【インタビュー】2CELLOS全曲本人解説、「直感で音楽を感じとることができるミュージシャンばかりが参加している」

ポスト

チェロ2本で演奏したマイケル・ジャクソンの「スムーズ・クリミナル」で世界を熱狂させたルカ・スーリッチとステファン・ハウザーによる2CELLOSが、今週、2ndアルバムをリリースする。

◆2CELLOS画像

この1年でひとまわりもふたまわりも大きく成長した2人。ミュージック・ファンだけでなくアーティストをも魅了した彼らの新作にはエルトン・ジョンやスティーヴ・ヴァイ、ズッケロ、ラン・ランらがゲスト参加。また、アリス・クーパー、キッス、ピンク・フロイドなどの作品で知られるボブ・エズリンをプロデューサーに迎えたことでサウンドがよりパワフルでビッグになった上、2人が作曲したオリジナル・トラックを収録するなど、1作目の成功に甘んずることなく新たな領域に挑んだ。

第2章の幕を切った2人にロンドンで話を聞いた。

――この1年で生活というか人生が大きく変わったと思いますが…

ステファン:まだ生きてるよ(笑)。いろんなことがあった。信じられないよ。ニュー・アルバムのゲストを見てもわかる。すごい顔ぶれだろ?

――母国クロアチアでは、レッド・ホット・チリ・ペッパーズとも共演しましたね?

ステファン:そうだよ!

ルカ:彼らのオープニング・アクトとして出演して、全曲2人でプレイするはずだったんだけど、AC/DCの「バック・イン・ブラック」でステージの後ろにいたチャドが飛び入り参加してくれたんだ。スゴイことだよ!

――そして、日本へも行かれましたね?

ルカ:日本は素晴らしいところだよ。日本のオーディエンスは細かいところまでちゃんと聴いてくれる。アレンジやディテールに興味を示してくれるんだ。素晴らしいオーディエンスだよ。だから、日本で新作を先にリリースすることにしたんだ。

――新作の曲を簡単に解説していただけますか? まずは「オー・ウェル」から。

ルカ:エルトンにやってみたらって薦められたんだ。フリートウッド・マックの曲で、知らなかったんだけど、彼がプレイしてくれたとき僕らにピッタリだって思った。で、ヴォーカルのパートがあったから、エルトンに歌ってくれないかって頼んだんだ。承諾してくれて嬉しかったよ。

――リアーナの「ウィー・ファウンド・ラヴ」

ステファン:若いオーディエンス向きだって思ったんだ。メロディーがきれいでチェロで演奏するにはピッタリだ。

――そしてAC/DCの「地獄のハイウェイ」

ステファン:この曲は僕らのライヴでのハイライトだ。だから今回、アルバムに入れたかった。

ルカ:スティーヴ・ヴァイっていう素晴らしいギタリストをゲストを迎えることができて、曲がさらにパワフルになった。

――ポリスの「見つめていたい」

ステファン:僕らのお気に入りの曲の1つなんだ。メロディーがすごく美しい。

――ミューズ「スーパー・マッシヴ・ブラック・ホール」

ステファン:『グリー』のナヤ・リベラが参加している。『グリー』に出演したとき、意気投合したんだ。エフェクトを使って、これまでの僕らとは違う音を出している。

――レーサーX「テクニカル・ディフィカルティーズ」

ステファン:ギターでも弾くのが難しいんだ。チェロだったらなおさらだよ。

ルカ:僕らのテクニックを見せびらかしたかったんだ(笑)。

ステファン:1stでやりたかったんだけど、難しすぎてギブアップしてたんだよ。

――コールドプレイ「クロックス」

ルカ:ピアノとチェロでプレイするにはパーフェクトな曲だ。ラン・ランみたいなピアニストとプレイできるなんて、素晴らしいよ。

――シェール「バン・バン」

ルカ:スカイ・フェレーラはいま注目されている若いシンガーだ。ユニークな声で将来が期待されている。エルトンに紹介された。

――プロディジー「ヴードゥー・ピープル」

ステファン:プロディジーをチェロでプレイするなんて想像できる?僕らはそれを実現したんだよ。すごくハッピーだ。難しかったけどね。

ルカ:この曲とミューズの曲ではエフェクトを使った。サウンドをリッチでパワフルにするためにね。それが前作と一番違うところだ。

――エルトン・ジョンの「キャンドル・イン・ザ・ウィンド」

ステファン:エルトンは僕らがこれをやるのを知らなかったんだ。出来上がったのを聴かせたら“オー・ノー”って言ってたよ。だって、すごくカラフルになったからね。こんなに違うものができるなんて、彼、想像してなかったんだ。気に入ってくれたよ。

――そしてオリジナル・トラックの「オリエンタル・エクスプレス」

ルカ:初めて2人で作った曲だ。すごくシンプルで、ゆっくりと発展していく。

ステファン:僕らにとって本当のデビュー・ソングだ。

ルカ:自然に誕生したんだ。映画のサントラのようなきれいな曲ができて満足している。

――「イル・リブロ・デル・アモーレ」

ステファン:ズッケロの声が大好きなんだ。前作は全曲チェロだけでプレイしたけど、今回はイタリア語で歌っている曲を入れたらどうかって思った。それなら、ズッケロだって!

ルカ:ズッケロとは知り合いってわけじゃなかったけど、頼んでみたんだよ。すぐにOKしてくれた。僕らのことは前から知っているって言ってね。

――カール・ジェンキンス「ベネディクトゥス」

ステファン:すごく特別な曲だ。チェロを演奏する人でさえ知らないけど、すごく美しい名曲のひとつだ。スピリチュアルでエモーショナルだよ。

――このアルバムにテーマはあるのでしょうか?

ルカ:タイトルにもなっているINTUITION、直感だよ。これは僕らのパフォーマンスで1番大切なことなんだ。それに、今回の作品には直感で音楽を感じとることができるミュージシャンばかりが参加している。

――最後に日本のファンへメッセージをいただけますか?

ステファン:We Love You! 世界で最も素晴らしいファンだ。みんなの前でまたプレイできる日を楽しみにしている。だから、日本で先行リリースすることにしたんだよ。

2CELLOSのニュー・アルバム『2CELLOSIN2ITION』は、世界に先駆け日本で11月7日に発売。2月には待望の日本ツアーが予定されている。


photographer credit: Smallz & Raskind / (C) Sony Music Entertainment
Recording studio photo credit: Mathieu Young / (C) Sony Music Entertainment

Ako Suzuki, London
この記事をポスト

この記事の関連情報