【インタビュー】LUNA SEA、SUGIZOが語る『A WILL』 「25年やってきたからこそ痛感している、感謝や愛がこめられている」

◆どんどん親しい友人やミュージシャンが亡くなってきたから……。そんな中、
俺たち5人はまだ生きてる。まだ音を出せる。だから、一瞬、一瞬が感謝なんですよ。

――アルバムの曲をピックアップすると骨太なグルーヴの「Glowing」とアッパーで尖っている「Metamorphosis」はとても刺激的で新しさを感じました。

SUGIZO：その2曲はとても新鮮ですよ。「Growing」はJが持ってきた曲で、「これを今の俺たちがやったら、いいだろうな」って。音数も言葉数も少ないんだけど、説得力と濃密な意志が詰まっていて、僕らぐらいの年代になって、やっとカッコよさが出る曲というか……。また真矢のプレイがいいんですよね。今回、どの曲もドラムがスゴイと思っているんですけど、そういう意味で「Metamorphosis」も真矢が素晴らしい。

――「Metamorphosis」には斬新であると同時に初期LUNA SEAのテイストも感じられたんですよ。

SUGIZO：とにかくアッパーな曲がやりたかったんですよ。それでいて宇宙的な広がりを持っている曲。じつはハードコアやスピードメタルの体を成したプログレなんですよね。

――めまぐるしい展開とか完全にプログレですよね。でも、それはLUNA SEAがもともと持っていた要素でもあり。

SUGIZO：なるほどね。確かに「FATE」だったり「IN FUTURE」だったりの流れを汲んだ集大成的なイメージがある曲ですね。あの頃と違うのは、INORANと僕のギターがより空間を広げて宇宙的に彩る役割だっていう。RYUのシャウトもキテるし、歌詞も含めて本領発揮ですね。スピーディーでありながら、こういうアシッドな世界観を持つ曲はなかなか、なかったと思います。仮タイトルも「ACID FAST」だった（笑）。

――SUGIZOくんが言った無邪気さや純粋さがありつつ、こういうアルバムは20代には作れないと思うんですよ。大人にしかできないんだけど、落ち着いたり守りに入ったりはしていないというか。そのバランスが今のLUNA SEAなんだろうなと思いました。

SUGIZO：まさに今のLUNA SEAだと思いますね。表現したかったのは感謝と喜びなんです。時代的には気が気じゃない世の中。だけど、そんな中、25年間もロックバンドをやれていることへの感謝、LUNA SEAの音や存在を気に入ってくれてサポートし続けてくれたファンのみんなへの感謝。25年たってなおメンバーが五体満足で元気で、今も音を出せていることへの感謝。こんなスゴイ奴らが地元の連れだったっていうことへの感謝。そして何よりもロックバンドで音がかき鳴らせることへの感謝。こういうことは10年前にはわからなかった。今だからこそ“何てステキなことなんだろう”、“これは奇跡だ”って感じる。

――それは終幕から復活までのインターバルがあったからこそ、感じたことですか？

SUGIZO：それもあるし、どんどん親しい友人やミュージシャンが亡くなってきたから……。そんな中、俺たち5人はまだ生きてる。まだ音を出せる。だから、一瞬、一瞬が感謝なんですよ。明日、死んじゃうかもしれないけど、先程話したみたいにそれでもいいんですよ。『A WILL』に込められているのは25年やってきたからこそ痛感している、感謝や愛なんです。さっき言ってくれたように、それは20代にはわからない。でも、同時に13年ぶりのアルバムなので、1stアルバムみたいに無邪気なんですよ。俺たち自身は単純に“ロックンロールかき鳴らそうぜ”って感覚で音を出してたから。

◆反応を気にしすぎずに、ただひたすら自分たちのベストを尽くす。
それがいちばんの恩返しだと思ったんです。

――待たれていたアルバムだと思いますよ。終幕後は、LUNA SEAのオリジナルアルバムが聴けることは遠い夢だったし。

SUGIZO：そう思ってくれたらうれしいですけどね。でも、評価は気にしないことにしているんです。人によっては「まだLUNA SEAこんなことやってるの？」って思うかもしれないし、「変わっちゃってつまらない」って言う人もいるかもしれないけど、反応を気にしすぎずに、ただひたすら自分たちのベストを尽くす。それがいちばんの恩返しだと思ったんです。

――待っていた人への想いは最後の曲「Grace」に詰まっているように思いました。“あの日は 君を悲しませたね”というフレーズがLUNA SEAの終幕と重なって響いてきたんです。

SUGIZO：あのときは止めるべきだったんですよ。止まってなかったら、今はないですからね。

――そうですね。最後に今後について教えてください。

SUGIZO：2014年の5月29日でLUNA SEAは25周年を迎えます。記念の年を全力で駆け抜けようと覚悟しています。

インタビュー＆文◎山本弘子



New Album
『A WILL』
2013年12月11日発売
■初回限定盤A　PREMIUM PACKAGE（SHM-CD + Blu-ray）
UPCH-9905　￥5,980（税込）
※ダブルデジトレイ仕様
※52P撮りおろしフォトブックレット付
※書き下ろしリリック掲載
■初回限定盤B（CD + DVD）
UPCH-9906　￥3,980（税込）
■通常盤（CD）
UPCH-1953　\3,059（税込）
■アナログ盤サイズSPECIAL PACKAGE（CD+DVD）
PDCJ-1064 　\4,980（税込）
※数量限定盤 / アナログ盤サイズ豪華パッケージ
※収録内容は初回限定盤Bと同内容になります。
※“ユニバーサルミュージックストア”のみでの販売となります。
※数量限定商品の為、上限に達し次第販売を終了致します。
SHM-CD / CD収録内容
1.Anthem of Light
2.Rouge
3.The End of the Dream
4.MARIA
5.Glowing
6.乱
7.absorb
8.Metamorphosis
9.銀ノ月
10.Thoughts
11. Grace
Blu-ray / DVD収録内容
The End of the Dream　Music Video
Rouge　Music Video
Thoughts Music Video
乱 Music Video
The End of the Dream　& Rouge -TV SPOT-
Thoughts -TV SPOT-
乱 -TV SPOT-

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