【ライヴレポート】MONGOL800、全26曲3時間超えの武道館公演「沖縄よりもあついんじゃない!?」

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MONGOL800が7月5日、<MONGOL800 ga LIVE “800BEST” at 日本武道館>を開催した。ベストアルバム『800BEST -simple is the BEST!!-』リリース、オリジナルアルバム『GOOD MORNING OKINAWA』リリース、そしてツアー<MONGOL800 GOOD MORNING OKINAWA TOUR 2013>開催と、全力で結成15周年を駆け抜ける彼らのステージは、やはり全身全霊のものだった。その詳細をレポートしたい。

◆MONGOL800 画像

「普通に緊張してきた。俺も普通の人間だったんだ(笑)」とキヨサク(Vo/B)がライヴ中にこぼした何気ない言葉が忘れられない。09年12月7日、そう、MONGOL800(以下モンパチ)が初めて日本武道館のステージに足を踏み入れた日だ。以前から「武道館でやってほしい」という声が周囲から上がっていたようだが、実行に移せなかった。ようやくバンドに自信がつき、決意を固めて挑んだのが前回の武道館公演で、これがとんでもなく素晴らしかった。だだっ広いステージにぽつんと3人が立つ。特別なセットや仕掛けは何もない。普段のモンパチのままで演奏を繰り広げた。そのシンプルなアプローチを通して、地元・沖縄からずっと平和や自然の尊さを訴えてきた彼らのメッセージが、武道館の天井に吊るされた大きな日の丸と共鳴して……胸が熱くなった。あれから3年7ヵ月ぶりになる2度目の武道館公演でどんなライヴを見せてくれるのか、楽しみでしかたがなかった。

今年はバンド結成15周年という大きな節目となり、初のベスト盤『800BEST-simple is the BEST!!-』と6thアルバム『GOOD MORNING OKINAWA』も立て続けに発表した。その新作のレコ発は3月から始まり、合間に今日の武道館公演が差し込まれる形となった。

18時38分、スクリーンに彼らのレーベル“TISSUE FREAK RECORDS”のロゴが宇宙を駆け抜けるシュールな映像が流れた後、1曲目「DON' T WORRY BE HAPPY」から銀テープが打ち上げられ、いきなり祝祭ムードを煽る。メンバー3人は下にライトが設置された縁起がいい菱形のステージ台の上に立つ。前回よりもさりげなくグレードアップしているではないか。武道館の照明は煌々としたまま、完全ソールドアウトとなった1万人の観客の姿を鮮明に浮かび上がらせ、壮観な光景が眼前に広がる。

続けて照明が付いたまま、「愛する花」、「PARTY」と3曲連続で1stアルバム『GO ON AS YOU ARE』からの楽曲をプレイし、天真爛漫のハッピー感を隅々まで行き渡らせた。観客の大興奮ぶりに「武道館、元気? 沖縄よりもあついんじゃない?」とキヨサクが呼びかけ、それから新作のリード曲「Love song」ではメンバーを囲む形で備え付けられた板状のライトが華やかに点滅、初めて曲名に沖縄というキーワードを入れた新作の表題曲「GOOD MORNING OKINAWA」ではハンドクラップ&大合唱を誘った。また、レアな初期曲「ホルモン」、タカシ(G/Vo)がリード・ヴォーカルを務める「ベイビーシーサー」など、かゆい所に手が届いた選曲で、前半から濃厚に畳みかけてくる。

自らモンパチらしい曲と解説した「あるがまま」や、青暗い照明がマッチしていた「月灯りの下で」は原曲よりも大人びたムードを放ち、15年の経験値と深みを感じさせる柔らかな表現力に吸い寄せられた。そういえば、小さい子供連れのファンもちらほら見かけたな。

名曲「小さな恋のうた」を挟み、中盤の「スコール」、「I’ll be」、「神様」(※天井から8本の照明)ではステージ床下部分にライトが付き、スモークも焚かれ、深淵な曲調をさらに引き立てる演出も良かった。そして、ベスト盤から漏れたものの、個人的に大好きな「矛盾の上に咲く花」が始まる。「悲しき日本色(中略)おばぁの笑顔も涙で歪む/心からみんなで歌える/国の歌なら楽しいかもね」の歌詞がこだまのように耳に響き、前回同様、天井の日の丸にそっと目をやる自分がいた。

民謡界のプリンス・よなは徹(三線・笛)を迎え、GO!GO!7188のカヴァー「こいのうた」を演奏、後半は琉球舞団・昇龍祭太鼓のメンバー12人が生命力みなぎる躍動感で援護射撃し、引き続き「琉球愛歌」でも共演を果たした。強いメッセージ性と熱いお祭り感が融合し、トドメに二頭の獅子舞も登場して場をさらに活気づけた。本編は「face to ace」、名曲「あなたに」で締め括り、再び銀テープが打ち上がると、フロアに落ちた銀テープをスタッフがわざわざ拾い上げ、それをファンに手渡す温かい光景も見られた。

アンコールは15周年だし、面白いことをしようと思ったらしく、キヨサクがギター、サトシ(Dr/Vo)がベース、タカシがドラムを務め、過去数回しかやったことがない「ヨロコビノウタ」を披露。サプライズはまだまだ続く。SOFFetの両名を迎え、コラボ曲「ひとりじゃない」、それから贅沢にもSOFFetをバックにQ;indiviとのコラボ曲「hanabi」を初披露し、キヨサクはハンドマイクで熱唱した(最後はマイクを床に置き、お辞儀していたので、山口百恵の日本武道館さよならコンサートか!とツッコまずにはいられず)。特に後者は生で聴きたかった曲だけに、これは嬉しかった。すべてのライヴが終わったのは21時58分……全26曲3時間超えの長尺ライヴだった。

ライヴ中にキヨサクは「今も沖縄は飛行機が飛んだり、家に急にアメリカ兵が入ってきたりする。言葉は無欲、何もほしがらない。優しい歌もあるけど、アルバムにはトゲも入れてる。沖縄は大好きで、大嫌い」と語る場面があった。新作『GOOD MORNING OKINAWA』はまさに彼らの言いたいことを赤裸々に詰め込んだ、愛とメッセージ性に溢れた傑作だった。

冒頭でも紹介した通り、前回はちょっと緊張気味のモンパチだったが、今回はこの舞台を、自分たちの楽曲を、観客との交流を、心の底から楽しんでいるように映った。重箱の隅をつつくような選曲を含め、ドシッと構えた落ち着きと音楽の力を信じ切った堂々たるパフォーマンスを終始展開した。移り変わりの激しい世の中で、15年間にわたって、不動の個性とメッセージを放ち続けるモンパチの姿が実に眩しかった。

取材・文◎荒金良介 撮影◎TEPPEI

<MONGOL800 ga LIVE "800BEST" at 大阪城ホール>
2014年2月13日(木) 大阪府・大阪城ホール
開場 18:00 / 開演 19:00
全席指定 [前売] 5,800円 (税込・粗品付)
※指定席はチケットをお持ちの保護者1名様につき未就学児1名膝上観覧可。(但し別途お席が必要な方は有料)
■プレイガイド
・ファミリーマート(イープラス)http://eplus.jp/
・ローソンチケット [ Lコード:52689 ]
・チケットぴあ [ Pコード:206-556 ]
・CNプレイガイド http://www.cnplayguide.com
・楽天チケット http://ticket.rakuten.co.jp
・湯仲間直売所 http://w1.onlineticket.jp/yunakama/page/G/pc/GGWI02103.jsp
2013年10月12日(土) 10:00~ 一般発売開始 !!

◆チケット詳細&購入ページ
◆MONGOL800 オフィシャルサイト
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