METEOROID、高いハードルを敷いたPremium Single「リトルボーイ」発売

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その衝撃的なジャケットと共に、2013年8月6日にMETEOROIDが、3rdシングル「リトルボーイ」を発売した。モザイク処理が施されてはあるが、その姿は、地上から発生した巨大なきのこ雲。裏ジャケットには、凄まじい衝撃と共に朽ちた広島県産業奨励館。今で言う原爆ドームの姿が、同じようモザイク処理を施した形で映し出されている。これは、今から68年前の8月6日に、広島で起きた悲劇を写し出した写真。タイトルに記された言葉が、リトルボーイ。歌詞に登場する主人公は、そのときの少年。同時にこの名前は、エノラゲイ(B-29爆撃機)が、広島上空に落とした原子爆弾の名称でもある。歌に登場するあの日の少年は、「この忘れられない運命を背負って生きていく」と決意を胸に秘めてゆく。この楽曲を作ったMETEOROIDのGENKIは、「リトルボーイ」が生まれる背景について、こんなことを語ってくれた。少し長くなるが、その言葉を読んでいただきたい。

「僕が"原爆"をテーマに歌を書きたいと思ったのが、14歳のときなんです。その頃から僕は学校があまり好きじゃなくて、よく授業をさぼっては、バンド活動に明け暮れているような学生でした。それでも、歴史の授業で戦争のことを習うから、それなりに頭の中へ入ってくるじゃないですか。僕は、「これは一体なんだろう?!」と疑問に思うことが生まれたら、それをいろいろ調べてゆく癖があるんですよ。しかもあの頃から僕は、「ラブソングを歌うことよりも、世の中に対してメッセージしてこそ表現者」という意識を強く持っていた。そういう面からも、広島や長崎に投下された原爆による悲劇もまた、いろんなことに興味を示す一つだったんです。
▲GENKI
▲マチ
▲ゆとり
▲ral
▲Tomoya
しかも僕の場合、被爆者の方に話を聴く機会にも恵まれ、実際に広島へ行き、語り部の方々に話も聴かせていただきました。語り部と言っても、みんなすでにおじいちゃんやおばあちゃんなんですね。「と言うことは、あと何十年も経たずに、この経験を語れる人たちはいなくなってしまうんだろうな」と、当時10代の僕なりに感じ。「そういう体験を忘れないよう、歌を通してどんどん語り継いでいきたい。語るべき想いを歌に載せて届けたい」と、思うようになっていた。それが、「リトルボーイ」が生まれる最初のきっかけになりましたし。その日以降、広島や長崎での悲劇について、ことあるごとに調べたりもしてきました。「僕らは8月6日の出来事を忘れませんよ」「あなたたちのような体験を僕らはしてないけど、その体験を僕らはけっして忘れませんから」という想いを、僕はこの歌に込めていますけど。正直、表だって原爆の話を出したくはなかったというか。僕自身は、わかる人だけにわかってもらえればいいやと、今でもそう思っています。何故なら僕は、活動家ではなく音楽家だから。原爆の投下という悲劇のみならず、人が人を殺すことに、僕は一つとして正解はないと思ってる。もちろん今の時代の中で生きてる僕らは、戦争という経験をしたこともなければ、体験した方から話を見聞きするくらいないんですけど。人は、体験してないことってすぐに忘れちゃうじゃないですか。「それを僕らは忘れないからね」ということを、この作品を通して僕は言いたかったし、その現実を伝えていきたかったんですよ」──GENKI

楽曲の冒頭を飾ったのが、GENKIが敷きつめた背景音の上に、ギターのマチがピック・スクラッチを用いて描き出した、爆弾が投下される音の絵図。感情の揺れに合わせ次々と転調を施したりなど、楽曲の随所にギミックを施し、彼らなりの視点で、あの日の衝撃を音像として具現化。数分間の心に衝撃与えるドラマとして「リトルボーイ」を作りあげた。

METEOROIDにとって、とても意味や意義の深い楽曲として完成したPremium Single「リトルボーイ」。でもこの作品は、ある一定の条件をクリアーしないことには手にすることが出来ない。それが、「METEOROIDのライブに来て、物販スペースで、まずは1個印の付いたスタンプカードをもらいます。そのカードに、ライブへ足を運ぶごと、METEOROIDの物販スペースでスタンプを押してもらいます。そのスタンプが5つたまった人のみがこの「リトルボーイ」を買う権利をもらえ、「リトルボーイ」を1000円で購入することが出来ます」(ral) という条件。本作は枚数限定作品。興味を持った方は、売り切れる前に手にしていただきたい。

なぜ愛すべき楽曲に、この作品を手にするうえで、そんなにも高いハードルを敷いたのか?!GENKIは、「ここまで手にすべき高い壁を設けても、この作品を手にしたい人たちはどれくらいいるんだろうか。その想いを、今回はファンたちへ投げかけてみました」と答えてくれた。なんともSっ気な方法じゃないか。だけど、それくらい5人にとって大切な楽曲だからこそ、幾つもの関門を超えてでも手にしたいと願う人たちのもとへ、この歌を届けたかったのだろう。

現在も、いろんなライブ・イベントへ積極的に出演しているMETEOROID。そんな彼らにとっての大きなイベントとして、METEOROIDのギター陣マチとゆとりの誕生日を祝う"生誕祭"が、9月17日と18日に渋谷REXを舞台に開催になる。

「9月17日、<Domestic Alien Vol.3 -紫の日-【帰って来た!メテオ高等学園!】>と題して行う俺の生誕祭では、みんな学生服を着てやります。お客さんらも同じよう学生服を着て会場に来てもらえたら、一緒に学園祭を楽しんでいけると思います」──マチ

「9月18日は、<Domestic Alien Vol.4 -緑の日->と命名。オープニングアクトとして、俺とマチによるユニット"ゆとマkids"が登場します。METEOROIDのライブでは、-緑の日-と題したように、その日はメンバー全員"ゆとりのメイク"をして登場します!!お客さんらも、ゆとりスタイルで会場に来ると、もっと楽しめると思うからさ」──ゆとり

さらに10月30日には、4thシングルとして、すでにライブでもお馴染み「ドラキュラ」の発売が決定。同日には、高田馬場AREAを舞台に、発売記念イベントの開催も行う。シングル「ドラキュラ」やリリース・イベントの詳細は今後発表になるように、常日頃からMETEOROIDのホームページをチェックしてくれたら幸いだ。

文:長澤智典


CD
2013年8月6日(火) 購入条件付き!完全限定プレミアムシングル「リトルボーイ」
CD収録曲 : 1.リトルボーイ
MET-0000/¥1,000(tax in)

◆METEOROID オフィシャルサイト
◆BARKS ヴィジュアル系&VROCKチャンネル「VARKS」
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