【ライブレポート】SKY-HI a.k.a.日高光啓(from AAA)、「2年くれ。2015年にさ、日本武道館でやろうよ。SKY-HIのライブを。」

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会場は暗転。「ひーだーか!」「SKY-HI!」「アンコール!」と、様々なコールが飛び交う状況に笑いも起こったが、とにかく誰もがもう一度、SKY-HIのパフォーマンスを見たいと心から願ったことは確か。そんな声を受けてSKY-HIも再度ステージに登場。「アンコールありがとうございます。別にいいから『日高』でも『SKY-HI』でも『アンコール』でも。喧嘩すんな(笑)」と、笑顔を見せる。

アンコールでは、きっと誰もが“そのコラボレーション”が実現するのではないかと思っていた。フロアを尻目に、SKY-HIはこんな言葉で切り出す。

「用意したいものがあったというか。みんなに聞かせたい、見せたいものがあったといいますか。そしてそれは、本編でできなかった理由がありまして。それは、本編では、“客演なしでやりたい”って言ってたからなんです。」

大きく沸く会場。数日前の、とあるニコニコ生放送特番での“ふたり”のやりとり。「さぁ、歴史を塗り替えようぜ!」というSKY-HIの言葉に導かれるように、ファンの間で飛び入り参加の憶測が飛び交っていた“その男”が、ステージイン。2月20日にソロデビューをはたした、KEITA(w-inds.)だ。似たような環境、状況で、悩み、苦しみ、そして闘い抜いてきた両者が初コラボした「Slide 'n' Step -Extended MIX feat. SKY-HI (AAA)」が炸裂すると、会場は熱狂。大歓声とうねりのようなハンズアップで、テンションは最高潮だ。

「マイク1本でこんな最高なステージするのは、SKY-HIだけです。」と、KEITA。SKY-HIは「今後も、長い音楽人生、よろしくお願いします!」とKEITAに言葉をかけると、「一緒に、音楽シーンを変えていきましょう!」と握手で応えるKEITA。ステージ上に立つふたりのアーティストの友情に、再度、会場からは温かい拍手が贈られた。

アンコール=客演解禁となったことを受けて、SKY-HIはライブを観に来ていたKEN THE 390、TARO SOUL、KLOOZ、MOROを呼び込んで「One By One remix」。さらに仲間たちに囲まれて安心しきった表情で「Lego!! Remix」を披露した。

そしてSKY-HIは、ツアー初日の福岡公演が終わった後に見えた、という未来の景色を口にする。その“約束”は、大歓声とともに<1st FLIGHT>のオーディエンスと交わされたのだった。

「2年後、日本武道館で会いましょう! ありがとうございました。」── SKY-HI

  ◆  ◆  ◆

レポートの最後に、ライブ終盤からアンコールにかけてのSKY-HIの言葉を抜粋して掲載する。これは、Zepp DiverCity (Tokyo)でのツアーファイナルに足を運べなかったファンに、彼の言葉を紹介するため……確かにそのためでもあるといえばあるのだが、それだけのため、ではない。

ファイナルのステージ上でSKY-HIが口にした未来。その景色は、きっと実現する。記者も含めて会場にいた誰もが、そう強く望んだはずだ。強い願いは、必ずや具現化される。そして彼が見た未来が現実のものとして目の前に現れた時、その約束が初めて交わされたステージのことが知りたくなる、思い出したくなるはずだ。彼はその日のライブでどんな想いを抱き、どんな言葉で伝えたのか、と。

そう。以下は、2年後に日本武道館の客席を埋め尽くす大観衆に、そしてこれから先の未来において、SKY-HIに力を与え、SKY-HIから明日元気に生きるきっかけを受け取るすべての人に、2013年2月27日のSKY-HIの姿を届けるための資料である。

  ◆  ◆

「冒険だったんだよ、Zepp DiverCity (Tokyo)は。だけど、やれる気がしたんだよ。最初はひとりだったけど、「やれる気がするんです。」って周りの人に言い続けたら「やれる気がするねぇ」「やれる気がしますね」ってなって。「やっちゃいましょうか」ってなったのが今日だったんだよ。君たちがいなかったらこのライブは成功しなかったんだから。ていうか、<1st FLIGHT>俺のライブだと思ってないか? 君たちひとりひとりのライブだからね。おつかれさま、ありがとう。」

「言うかどうか迷ったんだけど、言ってしまおう。今回のツアー、もし失敗だったっていう終わり方をするようなことがあれば、潔くマイクを置こうと思ってました。引退しようと思ってました。思ってたんだよ。俺だって嫌だよ。だし、自信の現れでもあったんだよ。人生かけた初めてのツアーで、「やんなきゃよかったんじゃね?」みたいなことにもしなるようなことがあったらさ、もうそんなのやっている意味ないじゃん。なんなんだよ俺、ってなるしさ。したら今までの26年間一旦ゼロに戻してさ、ゼロから考え直せばいいかなぁ、と思っていた次第ですよ。」

「このライブが成功だったか失敗だったか。答えは俺しかわかんないと思うんだよね。こっから見た景色、みんなのライブ終演を迎える時のこの顔を見たら、誰にもこれ、失敗だなんて言わせない。みんなのおかげで俺、今回のライブ成功だったって胸張れます。本当に、心から、ありがとうございます! ひとりずつ見せてあげたい、この景色を。」

「ずっとステージ立ってるんで、気が向いたら会いに来てください。その時は、今日よりさらに楽しいものを絶対届けるから。また、会いましょう。それが一番伝えたいことかもしれない。“また、会いましょう”。」

「それぞれにそれぞれの人生があるんならさ、それぞれにそれぞれのHIP HOPがあるんだよ。そんなもん学ぶもんじゃないし、誰かに作られるものじゃないし、それぞれに絶対あるからさ。知らなきゃいけない、聞かなきゃいけない、そういうのどうでもいいんだよ。聞けば聞くだけ楽しいと思うよ。俺は、自分でそうしてきた。けれども、それを強要するようなことは絶対しない。みんなそれぞれにそれぞれの人生があるから、それぞれにそれぞれの関わり方で、それぞれにそれぞれのHIP HOPを育てていければいいんじゃないかな。レペゼンしていけばいいんじゃないかなって思います。」


「みんなに刺さる曲、俺、ないんだよ。なのになんで会場はひとつになっているんだ?(笑) ほんとに嬉しいし、これからもやっていける気がしてます。本当にありがとうございます。」

「あの、俺さ、このツアー失敗したらマイク置こうと思ってたけど、みんなのおかげで続けていけますって話したじゃん? 福岡のライブが終わった後に、福岡、初日なの。2月8日の福岡のライブが終わった後に、見えた景色が……あるんだよね。あの、これまでもそう。最初、紙に書くじゃない? こういうことやりたいんです。こういうことやれそうだと思うんです。「やれそうだねぇ。」ってのをさ。最初の段階。紙に書いたのが、立体になる時ってのがあってさ。実際に『FLOATIN' LAB』を作っている時に、あ、6月にイケそうだなって思ったし、5月にCDが出た時に、あ、これは来年の頭はもっとたくさんツアー回れるんじゃないのかなって、具体的になる瞬間ってのがあって。具体的になったことってのは、その時、俺だけのことだから、みんなからすれば「無理だよそれ」って絶対、言われるんだけど、でもなんとか死ぬ気でやったら何とかなっていくものだと思うんだよね。可能性があるから形になって見えるんだと思うし。」

「えー、2年……だな。2年くれ。2015年にさ、日本武道館でやろうよ。SKY-HIのライブを。」

「その時にさ、君たちは最初の<FLIGHT>の乗組員なわけだからさ、俺の武道館じゃないよ。みんなの武道館にしちまおうぜ、その時にさ。俺のライブじゃない。君たちのライブだから。一緒に作っていけたらなぁと思います。夢物語だけど、夢物語じゃないぜ。実現しちゃおうぜ。……言っちゃった!! 」

「2年後、日本武道館で会いましょう! ありがとうございました。」

text by ytsuji a.k.a.編集部(つ)
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