【インタビュー】若手V系オムニバス盤『Exalted recipe feat.なまら・ぶい』参加バンドインタビューVol.1【METEOROID】
元RED universeのメンバーを中心に誕生したMETEOROID。サイバー感覚満載なデジタルビートと、歪みを上げたギター・サウンドが暴れまわる、まさにアグレッシブな音同士の融合によって産み出された音楽は、聴き手の感情を否が応にも昂らせてゆく。2月から本格活動をスタートさせたばかりのMETEOROIDが、3月27日(水)に発売となる渋谷REX制作によるオムニバス盤『Exalted recipe feat.なまら・ぶい』へ、バンドの顔ともいえるナンバー「DIVER」を手に参加。インタビューには、ボーカルのGENKIとギターのマチが参加してくれた。
――METEOROIDが活動を正式スタートさせたのが、渋谷REXへ250名を越すファンたちを動員した2月11日のワンマンライブからでした。そこへ至るまでにも、いろんな準備を推し進めてきた形なのでしょうか?
GENKI:もともとは、同じRED universeのメンバーだった、僕とベースのral、ドラムのTomoyaの3人でバンドをスタート。セッション活動を続けながらずっとギタリストを探し続けていく中、現在のメンバーであるマチとゆとりに会ったのが昨年(2012年)9月のこと。2人と一緒に演ったときに嬉しい手応えを感じたことから、メンバーへと誘い入れ、そこからは一気にMETEOROIDとしての道を描き始めました。
――METEOROIDは、明確なコンセプトを持って始まったバンドだと、お聞きしました。
GENKI:最初はデジタル要素をメインに据えたバンドとしてスタートさせようと思っていたんですけど、マチとゆとりと一緒に音を合わせたときに、ロック色を強く推し出せるというか、“バンドのアンサンブルをメインに据えたほうが、このバンドは活きる”と判断。“デジタル音の良さに、生の楽器の良さをもっと融合しよう”という想いから、それまで作りあげていた曲から同期を抜いてく作業を始めれば。生音を活かした曲を、このメンバーが揃った時点から改めて作り始めてということも急ピッチで進めてきました。
――話を聞いてると、マチさんとゆとりさんの存在が、METEOROIDのカラーを決定づけたようですね。
マチ:新しい色を僕ら2人がこのバンドへ持ち込めたのであれば、嬉しいことですよね。
GENKI:今って、プログラミングしちゃえば、どんな音楽でも表現できるんですけど。そうじゃなく、どれだけ生音で表現の幅を広げらるかという大切さを、この2人が加入したことで改めて実感しましたからね。もちろん、このバンドにとって同期の音も大切な魅力なので、そことの融合をどう作っていくかが、これからもテーマになっていくことだとは思っています。
マチ:METEOROIDは“デジタルロックなバンドで行く”というのを先に聞いていたので、僕もゆとりも、どれだけ生音の個性をその中へ出していくかが演るうえでの醍醐味だとは感じていたことでした。
GENKI:最初に考えていたのが“あまり音楽性の幅を広げないようしよう”ということ。理由は、何でもできるバンドにはなれるんですけど、それをやると何を演りたいのかが見えにくくなることからなんです。でも、僕らとギター陣2人の感性が似てたというか、お互いのOKラインがものすごく近いところにあった。だからこそ、バンドとしてのブレない軸を共有しながらも、安心して音楽性を広げられたんだとは思ってる。
――このメンバーが揃ったのは9月のこと。そこから2月11日の正式始動まで、5ヵ月なかった状態でした。
マチ:けっこう短い期間でここまで来たんですね。最初は、もっと時間がかかると思っていたから。
GENKI:ダラダラ活動をしても意味がないというか。僕は、松下幸之助さんが言った“思い立ったときには準備ができてるんだ”という言葉が好きなんですね。たとえ準備不足だと思っても、自分が考えている時点で始めるための準備はすでに整っているわけだからこそ“だったら、いっちゃえー!!”という。本当ならもっと早く活動を始めたかったけど、(スタート地点の)ライブ日程の調整や、音源を手にして活動を始めたかったことなどの物理的な事柄から、結局は4ヵ月以上も時間を費やしてしまったんですけど。
マチ:でも、スタートして以降は突っ走り続けてますからね。
――今でも、次々と新しい楽曲が生まれ続けてると聞きました。
GENKI:僕は、ダラダラと曲を作ったりはしないんですよ。自分の中に言いたいことがないときは、ホント何ヵ月もできないんですけど。“これだ”という想いがあれば、楽曲はパパパンッと作れるんです。中には、20分くらいで曲のベーシックが出来上がった歌もあります。自分にとっての曲制作って“お腹が空いたら、美味しいものを作って食べる”のと一緒で“この想いを形にしたい”と思ったら、そこまで一気に仕上げてしまえるものなんですよ。
――1stシングル曲であり、渋谷REX制作によるオムニバス盤『Exalted recipe feat.なまら・ぶい』にも収録した「DIVER」も、すぐに生まれた曲なんですか?!
GENKI:「DIVER」もすぐに生まれた曲でしたね。これは、前のバンドが解散し、とにかくバンドを演りたくて演りたくてウズウズしているときの感情から生まれた歌。“こういう曲をステージで演りたい”、その想いが歌詞と曲とを直結させ、すぐに「DIVER」という形に繋がりました。
――「DIVER」は、“疾走感/高揚性/臨場感”を持った、触れたとたんにアドレナリンがみるみる湧き出すような、一気に感情が爆裂してゆく楽曲です。
GENKI:その感覚を、上手くメンバーが音にしてくれたなと思っています。
マチ:「DIVER」って疾走感もあれば、サビメロがすごく綺麗で高揚性もあるじゃないですか。そこをどう活かすかを心がけました。そんなMETEOROIDの始まりの歌として「DIVER」を提示できたことで、最高のスタートを切ることができたなとも思っています。
――METEOROIDとしてスタートを切って間もないとはいえ、すでに長いスパンで活動のレールを敷いている形なのでしょうか?
GENKI:一応、長い(活動予定の)レールは敷いてます。あとは進みながら、その都度レールの流れをどう調整していくかだと思います。
――バンドの代表歌である「DIVER」を手に、METEOROIDも3月27日に発売となる、渋谷REX制作によるオムニバス盤『Exalted recipe feat.なまら・ぶい』へと参加。そのきっかけも教えてください。
GENKI:自分らも、まだ活動を始めたばかりのバンドと言いますか、いろんな人たちに自分たちの曲を聴いてもらいたいことから、以前からメンバー内で“オムニバス盤へ参加できたらいいなぁ”という話をしていました。実際、オムニバス盤に参加することで、自分たちだけの活動では手の届かない人らのところへも音源が届いてくと言いますか。自分らの息子(楽曲)が一人立ちして育っていくような感覚を持てると思っていたところ、2月11日の正式スタートのためのライブの相談を渋谷REXさんへ持ちかけた繋がりから、今回の話をいただき、すぐに参加を決めました。
――収録するなら、まずは今のMETEOROIDの顔となる「DIVER」だったわけですね。
GENKI:もちろん“新曲を”と考えたんですけど。今は、この「DIVER」を多くの人たちに聴いてもらいたいからこそ、自分たちの一番の自信作を、ここに提示しようと決めました。
――オムニバス盤には、若手バンドばかりが参加しています。
GENKI:若い連中には負けないぞ……という気持ちは、ぶっちゃけないです(笑)。歳が違おうが、時代が異なろうと、“音楽を演っている人の根本にある気持ちは、みんな一緒”ですから。だから、この作品を聴いてくれる人たちにも、キャリアとか関係なく、どのバンドも同じ視点で捉え、楽しんで欲しいなと思ってる。
――ライブ活動も本格化させたMETEOROIDですが、今のバンドの魅力も、ぜひ言葉にしてください。
マチ:やっぱし、たまーに僕らのライブに登場する宇宙人じゃないですか?! イベントにも、きっと宇宙人が姿を現すと思うので、気になる方は確かめに来てください。
GENKI:僕自身、ヴィジュアル系というシーンに長いこと携わってきたこともあって、ある程度のパターンというのは熟知しているわけですけど。たとえばの話、いくらオモチャが好きな子供でも、ズッと同じオモチャで遊んでたら飽きるじゃないですか。そのためにも、新しいオモチャを買い与えていくのは必要なこと。音楽を表現するのも、それと同じこと。“METEOROIDはタブーを犯せるバンド”でありたい。宇宙人がMETEOROIDのステージに姿を現すのも、そういう新しいオモチャをシーンに与えていくのと同じ感覚なんです。
――現在、1stシングル「DIVER」を発売。4月10日には、高田馬場AREAを舞台にした主催イベントの開催も決定。他にも、続々とライブが決まっています。
GENKI:2月11日の始動ワンマンのときに、4月10日に高田馬場AREAで行う主催ライブのことを発表したように、自分たち主導のライブのもとでは、いろんな新しい展開を発表し続けます。今年1年のレールはすでに敷いているように、そのレールの上へみんなを引き上げてくので、一緒に走ってくれたらなと思っています。
マチ:黙って僕らについてくれば、いろんな楽しい景色を見せてあげるから。
――それは、どんな風景なんですか?
GENKI:笑顔かも知れないし、涙かも知れないし(笑)。とにかく、楽しいオモチャをいっぱい用意してるので楽しみに足を運んでください。
――METEOROIDのメンバーたちの毎回のライブに向かう姿勢にも、意気込みを感じますからね。
GENKI:毎回のライブがそうなんですけど、ステージを終えたあとに颯爽と歩いて楽屋に帰るようなライブはしたくないんですよ。ライブって、本気で向かっていかないと何も伝わらない場所。僕らは、ライブを終えてもヘラヘラしながら舞台の上に立っているなんて絶対にしたくはない。毎回、歩いて帰れなくなる。それくらいの意気込みでどのライブにもぶつかっていきたいんです。
マチ:とにかく、ヘトヘトになるくらいまでね。
GENKI:ヘトヘトに。フニャフニャになるくらいにまで(笑)。
――METEOROIDは何をやらかすかわからないバンドだけに、今後にも期待しています。では最後に。ひと言ずつメッセージをお願いします。
マチ:「DIVER」は、これまでずっと溜めていた想いをすべて詰め込んだ楽曲なので、ぜひ聴いて欲しいですね。
GENKI:「DIVER」の歌詞にも書いたけど、今の時代、人それぞれいろんな想いやとらえ方はあるけど。でも、芯にある気持ちはみんな同じだと思う。その気持ちを一緒に感じあいながら、ライブで、一緒にヘトヘトになるまで盛り上がりたいですね。
マチ:そして、みんなでヘニャヘニャになって(笑)。
GENKI:一緒に、フニャフニャになって帰りましょう(笑)。
取材・文●長澤智典
V.A.
『Exalted recipe feat.なまら・ぶい』
2013年3月27日発売
REXUME-001 ¥2,300(tax in)
01.「xxx」is D£AD「shining days」
02.THEATER「THE SPIRAL IRRITATION」
03.Zelktage「Voice」
04.L「New World」
05.L&DS「ココロの地図」
06.METEOROID「DIVER」
07.Pastel Holic「明日の朝」
08.2nd awake「frost」
09.ヴァロア「舌媚-zetsubi-」
10.シックス「torment」
◆先行発売記念イベント
<V.A.『Exalted recipe feat.なまら・ぶい』発売記念Event!!>
2013年3月25日(月)SHIBUYA-REX
L&DS(Guest)/「xxx」is D£AD/Zelktage/THEATER/L/Pastel Holic/2nd awake
OPEN 16:00 / START 16:30
前売¥2,700+D / 当日¥3,000+D
※当日限定購入特典有り
(問)SHIBUYA-REX 03-5728-4911
受付時間:14:00-22:00
◆METEOROID オフィシャルサイト
◆渋谷REX オフィシャルサイト
◆ULTRAVIBE オフィシャルサイト
◆BARKS ヴィジュアル系・V-ROCKチャンネル「VARKS」
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