【ライブレポート】清春、2012年ファイナルライブは過去最高の全64曲7時間半

ポスト

清春の2012年を締めくくるライブ<'12 FINAL>が、12月25日に横浜Bay Hall、12月30日には大阪なんばHatchで開催された。オフィシャルレポートをお届けしよう。

◆清春 <'12 FINAL> 画像、両公演のセットリスト

2012年12月、清春の年末恒例東名阪ライブが行なわれた。12月25日の横浜Bay Hall公演、2011年末、同会場で「来年もやろう」と話した清春の言葉が現実となったこの日はクリスマス当日。清春本人がTwitterで呼びかけていたこともあり、フロアは思い思いのクリスマスコスチュームに身を包んだファンの姿で溢れていた。毎年クリスマス近辺の日程でライブが行なわれていたにも関わらず、このような呼びかけは意外にも初めてだそう。

ニューアルバム『UNDER THE SUN』収録の「WALK ON THE MOON」をSEに清春が姿を現す。ビビッドな赤のネクタイがこの日らしい。そして、特別な夜のステージは「JUDIE」で幕を開ける。勢いあるアップテンポな楽曲を次々と披露したあと、清春が奏でるギターから「wednesday」へ。そこから楽曲は徐々にアダルトなムードへ向かい、「Merry X'mas I Love You」を訴えかけるように優しく、丁寧に歌い上げる。

清春が常日頃思っていることを綴ったという「イエスタデイ」。本人曰く、“長く活動しているミュージシャンの憂鬱”だというこの楽曲。真剣に聴き入るオーディエンスと彼らをしっかりと見つめながら歌う清春の姿は、双方とも真正面からその思いを受け止めているようで、そこには力強さが満ちていた。

「CRY OUT」を境にハードナンバーへと突入すると「狂え横浜!」と清春が叫ぶ。前日から寒波が押し寄せていた関東だが、場内はそんなことを忘れるほどの熱気に包まれる。「COME HOME」まで駆け抜けると、場内いっぱいのメロイックサインが掲げられ、本編は終了となった。

アンコールで披露された「MESSIAH」に救いを感じ、続く「UNDER THE SUN」で生命の存在と深い愛情を思った。清春は<太陽の下で>と歌ったあと、元の歌詞には入っていない<真実の下で>と付け足した。太陽の下で生きていること、それは誰にとっても紛れのない真実。常にそんな真実の下で生きていきたい、そう思った。

二度目のアンコールでは、サンタ帽をかぶったサポートミュージシャンに続き、清春はなんとも可愛らしいトナカイの被り物で登場。ちなみにこのトナカイは、清春本人がWEBで購入したとか。ゆるいMCで和んだあと、この格好のまま「SANDY」「HAPPY」など恒例の人気ナンバーを繰り広げ、場内は笑顔に包まれた。

年が明け、清春はメジャーデビュー20年目を迎える。「20年目の2013年、20周年の2014年、この二年間が思い出に残るような年にと考えてる。」と話し、「ライブで皆に会って幸せな気持ちになれる。そういう日がどれくらいあるか、という基準で常にスケジュールを立てる。」とファンにとっては嬉しい言葉も。そんな言葉のあとに披露されたのは「涙が溢れる」。この楽曲は清春とファンの関係性、ステージから見た景色を歌ったもの。清春は<愛しい天使達>と歌い、オーディエンスに手をかざした。歌い終え拍手が起こると、「『涙が溢れる』ができて良かったな、と思わせてくれて、ありがとう。」と本音を口にした。そして、「EMILY」「あの詩を歌って」で場内は一体となり、この夜のステージは幕を閉じた。

清春の2012年を締めくくるライブは12月30日、大阪なんばHatchで行われた。近年、年末最後のライブは5時間を超えるものとなっているが、2012年のファイナルは、期待通りというよりそれ以上、清春自身にとっても過去最高となる曲数、なんと全64曲を披露、7時間半におよぶステージとなった。MCでは「来年もやります。」と、この恒例ライブを約束。

また、清春は2013年1月25日の長野CLUB JUNK BOXを皮切りに、11月にリリースしたニューアルバム『UNDER THE SUN』を引っさげた全国ツアー<UNDER THE SKIN>をスタートさせる。清春の言葉を借りるなら「思い出は多いほうが素敵です」。果てしなく幸福で愛溢れる濃密な空間をぜひ共有していただきたい。

text by 金多賀歩美

◆VARKS
◆清春 オフィシャルサイト
この記事をポスト

この記事の関連情報