ヤマハの歌唱音声技術が全国発明表彰で特別賞「日本弁理士会会長賞」などを受賞 - VOCALOIDに活用されている発明が受賞

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ヤマハの歌唱音声合成技術に関する発明が、平成25年度全国発明表彰(主催:公益社団法人 発明協会)の第一表彰区分の「日本弁理士会会長賞」を、また、受賞発明の実施等に関し「発明実施功績賞」を受賞した。

歌詞とメロディー(楽譜情報)を入力するだけで楽曲のボーカルパートを制作できるヤマハの歌声合成技術およびその応用ソフトウェアであるVOCALOIDに活用されている発明が平成25年度全国発明表彰で特別賞などを受賞した。受賞内容は以下のとおり。

<受賞内容>
・『平成25 年度全国発明表彰 第一表彰区分 特別賞「日本弁理士会会長賞」』
 剣持秀紀(けんもち ひでき) ヤマハ株式会社 yamaha+推進室
 ジョルディ ボナダ ポンペウ・ファブラ大学(スペイン)
・『発明実施功績賞』
 梅村充(うめむら みつる) ヤマハ株式会社 代表取締役社長

<受賞発明>
『個性豊かで自然な歌唱音声合成技術の発明』
(日本国特許第4153220 号「歌唱合成装置、歌唱合成方法及び歌唱合成用プログラム」)。

ポイントとなったのは、音声素片と呼ばれる実際の人間の声から切り出した声の断片を接続する「素片連結」と呼ばれる音声合成方式をさらに工夫することで自然な歌声の合成を実現したこと。この発明では、音声素片を「伸ばし音部分」と「遷移部分」に分けたうえで、できるだけ「遷移部分」の歌声を元の状態に保ちつつ、おもにに「伸ばし音部分」を加工・生成することで自然な歌声の合成を可能にしている。


▲図1:「朝(あさ)」という言葉を合成する際に必要な音声素片の例


▲図2:本発明にて「咲いた(サイタ)」という言葉の一部を合成する様子

また、今回の受賞の対象となった歌唱音声合成技術に関する発明は、ヤマハとポンペウ・ファブラ大学との共同研究の成果の一つであり、日本で完成した発明である。

全国発明表彰は、公益社団法人発明協会主催によるもの。大正8年の第一回帝国発明表彰にはじまり、文部科学省、経済産業省、特許庁、日本経済団体連合会、日本商工会議所、日本弁理士会、朝日新聞社の後援により優れた発明を完成した人、実施化に尽力した人、発明の指導・奨励・育成に貢献した人を顕彰することにより発明の奨励・育成を図り、我が国の科学技術の向上と産業の振興に寄与することを目的としている。

表彰式は6月18日(火)にホテルオークラ東京にて、常陸宮殿下同妃殿下ご臨席のもと行われる予定。

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