【インタビュー】The Sketchbook、「この曲で改めて、『向き合っていこうよ』って言いたかった。」
── もう一曲の「21」は、ショーン・ペン主演の映画『21グラム』を思い出したんだけど。
多田:そうです! そうです! 魂の重さは21グラムという、映画の『21グラム』に出てきたことをアイデアのひとつとして取り入れました。この曲は、先にアニメ『キングダム』のタイアップをいただいて書いたんですけど、まず原作の漫画を読んだんです。中国の春秋戦国時代が舞台なので、戦いの中で命のやりとりをするんですけど、その戦う理由が、自分の国を守りたいとか、自分のプライドを賭けてとか、強制的なものではなく自分で持っている何かしらの目標のためなんです。目標を達成するために自分の命すらも削りながら戦うというところに熱を感じて。それって、日々生きて行く中でも僕たちに当てはまるものなんじゃないかと思うんですね。僕らだったら命を削って音楽を作っていきたいし、作っていっている。聴いているみんなも、目標があるなら、その目標に向かってもっと必死になった方がいいし、それこそ命を削るくらいの覚悟で挑むことでその目標にもより近づけると思うんです。目標がまだなくて手探りな状況だったとしても、なんとなくやるんじゃなく、一度しかない人生なんだから、それも命を賭けて、常に魂の重さ(=21グラム)を意識して、必死で探そうっていうところをメッセージとして掲げた曲なんです。
渡邊:宏くんが書いた歌詞って、メンバーとしても共感する部分がたくさんあるんですよ。僕らがバンドとして活動していて、魂の重さである21グラムを乗せられるか乗せられないかっけて取り組むのとでは、できたものも全然変わると思うんですよね。周りの人への伝わり方も違う。ライヴにしても、迷いがあったものと、純粋に魂を乗っけられたかなっていうライヴだったら、見た目は変わってなくても、お客さんや周りのスタッフさんの反応がまったく違うんですよ。そういうことを肌で感じているからこそ、ハートを込められる何かを見つけようぜっていう思いがこの曲にも込められるっていうか。
── 7月31日にはアルバムのリリース、9月28日にはSHIBUYA AXでのライヴも決まっていますが、その前までに、100本ステージをやるとか、セルフプロモーションとか、いろんな課題がありますね。
多田:はい。でも言っちゃうと、「自分たちに出来ることをどんどんやって、SHIBUYA AXでのライヴを成功させよう」ってことだけなんですけど。何か目標を掲げてそれを達成するためには自分たちでしっかり努力しなきゃいけないじゃないですか。だから「普通にSHIBUYA AXでライヴをします」ってことだけ掲げて地道な部分を隠しても良かったかもしれないですけど、そこをあえて見せることで、「どんな結果であっても、努力というのはちゃんと良い結果に繋がるんだ」ということを伝えたくて。僕ら自身もSHIBUYA AXを成功させたいという強い意志ゆえですね。100本ステージっていうのも、必要だからやってるわけで。
── 試合に向けての筋トレみたいなものなんだね。
多田:そうです、そうです。そして多分、(ステージは)100本越えると思います(笑)。
渡邊:初心を忘れずにね。何かに向かって必死に頑張る姿っていうのは今までも皆さんに見ていただいて、共感を得ている部分でもあるので、そういうのは忘れないでいたいんですよね。バンドとして泥臭く、僕らができることはこれからもやっていきたいと思っています。
Text by 大橋美貴子
◆BARKSインタビュー
◆The Sketchbook オフィシャルサイト
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