【対談】KNOCK OUT MONKEY × TOTALFAT、朋友バンドが語った過去から現在「新しさを追求して時代を響かせる」
KNOCK OUT MONKEYが10月2日、メジャー第一弾シングルシングル「Paint it Out!!!!」をリリースする。変幻自在でラウドなサウンドはそのままに、“自分の思いを描き出せ!”というメッセージが心奮わせる仕上がりだ。
一方、7月にミニ・アルバム『SEVEN LIVES』を発売したばかりのTOTALFATは、12月11日に自身初のベストアルバムにしてインディーズ時代の楽曲を再録音した『THE BEST FAT COLLECTION』をリリースすることが発表となった。
KNOCK OUT MONKEYは結成11年、TOTALFATは結成13年。どちらもストレートにシーンのド真ん中をひたすら走り続けてきた経験と実績がある。両バンドの出会いは今を遡る5年前のイベントであり、以降彼らは互いのアティチュードに共感して共演を重ねている。現在では<PUNKSPRING>をはじめ、さまざまな大型フェスに彼らの存在はなくてはならないものとなった。その両者による対談はバンドシーンの話から互いのメンバー間のプレイスタイル分析まで、実に深く濃度が高い。神戸の暴れ猿=KNOCK OUT MONKEYのメジャー移籍を祝福しつつ、メロコアの新世代を牽引するTOTALFATのベスト盤リリースを待ち望みながら、2バンドの過去、現在、未来を語り尽くしてもらう。
◆TOTALFAT × KNOCK OUT MONKEY 拡大画像
■KNOCK OUT MONKEYは初めて会ったときから根本を突き詰めてる印象があった──Shun
■音源を聴くたびにいつも新しくて、かつTOTALFATらしさがガッツリ出てる──w-shun
──KNOCK OUT MONKEYとTOTALFATの最初の出会いは?
w-shun:5年ぐらい前に兵庫県で開催された<タコロックフェス>という野外イベントで一緒になったんですよ。そのときは話しかけられなかったですね。
Shun:でもKNOCK OUT MONKEYはめっちゃいいライブをやってて。最初はバンド名も知らずに観て“この人たちカッコいい”と思ったのが第一印象ですね。ほかにGOOD4NOTHING、HOT SQUALL、俺たちも出ていたから、メロコア寄りのお客さんが多かったんですよ。最初アウェイの雰囲気だったけど、タオルを回したりして、当時あまり観たことがないやり方で観客を沸かしてるのが気になって。
w-shun:TOTALFATは圧倒的に凄かった!
ナオミチ:絶対年上だと思った。
Shun:そうしたら同じ歳だったという。
──同じ歳なんですね!
Shun:はい。それから神戸のライヴハウスで一緒にやることはあったけど、すぐに絡む感じではなくて。
ナオミチ:TOTALFATのツアーに呼んでもらったときに初めて打ち上げで話して。俺らがライヴをやってるときにTOTALFATのメンバーがずっと袖で観てくれて、それがすげえ嬉しかった。
──いままでKNOCK OUT MONKEYとTOTALFATはあまり絡んでる印象がなかったんですが。
Kuboty:関東ではあまりないかもしれないけど、神戸ではかなりやってますね。
Shun:あと、<PUNKSPRING>で一緒だったりね。関西で絡む機会が多かったですね。
──お互いのバンドのキャラや音楽に関して、思うことはあります?
Shun:初めて観た<タコロックフェス>の印象ままなんですよね、いい意味で。ブレないバンドだなと。KNOCK OUT MONKEYのバンド歴は?
ナオミチ:もう11年になる。
Shun:10年以上やってると、周りで流行ってる音楽、自分の好みで聴く音楽、お客さんの流れとか……周りの変化に影響を受けながら、それを進化に変えるバンドもいるけど。KNOCK OUT MONKEYは初めて会ったときから、やろうとしてる根本の部分を突き詰めてる印象があった。そこはTOTALFATと似てるなって。そういう親近感と、鳴らしてるサウンドは違うという意味で、俺らにとっては魅力的な存在なんですよ。KNOCK OUT MONKEYがDragon Ashのオープニングアクトですごい盛り上げてるという話を聞くと、ちゃんと自分たちが目指してるところで頑張ってるんだなと。
ナオミチ:ありがとうございますっ!(全員爆笑)
──KNOCK OUT MONKEYから見たTOTALFATは?
w-shun:(大声で)大好きです!
──はははは、具体的には?
w-shun:感覚的なものに近いですね。軸の部分というか、音楽に対する姿勢も勉強になるし。出会う前から音源も聴いてたんですよ。TOTALFATはバンドの演奏力や個々の技術面に関しても毎回それまでやってなかった何かに挑戦してる。音源を重ねていくと、ある種求められる部分と、自分たちが挑戦したいことのバランスが難しくなるんですよ。でも音源を聴くたびにいつも新しくて、かつTOTALFATらしさがガッツリ出てる。ライヴを観てみたい!と思いますからね。
──なるほど。世代の話になりますが、同じ歳ということは、聴いてきた音楽も近いんじゃないですか?
Shun:そう言えばルーツ的な話って、“一緒で当然だろって”感覚だからちゃんと話したことないよね? どちらかと言えばお互いの違いばかり話して、そういう確認はしてなかった。
Jose:ナオミチはビジュアル系やってたんでしょ?
ナオミチ:もともとビジュアル系っすね。
Shun:涙と書いて、ルイでしょ?(全員爆笑)
w-shun:それ絶対、BARKSに載せてもらおう!
Bunta:普通もう少しかっこいい当て字にすると思うんだけど、なぜ涙なの?
ナオミチ:いや、わからない(笑)。だから、ほかのメンバーとは俺のルーツって違うんですよね。
Bunta:当時、Hi-STANDARDのアルバム『MAKING THE ROAD』と、L’Arc-en-Cielのアルバム『ark』『ray』が同じタイミングでリリースされたから、ハイスタ派か、ラルク派かみたいな感じはあったもんね。
──それ以外の音楽というと?
Shun:俺もL’Arc-en-Cielは好きだし、GLAY、LUNA SEAもね。海外だと、THE OFFSPRING、NOFX、GREEN DAY、BLINK-182とか。
Bunta:ミクスチャー系も流行ったもんね。
Kuboty:KORN、LIMP BIZKITとか。
w-shun:高校生の頃はZEBRAHEAD、LIMP BIZKIT、SLIPKNOTとかも。
Kuboty:1999年の<ウッドストック>で観たTHE OFFSPRING、LIMP BIZKIT、KORN、RED HOT CHILL PEPPERSが超ハンパなくて。あの映像を食い入るようにひらすら観たのを覚えてるな。
Bunta:この世代がドンピシャでロック・バブルを体験したというか。本当にいろんなジャンルのバンドがいて、それを高校時代に体感したんですよ。バンドを始めようという時期にそれを体験したから、今でも頑張れてるのかなと。
Shun:しかも、今と明らかに違うのは自分から能動的に情報を探したりしてたんですよ。本当に音楽が好きなやつしか情報が得られない。そういう環境の中で組んだバンドだから、情報の入手が便利になってから組まれたバンドとはまたちょっと違って、そこに根性論が加わるんですよ。KNOCK OUT MONKEYに対しては、自分たちと同じようなものを感じるし、お互いに話しただけでそういう部分はすぐ共感しますよね。
──ハングリー感があると。
Shun:うん、自分が欲しい情報に対する枯渇感は強かった。
Bunta:あと、俺しか知らないぞ感もあったよね?
ナオミチ:ははは、レンタル屋でCD借りまくって、これ絶対かっこいい!って自慢した。
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