ヤマハがサイレントブラスをモデルチェンジ、小型・軽量化&「あたかもベルから音が出ているような感覚」に

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▲左よりトランペット用のSB7X、トロンボーン用のSB5X、ホルン用のSB3X。いずれもパーソナルスタジオSTXとピックアップミュートとのセット。
ヤマハは、ピックアップミュート「PM7X」「PM6X」「PM5X」「PM3X」、サイレントブラス「SB7X」「SB5X」「SBX」を11月14日より発売する。

「PM7X」「PM6X」「PM5X」「PM3X」は、優れた消音性能、広い音域にわたる音程の安定感、息抜けのよさはそのままに、従来モデルよりも大幅に小型・軽量化したピックアップミュート。18年ぶりの大胆な仕様変更が行われたマイク内蔵の消音器だ。楽器ごとに以下の4つのモデルをラインナップする。

・PM7X …… トランペット・コルネット用(11,550円)
・PM6X …… フリューゲルホルン用(16,800円)
・PM5X …… テナートロンボーン・テナーバストロンボーン用(16,800円)
・PM3X …… ホルン用(17,850円)


▲フリューゲルホルン用のピックアップミュートPM6X。

モデルチェンジのポイントは大幅な軽量化と小型化。たとえば、トランペット用「PM7X」は重量を従来の約6割、容積は半分になっている。形状は楽器から飛び出す部分がほぼなくなり、ミュートをつけたまま楽器ケースに収納ができるようになったほか、つかみやすく力をかけやすいくぼみを設けた新デザインとなっている。

いずれもエレクトレット・コンデンサーマイクを搭載。ピックアップ出力端子はミニジャックとなっている。消音の程度は-25dB~-35dB。材質はABS樹脂で、専用接続ケーブル、取り扱い説明書が付属する。なお、「PM7X」はピッコロトランペットには対応していない。また、「PM5X」は、アルトおよびバストロンボーンには対応していない。

これらのピックアップミュートに、パーソナルスタジオ(Personal Studio)STXを組み合わせたセットが、サイレントブラス(Sirent Brass)だ。12年ぶりのモデルチェンジとなるパーソナルスタジオSTXは、A7サイズの薄い箱状で、ピックアップミュートが拾った音をヘッドフォンで聞けるようにする。平坦な場所において使うほか、底面のクリップにより身に付けることも可能。クリップの形状は安定してきれいに置けることを考慮したものになっている。

サウンド面では、「まるでミュートをつけていないような感覚」を目指し、デジタル信号処理による「Brass Resonance Modeling」を新たに搭載。従来のベルから直接鳴っている音を拾ってそのまま耳に返すのではなく、「プレーヤーが演奏中に聴いている音作り」を徹底研究して生まれたもので、ミュートを装着しているのにあたかもベルから音が出ているような感覚が得られる。

セット商品として用意されるのは以下の3種類。パーソナルスタジオ単体での発売はない。また、フリューゲルホルン用のセットはラインナップされていない。

・SB7X …… トランペット・コルネット用(19,950円)
・SB5X …… テナートロンボーン・テナーバストロンボーン用(26,250円)
・SB3X …… ホルン用(27,300円)


▲軽量化されたことで「いつも自分がやっているように練習ができる」とコメントした海野匡代さん。

接続端子はMUTE IN、AUX IN、PHONES。リバーブ(Rev1/Rev2)、ボリュームのコントロールを備える。電源は単3乾電池×2(アルカリまたはニッケル水素)、サイズはW70×D20×H98mm、重量は69g(電池含まず)。電池寿命はアルカリで約30時間、ニッケル水素で25時間。ステレオイヤホンと取り扱い説明書が付属する。

発表に先駆けて行われた新製品内覧会には洗足学園音楽大学講師の海野匡代さんが登場。「吹奏感は変わらない」とし、従来モデルはベルより突き出た形状から重くなって姿勢が悪くなって息をちゃんと出せなかった点が解消され、「いつも自分がやっているように練習ができるので、無駄な力が入らない」とコメント。また、サウンドについては、ベルに耳を近づけて聴いているのではなく、自分がトランペットを吹いている時の音をリアルに再現していることがアピールされた。


▲写真左は手前左からPM3X、PM5X、PM6X。後列の従来モデルから大幅に小型化されていることがわかる。右の写真はトランペットに付けた状態のPM7X、奥が従来モデル。手前の小さな箱がパーソナルスタジオSTXだ。

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