【ライブレポート】イッツ・ア・ミュージカル、気持ちよいシンコペーションの波に身をゆだねて
2012年に初の来日を果たし日本ツアーを行ったベルリンMorr Musicレーベル所属の洗練されたポップバンドとして定評あるイッツ・ア・ミュージカル(It's A Musical)が、2013年、待望の4曲入り新曲シングル「Summer Break」をリリース。そのリリースを記念するライブが2013年3月17日(日)ベルリン、コットブッサートーアのライブハウスMonarchで行われた。そして彼らのポップセンスに惹かれる大勢の観客がMonarchに集まった!
◆イッツ・ア・ミュージカル画像
イッツ・ア・ミュージカルは、エラ・ブリクスト(Ella Blixt:Vo、Key)とロバート・クレッチマー(Robert Kretzschmar:Vo、Dr、Vibraphon)からなるポップ・デュオ。2009年にリリースされたポップな名曲「Music Make Me Sick」は日本でもスマッシュ・ヒットを記録した。2013年はシングルリリース後、90年代からドイツにて活躍している実力派バンド、トコトロニック(Tocotoronic)と3月初旬からブレーメン、デュッセルドルフ、チューリッヒ、シュタットガルト、オッフェンバッハなどなどドイツ国内を巡る大規模なヨーロッパ・ツアーを行っており、その一環としてのベルリンでの単独ステージである。
新作シングルからは、曲名のとおり滑らかに流れるようなムードが素晴らしいナンバー「Mood Swings」、シングルのタイトルにもなっているフリートウッド・マックなどの上質なポップセンスを想起させる緩やかな「Summer Break」、そしてまったりとした冒頭パートから、素敵な物語を聞いているかのように変幻自在で目眩くような曲展開を見せる「Layers」が演奏されて、彼らの本領が発揮される。2009年のファーストアルバム『The Music Makes Me Sick』からのヒット曲「The Music Makes Me Sick」や、限りなく美しい「Pain Song」、2012年のセカンドアルバム『For Years and Years』からは「For Years and Years」「Point Back」「Ljubljana」「One Million People」などが演奏された。エラのキュートさと、ロバートの知的でウィットに富んだドラム&ビブラフォンが素晴らしい。彼らの楽曲特有の、気持ちよいシンコペーションの波に身をゆだねて漂っているかのように、観客の身体もごく自然と反応して会場は大いに盛り上がった!
そして、コンサート後も素晴らしい空間は続く。この日のライブ会場のDJは、ベルリンの伝説的なエレクトロニカ・ロックバンドとして著名で、テクノ方面でも人気あるエレクトロ・ポップ・レーベル、バンガロウ(BUNGALOW)レーベルからCDをリリースし、マーシャ・クレラ(Masha Qrella)も在籍しているバンド、ミーナ(Mina)のギター奏者、ヨハネス・レーマン(Johannes Lehmann)であった。彼の非常に趣味のいいフィラデルフィア・ソウルを中心に展開される選曲(それもレアなシングルばかり!)に合わせてベルリナーはTanzen(ダンス)を楽しむ。「東ベルリンでこんなレアなシングル集めるの大変だったんじゃないですか?」という筆者の質問に対して、「大変だよ。E-Bayとかに頼っているけどね」と笑顔で答えてくれるヨハネス。このような素敵な空間がベルリンにはごく普通にある。
イッツ・ア・ミュージカルの再来日ライブが5月に行われることが決定したようだ。是非、この幸せな空間を多くの人に味わって欲しい!
文:Masataka Koduka
◆イッツ・ア・ミュージカル・オフィシャルサイト
◆「Summer Break」販売サイト
◆イッツ・ア・ミュージカル画像
イッツ・ア・ミュージカルは、エラ・ブリクスト(Ella Blixt:Vo、Key)とロバート・クレッチマー(Robert Kretzschmar:Vo、Dr、Vibraphon)からなるポップ・デュオ。2009年にリリースされたポップな名曲「Music Make Me Sick」は日本でもスマッシュ・ヒットを記録した。2013年はシングルリリース後、90年代からドイツにて活躍している実力派バンド、トコトロニック(Tocotoronic)と3月初旬からブレーメン、デュッセルドルフ、チューリッヒ、シュタットガルト、オッフェンバッハなどなどドイツ国内を巡る大規模なヨーロッパ・ツアーを行っており、その一環としてのベルリンでの単独ステージである。
新作シングルからは、曲名のとおり滑らかに流れるようなムードが素晴らしいナンバー「Mood Swings」、シングルのタイトルにもなっているフリートウッド・マックなどの上質なポップセンスを想起させる緩やかな「Summer Break」、そしてまったりとした冒頭パートから、素敵な物語を聞いているかのように変幻自在で目眩くような曲展開を見せる「Layers」が演奏されて、彼らの本領が発揮される。2009年のファーストアルバム『The Music Makes Me Sick』からのヒット曲「The Music Makes Me Sick」や、限りなく美しい「Pain Song」、2012年のセカンドアルバム『For Years and Years』からは「For Years and Years」「Point Back」「Ljubljana」「One Million People」などが演奏された。エラのキュートさと、ロバートの知的でウィットに富んだドラム&ビブラフォンが素晴らしい。彼らの楽曲特有の、気持ちよいシンコペーションの波に身をゆだねて漂っているかのように、観客の身体もごく自然と反応して会場は大いに盛り上がった!
そして、コンサート後も素晴らしい空間は続く。この日のライブ会場のDJは、ベルリンの伝説的なエレクトロニカ・ロックバンドとして著名で、テクノ方面でも人気あるエレクトロ・ポップ・レーベル、バンガロウ(BUNGALOW)レーベルからCDをリリースし、マーシャ・クレラ(Masha Qrella)も在籍しているバンド、ミーナ(Mina)のギター奏者、ヨハネス・レーマン(Johannes Lehmann)であった。彼の非常に趣味のいいフィラデルフィア・ソウルを中心に展開される選曲(それもレアなシングルばかり!)に合わせてベルリナーはTanzen(ダンス)を楽しむ。「東ベルリンでこんなレアなシングル集めるの大変だったんじゃないですか?」という筆者の質問に対して、「大変だよ。E-Bayとかに頼っているけどね」と笑顔で答えてくれるヨハネス。このような素敵な空間がベルリンにはごく普通にある。
イッツ・ア・ミュージカルの再来日ライブが5月に行われることが決定したようだ。是非、この幸せな空間を多くの人に味わって欲しい!
文:Masataka Koduka
◆イッツ・ア・ミュージカル・オフィシャルサイト
◆「Summer Break」販売サイト