Shureから密閉型ヘッドホン、SRH1540登場

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Shureから密閉型のプレミアム・スタジオ・ヘッドホン、SRH1540が発表された。2013年12月下旬に市場に登場、価格はオープンプライスだが店頭価格はおおよそ5万円程度になるという。

◆SRH1540画像

ご覧のとおり、開放型ヘッドホンのフラッグシップモデルSRH1840をそのまま密閉型にしたようなデザインで、カーボンのハウジングキャップが印象的なルックスをしているが、単なる模様ではなくリアル・カーボンファイバーが採用され、制振と軽量化に寄与しているという。カーボンは上からUVコーティングが施され、劣化を防ぐ処理が施されている。重厚なルックスだが、286gと非常に軽量で付け心地は抜群だ。

SRH1840と同形状とはいえ、ヘッドバンドに付けられたパッドはSRH1540の方が分厚くなっておりクッション性が向上している。そして何よりイヤパッドに起用されたアルカンターラ素材が素晴らしい肌触りと柔軟性を持っており、装着感が極上だ。アルカンターラはゼンハイザーのモメンタムなどにも使用されている素材だが、元々はフェラーリやランボルギーニ、メルセデスなど、高級車の内装のために開発された人口革だ。高い耐久性を持ちながら質感高く、水洗いしてもOKという、肌に接する素材としても非常に優れた素材である。イヤパッドに起用するにあたり小さな穴が多数開けられているのは、湿気などに対する装着感の向上とともに、空気の流動を含むサウンド追求の結果から導かれた仕様だ。

SRH1540の特筆ポイントは6ミクロンという極薄でできたAPTIVフィルムというダイアフラムにあるという。非常に薄く追従性が高い一方で高い剛性を持つことから、ゆがみの発生が小さく、それによるサウンドのひずみが最小限に抑えられたとのこと。

実際にその音を確認したが、開放型のSRH1840にまさるとも劣らない開放感のある音が特徴で、自然な広がりが非常に心地よい。サウンドはきっちりフラットだが、SRH1840と比較すると少々低音の量感が大きくなっている。聴き込んだわけではないが、一聴しただけでも素晴らしいバランスと付け入る隙のない整ったトーンであることは確認できた。密閉型でこの爽やかさと充分な迫力の両立は、他に例のないエポックなサウンドかもしれない。発売される頃にはきっちりと聴きこんでの詳細レビューを行いたいと思っているが、またひとつ密閉型高級ヘッドホンのスタンダードというべきモデルの誕生と言えそうだ。

なお、これまでのSHURE製の密閉型ヘッドホンは全て3桁の型番が与えられていたが、今回は4桁の型番が与えられている。なぜなのか、その理由を聞いたところ、もう3桁は使い果たして残っていなかったという微笑ましい理由だった。形式にとらわれず、市場性からSRH1440とSRH1840の間に位置する商品であるという理由でSRH1540という名前が付けられたようだ。

SRH1840とルックスが良く似ているものの、ケーブルからヨークの角処理、スライダーエンドキャップの使用感に至るまで、様々な改良も施されている。この辺りはSRH1840を発売したことで得られた市場からのフィードバックによるものだ。発売をお楽しみに。

text by BARKS編集長 烏丸哲也

SRH1540
型式:密閉型、サーカムオーラル式
ドライバー:ダイナミック型、40mmネオジム磁石
感度(1kHz):99 dB SPL/mW
インピーダンス(1KHz):46Ω
最大許容入力(1KHz):1000 mW
再生周波数帯域:5Hz~25kHz
入力コネクター:金メッキ3.5mm(ステレオミニプラグ)※標準プラグアダプター付属
ケーブルタイプ:両出し、着脱式(OFC)、1.83m
質量(ケーブル除く):286g
*品質向上のため、仕様は予告なしに変更される場合があります。

◆SRH1540オフィシャルサイト
◆BARKSヘッドホンチャンネル
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