかっただけなんです。もともとジョン・ボーナム(レッドツェッペリンのドラマー)が好きなんで。
――SUGIZOくんもドラムを絶賛してましたけど、1曲目「Anthem of Light」から圧倒的なドラミングで。
真矢:でも、力んでないからね。だから、LUNA SEAというか音楽というものをちょっと掴みかけたのかもーー。もちろん、音楽に正解なんかないよ。でも、こうやってやれば、今の全てが出せるっていうことがちょっとわかったっていうか。
――長年、叩き続けてないとわからないことなんでしょうね。
真矢:うん、結果的にLUNA SEAだけをやってたら、わからなかったかもしれないし。
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