【インタビュー】J、9thオリジナルアルバム『FREEDOM No.9』リリース「いまだに自分は“自由”を追い求めて、“自由”を得ている」
■LUNA SEAは5人が重なり合ったときの色あいの世界
■ソロは歌や言葉はもちろんギターやドラムも自分自身の音だから
──『FREEDOM No.9』というタイトルを付けた理由についても教えてください。
J:レコーディングを始めるときに“俺自身にとってロックって何だろう?” “何を得てきたんだろう?” “音楽に何を求めてきたんだろう?”って考えたんだけど、近い答えがあるとしたら“自由”かなって思ったんだ。ある意味で俺はロックミュージックに自由をもらって、いろんなことが始まったんだ。“いつの日か、バンドを組んでロックスターになるんだ”って思う自由だったり、“何にでもなれるんだ”って思う自由だったり。
──ロックに出会って視界が広がったっていう。
J:そう。バンドを始めて、自分たちで作った曲をプレイして、同じ気持ちの仲間が全国各地にいることを知って。いまだに自分は“自由”を追い求めて、“自由”を得ている。“FREEDOM”って、ともすれば簡単に使われる言葉だから、一瞬、ためらったんだけど、自由を謳歌して生きてきた人間として(笑)、その意味を提示することもできるなって。自由って、残酷な側面もあるし、簡単には手に入れられないものだからこそ、掴もうとするし、得ようとする。そう思うことの大切さや行動することの自由をもう1度、感じとってもらいたかったし、このアルバムを聴き終えたあとに、みんなの中に新しい自由が生まれたらいいなっていう想いはあったかな。で、9枚目のオリジナルアルバムだから、9番目の自由っていう意味をこめて『FREEDOM No.9』。
──閉塞した時代で、ともすれば視界がせばまる中、それでも突き抜けていけ、怖れるなってメッセージしてますよね。
J:そうだね。今の時代ってハンパなく雑音が多いじゃない? “こうすればいい”“ああしたら、こうなる”とか、いろんな情報が入ってきて、そういう中でブレるなっていう方がおかしいよね。でも、少し冷静になってみたら、やりたいこと、進むべき方向は自分がいちばんわかってるんじゃないかって。いろんな声が聞こえるから、不安や怖れが生まれるけど、自分の内なる声が聞こえたら“行け!”って。今回のツアーにも<J LIVE TOUR2013―Believe in Yourself>っていうタイトルを付けたんだけど、自分が思ったことを貫くことは間違いじゃない。大丈夫だからって想いをこめた。だから、アルバムには絶対、つかみ取ってほしいっていうメッセージを詰めこんだつもり。
──それと、“愛”という言葉を使っているのも珍しいなって。
J:“愛”って絶対的な言葉すぎて、あまり口にしたがらない人も多いと思うし、少なくとも俺はそういうタイプの人間でさ。でも、今、この時代の中で“愛”っていう言葉はいろんな表情に見えると思ったんだ。例えば、そんなモノがあるから起きてしまう事件もあって、でも、そんなモノがあるから俺たちは救われている。ある意味、全てのことをふくんだ言葉なんじゃないかと最近は思っていて、表裏一体なところがあるから使っているところもある。皮肉もこめてね。みんなは何を映し出して聴くんだろう?って。
──“ためらうな 焼き付くせ”と歌っている「Love to Kill」はどういう意味あいの“愛”ですか?
J:全部、ぶっこわすことも“愛”ゆえに。
──次に進むための「Love to Kill」?
J:まさにそうだと思います。愛するがゆえに突きつけなきゃいけないこともあると思う。
──リードトラックの「NEVER END」も繰り返されるリフとボーカルが熱くて衝動的でカッコいい。
J:新しいJのアルバムを映し出すようなエネルギッシュな曲だったので、リードトラックにしたんだよね。
──ミュージックビデオではバイカーと絡んで演奏してるじゃないですか? 今回のアルバムって、車とかバイクに乗っているときに作った曲が多いのかなと最初、思ったんですよ。
J:ああ、でも、そう思われるぐらい、今回の曲は一瞬のヒラメキで作ったものが多かったかもしれない。それを楽器に落としこむ作業だったというか。
──なるほど。レコーディングはLUNA SEAのアルバムの作業と同時進行だったと思うんですが、そういう状況が影響した部分はありますか?
J:どうだろう。あまり意識してないけど、自ずとあるのかもしれないね。ただ、ソロを始めた頃はLUNA SEAとJには相反する部分があって、お互いが相反する原動力になってた部分もあるかもしれない。だけど、実際ソロとしての活動期間がLUNA SEAの活動期間を超えてしまってる今、自分の中ではごく自然なこととしてソロワークがあって、ベーススタイルがあるから。
──ソロでは歌いながら弾くスタイルだから、在り方からして違うとは思うけれど、LUNA SEAのベースとソロのベースの相違点というのは?
J:いちばんはプレイするメンバーが違うから、自ずとアプローチも変わってくるっていう。LUNA SEAの曲はベースが全ての楽器を繋いでいる役割をしているので、なぜ、そのサウンドポジションなのか、なぜそのフレーズなのか、全てに意味があって、だからベースが耳に入ってくるんだと思う。その究極をLUNA SEAでは求めている部分があるんだ。
──ソロではグルーヴマスターのような役割?
J:そうだね。ソロは全員でユニゾンして全員で転がり続けるイメージ。グルーヴすることをものすごく大事にしてる。LUNA SEAは5人が重なり合ったときの色あいの世界だから、いちばん輝くところで各自がプレイしていると思う。ソロはベースだけじゃなく、歌や言葉はもちろん、ギターやドラムも自分自身の音だから。
──それこそギターのフレーズだったり?
J:そうそう。もちろん、スコット、藤田さん、ごっちん(溝口)がいなければ、成り立たない世界なんだけどね。
──アルバム発売日の10月23日には、ニコ生で渋谷クアトロでのライヴが生中継されますが、まだまだライヴも続くし、ますます燃え盛るような活動になってますね。
J:今年はホントにすごいね(笑)。でも、それぐらい、今、熱いんじゃないかな。さらに熱いイベントにも出るし、年末まで突っ走っていくので、是非アルバムを聴いて、ライブに騒ぎに来て欲しいね。
取材・文◎山本弘子
9thオリジナルアルバム
『FREEDOM NO.9』
2013.10.23 Release
【アルバム+Bluray】
CTCR-14808/B 4,515円(税込) ※初回のみスペシャル・ブックレット仕様
【アルバム+DVD】
CTCR-14809/B 3,990円(税込) ※初回のみスペシャル・ブックレット仕様
【アルバム】
CTCR-14810 3,150円(税込)
1. Go Ahead
2. Love to Kill
3. MARIA
4. If you can see me
5. Nightglow
6. Everything
7. Looser
8. right away
9. Sword
10. Day Dream -the way of infinity-
11. NEVER END
<Blu-ray / DVD>
"NEVER END" Music Clip
Documentary Film
◆J オフィシャルサイト
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