【対談】KNOCK OUT MONKEY × TOTALFAT、朋友バンドが語った過去から現在「新しさを追求して時代を響かせる」
■『SEVEN LIVES』は今のシーンのことも考えてるという姿勢が曲に表れてる──ナオミチ
■「Paint it Out!!!!」はバック・トゥ・ベーシックぐらい芯にあるものが変わらない──Shun
──では、ヴォーカル兼ギターのお二人はどうですか?
Jose:ギターの音色も変えながら、歌ってるからすげえなって。あっ、こういうヴォーカルがいるんだと思いましたね。それと、俺は高く抜ける声だけど、w-shunはKjさん(Dragon Ash)寄りの低い歌声で、そういう声には憧れるんですよね。
w-shun:ステージ上のTOTALFATは、メンバー全員存在感が大きいんですよね。でも、そんなにバカデカいってわけではないでしょ(笑)。ということは、ステージの立ち振る舞いが巧くて、表現のリミッターのハズし方もすごく考えられてるんだろうなと。あと、Joseくんが曲の合間で煽るのも好きなんですよ。オリャー!みたいな。
Jose:ははははは、言ってるかも。
Kuboty:確かにウチのJoseさんのリミッターのハズし方は尋常じゃない。
Shun:テキサス感ね、暴れ馬感が(笑)。
w-shun:その日のライヴに賭ける意気込みとかに引かれますね。ライヴを大事にしてる感じは絶対に負けたくない。
──では続いて、お互いの新作について語り合ってもらいたいんですが、TOTALFATは7月31日にミニ・アルバム『SEVEN LIVES』を、KNOCK OUT MONKEYは10月2日にメジャー第一弾シングル「Paint it Out!!!!」を発表します。それぞれの作品を聴いた感想は?
Shun:KNOCK OUT MONKEYのメジャー第一弾ということで、もっと詰め込んで華々しくイノベートするんじゃないかと想像してたんですよ。でも聴いてみたら、無理せず進化してるというか。バック・トゥ・ベーシックぐらい芯にあるものも変わらずだった。だからホッとしたというかね。自分たちがメジャー移籍して第一弾を出したときも、“ブレずにどうやるか”、それがテーマだったんですよ。それと同じものを感じたから、いいなあと。
ナオミチ:『SEVEN LIVES』は、まず「Room45」から観たんですけど、すごくTOTALFATらしくて。今のシーンのことも考えてるという姿勢が曲に表れてるし、ルーツも見える。今まで以上に一緒にやりたくなりましたね。目指してるところが近いなと。
──というのは?
ナオミチ:言ってしまえば、できるだけ自分たちの武器だけで、多くの人に聴いてもらおうという意志が強いのかなって。
Bunta:ただ好きなことをやってるだけではリスナーに響かないから。時代に対してしっかりとアンテナを立てていないと。例えばONE OK ROCKとかは俺らより年下だけど、大きく羽ばたいてる。そいつらに負けたくないっていうのはもちろんだし、彼らのような音楽を聴く人が、TOTALFATを聴いたときに“古い”と思われたらダメだと思う。メロコアやミクスチャー、ラウドロックをやるにしても新しさを常に追求して、時代に対してどう響かせられるか、それはお互いに考えてるんじゃないんですかね。
Shun:ルーツを捨てずにね。その芯の部分とプラスアルファがイノベートされなきゃいけない
──確かにこのミニアルバムには時代性やフレッシュ感を意識した楽曲が収録されています。
Shun:特に1曲の「Room45」はそれを意識して、サウンドの艶やかな部分を追求したり、Aメロもいままでやったことがない譜割で構成したり、そういう意味では新しさを求めた部分はありますね。
dEnkA:思わずニヤけさせられるリフが入ってくるんですよね。たとえばThe BEATLES の「Day Tripper」的なリフが入ってきて、お!?って(笑)。
Jose:意外と広げてみました(笑)。
──TOTALFATは本日(9月22日)、イベントのステージ上で12月にインディーズ~メジャー期を通した初のベスト・アルバム『THE BEST FAT COLLECTION』リリースすることを発表するというサプライズもあるわけで。インディーズ時代の楽曲は再レコーディングされているという音源もすごく楽しみです。それにしても、お互いの作品に共通して言えるのは、メンバー個々の色が出つつ、きっちりバンドとしての魅力が濃厚に出ているなと。
Shun:俺らの場合は作詞作曲、プレイ面でバンド内のフォーメーションを変えてやったところが曲のバリエーションや新しさに繋がってると思う。もう結成から14年目に入ると、真新しさを見つけるほうが大変でね(笑)。昔は何をやっても新鮮で、その新しさだけで楽しめたんですけどね。今はそれだけじゃなく、過去の自分たちも超えなきゃいけないし、流動的なシーンやお客さんに対して、リアルタイムでどう自分たちを表現していくのか。それはこれからもっと重要な課題になっていくと思う。
w-shun:俺らはまだまだやりたいことがたくさんあるんですよ。それを4人でカタチにして、少しずつ積み上げていくのもバンドだと思うし、その作業が楽しい。バンドがスタートして10年になりますけど、まだ音楽の深さを感じるし、見えてない部分があるから。今、こうして自分が音楽を楽しめる状況の中で、さらに知識を深めて、それをいかに吐き出していくか。それが大事だと思います。
取材・文◎荒金良介 撮影◎青木カズロー
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