【対談】新山詩織×栗原類が映画『絶叫学級』と音楽を語る「新山さんの曲は映画のシーンを完全に表している」

ポスト

■この映画で描かれているのは学校内での人間関係なんじゃないかなと──新山詩織
■自分はどういう人間なのか?ということを問い掛けていると思います──栗原類

──映画の中でもそういった、学校の中での“階級社会”の存在が描かれていましたよね。

新山:そうですね。ホラー映画だと言われているけど、描かれているのは学校内での人間関係なんじゃないかな?と私も感じて。今、自分も普通に学校に通っているので、環境的にも同じだし、共感できるところがありました。

栗原:今回は女子高がメインで、女子生徒たち同士の醜い争いが描かれていますけど、僕は人間共通のテーマだと思うんですよ。例えば会社員の方が、出世したくて自分の同僚を陥れる、というのは、もしかしたらやるかもしれないことですよね? この映画は、“自分はどういう人間なのか?”ということを問い掛けていると思います。

──栗原さんも学生時代、集団の中で嫌な想いをした経験はありますか?

栗原:高校の時はいろんな友達と話したり遊んでいたりもしたんですけど、中学校の頃は逆でした。変なことを言うと変人扱いされて仲間外れにされるから、自分のほうから集団を遠ざけていたところがあったと思うんですよね。唯一友達だったのは、小学校から一緒だった子たちでした。

──そうだったんですね……。周りに溶け込めない中、心地よく自分らしく過ごすためにどういうことが大事だと思いますか?

栗原:他人の意見なんか無視すればいい、と思いますよ。そこまで評判が気になるのなら、一度自分というものを押し殺して無になって、改めて考えてみればいいんじゃないでしょうか。そこで、“今までの自分はどうだったのか?”と客観的に振り返ってみれば、少なくとも一瞬でも客観的に自分を見られると思うんです。まあ、一番手っ取り早いのは、他の人たちとつるまないっていうことだと僕は思いますけども。やはり、自分次第なんですよね。

新山:私も実際、周りの人からは、最初は“大人しい”という第一印象をよく言われていて。中学の時も、“私はこんなんじゃないんだ”とすごく思っていたんですけど、でもそんなのをあからさまに友達に見せるのは無理だ、と思って。だから、そう思いながらもずっとそのままでした。でも、自分の中では“本当はこうなんだ!”という“出したい部分”がちゃんとあるから、大丈夫なのかなって最近思います。

──それを表現する音楽というものがあって、今、しっかり生きていられる、という?

新山:本音って、絶対そんな簡単に、直接誰かに言えるものじゃないから……歌や、日記とかでもそうだけど、“言葉ならなんでも書いていいんだ!”と自分の中で思って、ひたすら書いていましたね。「ゆれるユレル」では、変わりたいんだけど変われないんだ、という想いを歌詞でも書いて、それを思い切り歌って出すことができたし。歌い終わった後、何かちょっとでも吹っ切れたのか、すごくすっきりとした感じはありました。

──栗原さんにとっても、学生時代、自分が自分であるために、音楽や映画の存在は大きかったですか?

栗原:そうですね。映画とか音楽とか、当時の周りの中学生とはかけ離れた……と自分で言うのもなんですが、洋楽寄りの音楽などを聴いていたのは自分にとって大きかったですね。Jポップももちろん好きなんですけども。母親が音楽業界で通訳をやっている関係で、小さい頃から洋楽を聴いていたし、夏フェスによく行ったりしていました。ポール・ウェラーとかフランツフェルディナンドとか、すごく好きですね。

新山:あ、ポール・ウェラー、お好きなんですか? ホントに? うれしい! 私も大好きです。

栗原:新山さんは他にはどういう音楽がお好きなんですか?

新山:昔のガレージロックとか、けっこう泥臭いロックがすごく好きです。

栗原:そうなんですね。僕もロックが多くて、デス・キャブ・フォー・キューティーとか。

新山:(笑顔で頷く)。

栗原:あ、それは“知ってる”という反応でよろしいですか?

新山:……すみません、初めて聞きました(笑)。

栗原:はは(笑)。‘90年代後半から活動しているアメリカのインディーロックバンドで、ちょっとマニアックになっちゃいますけど、新山さんの落ち着いた雰囲気とすごく合ってると思います。あとは、プライマル・スクリームとか。'80年代に活動していて、ダンスミュージックやサイケロックなど、変幻自在なアーティストなんですけど、すごくいいです。ジョイ・ディヴィジョンも、内面的な深い闇や絶望的な感じ描いていて、文学とパンクを組み合わせたようなバンドなので、おススメです。逆に、新山さんからのおススメのアーティストはいますか?

新山:日本のロックがすごく好きなんですけど、チバユウスケさんのことがずっと大好きなんです。The Birthday、ROSSO、THEE MICHELLE GUN ELEPHANT、他のユニットも。洋楽だとやっぱり、さっきも言ったんですが、ポール・ウェラーがホントに大好きです。今はThee Head coatsに今ハマっています。最近アナログレコードを買って、よく聴いていますね。

栗原:やっぱりアナログはいいですよね。CDと違って、自由に止められたりしますし、どこからでも再生できますし。

新山:針のジジジーッていう、あの感じもいいんですよね。今日はいろいろなアーティストを教えていただいて、ありがとうございます。是非聴いてみます!

取材・文◎大前多恵


2nd Single 『Don’t Cry』
2013年7月10日 Release
JBCZ-6002 ¥1,050(税込)
1. Don’t Cry
2. (タイトル未定)
3. Don’t Cry -instrumental-

<映画『絶叫学級』>
2013年6月14日公開
TOHOシネマズ 六本木ヒルズほかで全国公開
原作:いしかわえみ「絶叫学級」(集英社「りぼん」連載)
監督:佐藤徹也  脚本:三浦有為子(「明日の記憶」日本アカデミー賞優秀脚本賞受賞)
川口春奈、広瀬アリス、松岡茉優、栗原類・波瑠・山本美月
主題歌:「Don’t Cry」 新山詩織

◆新山詩織 オフィシャルサイト
◆新山詩織 オフィシャルYouYubeチャンネル

◆インタビュー(1)へ戻る
この記事をポスト

この記事の関連情報