ローランドの最高峰シンセサイザー音源「INTEGRA-7」、6,000以上の音色とサラウンド&iPadコントロール機能搭載で登場
ローランドから「最高峰シンセサイザー音源」と銘打った最新フラッグシップ音源「INTEGRA-7」が発売された。「JUPITER-80」で好評のSuperNATURALサウンドに加え、定番音源「XV-5080」とその拡張音源SRXシリーズをすべて収録。合計で6,000以上の音色を搭載するという基本スペックだけでもグッとくる人は多いはず。さらに、新開発のマルチエフェクトやローランド独自の立体音響技術RSSを応用したモーショナル・サラウンド、iPadによるエディット、そして充実のPC連携機能など、最新型の“使える”シンセサイザーとして、ソフトシンセ全盛の現在においても一際光る注目すべきハードウェア音源になっている。さっそくその魅力をチェックしていこう。
■表現力豊かなSuperNATURAL音源
まず注目したいのはSupaerNATURALサウンド。特にアコースティック楽器の音色では、サウンドのリアルさだけでなく、演奏表現まで実現してしまうのがすごいところ。演奏するフレーズによって、それぞれのトーンに最適な音色が繰り出され、さらにピッチ・ベンドやモジュレーション・レバーなどの操作で楽器特有の演奏表現が再現できるのだ。
たとえば、ギターではレガートで弾けばスライド奏法やハンマリング奏法になる、ベースではフレットノイズが自動で出るなど、これまではデータを細かく打ち込まなければ表現できなかった奏法が、意識せず実現できてしまう。あわせて外部MIDIコントローラーやDAWソフトウェアからのコントロール・チェンジ情報で、ギターならミュートやハーモニクス奏法、和音を弾いただけでも個々の音がバラけて鳴るストラミングが可能になるし、ストリングスならポルタメントやスタッカート、トレモロ奏法が、管楽器ならトリルやスタッカート、グリッサンドやグロウル奏法まで、多彩にこなせる。しかもリアルタイム演奏でだ。
また、JUPITERシリーズ未収録の音色も新規投入。高域での倍音が付加されるフラジオ奏法を可能にしたサックスや、エクスプレッションで歪ませたり、タッチで劇的に音色が変化する尺八など、まさに表現力豊かな音色が多数揃っている。もちろん定番音色も充実。ピアノは専用音源並みのクオリティだし、いかにもシンセ!といった過剰な分厚さのない新規のストリングス音色なども注目だ。
▲INTEGRA-7にベストマッチのA-49は49鍵のMIDIキーボード・コントローラー。ブラックとホワイトの2色を用意。アイボリー・フィールG鍵盤搭載、ピアノ・タッチの88鍵モデルA-88もラインナップされる。 一方、シンセサイザー系音色では、「JUPTER-80 Version 2」「JUPITER-50」で搭載されたアナログ・シンセ特有の振る舞いを表現するエンベロープやヴィンテージ・シンセサイザーばりのロー・パス・フィルターにより、分厚いサウンドが得られる。そして、後述のマルチエフェクトと組み合わせれば、さらに個性的なサウンドが作り出せるようになっている。また、ドラムサウンドには新規開発のSuperNATURALドラム・キットを搭載。アコースティック・ドラム特有の鳴り方や演奏表現もシミュレートする。弱打から強打までの音色変化や連打に対する反応の自然さは、従来のドラム音色と一線を画すクオリティだ。
サウンドメイクと演奏する楽しさが味わえる「INTEGRA-7」は、鍵盤搭載機と異なり、好きな鍵盤やMIDIコントローラーを自由に組み合わせられるのも魅力の1つ。設置スペースに合わせてチョイスしたい。その際には、SuperNATURAL音源のコントロールに最適なパラメーターに瞬時にアクセスできるモードを装備したMIDIキーボードコントローラー「A-88」(12月発売)、「A-49」(発売済み)がその最有力候補になるだろう。
■ローランドのサウンド資産を1台に凝縮
シンセサイザーを長く使ってきた人は、スタジオの定番音源モジュール「XV-5080」とエクスパンション・ボードSRXシリーズ全12タイトルの音色をすべて収録しているという点に引きつけられることだろう。このことは、これまで構築してきた制作環境を維持したまま音源モジュールのグレードアップができるということも意味する。SRXシリーズを数十万円出して揃えてきた人は「あれがすべて揃って、さらに最新音源も収録した音源が17万円前後で買えるのか」と愕然とするかもしれない。「ここまでサービスしていいの?」なんて感想も出そうだ。それだけインパクトは強い。さらにハイクオリティなGM2音源まで搭載、既存のSMFのMIDIデータ再生にもバッチリ対応する。手持ちのデータを鳴らしただけでも、数段階のクオリティアップが実感できること間違いなしだ。
▲90年代のJV-1080/2080に続き、2000年に登場するやスタジオの定番音源となったXV-5080。INTEGRA-7には音色拡張ボードSRXシリーズ12タイトルの音色も合わせて収録。大容量ウェーブ使用の鍵盤楽器、オーケストラ、ダンス系、民族楽器、ドラムスなど多岐に渡る高品位な音色をラインナップ。
SuperNATURAL音色と合わせて6,000以上のサウンドが、いつでもすぐに使用可能な状態でスタンバイ、ソフトウェア音源のようなロードの待ち時間もない。お気に入りの音色は本体搭載の大型バックライト付きグラフィックLCDやTONE FINDER機能ですばやく検索できるし、音色選択には後述のiPadも利用可能。改めてハードウェア音源を見直す機会にもなりそうだ。
■16パートすべてでマルチエフェクトが使用可能
従来のマルチティンバー音源では、「搭載されるマルチエフェクトの出来はいいけど、1パートでしか使えない」といったことがままあった。いわゆる単音使用時とマルチ使用時で音が違う、という残念な仕様だ。しかし、「INTEGRA-7」ではそんな心配は無用。16パートすべてにマルチエフェクトが使用可能だ。しかもその多くは本機のために新規開発されている。たとえば、エレクトリック・ピアノやオルガンには、それぞれの楽器に最適な歪みやスピーカーの設定が行えるなど、音質だけでなく、使いやすさの面でもブラッシュアップされているのだ。また、最近流行のいわゆる汚し系エフェクトとして過激な音づくりが楽しめるBit Crusherも搭載、リバーブは高解像度な残響処理を行うなど、見どころは多い。
■音場空間コントロール技術で、サウンドをサラウンド定位
音源としては新機軸の機能となるのが、「モーショナル・サラウンド(Motional Surround)」。INTEGRA-7内蔵の16パートに加え、外部入力1パートの計17パートをサラウンド定位させることができるというものだ。ローランドがこれまで培ってきたRSS(Roland Sound Space Processer)という独自技術を用いることで、2ch出力で奥行きや左右の広がりを実現可能。スピーカー出力とヘッドホン出力それぞれの出力モードに対応する。
この「モーショナル・サラウンド」、音の広がりや奥行きを再現できるのはもちろん、音が空間を自由に飛び交うその効果はとても新鮮で、ぜひ実際に体感してもらいたいのだが、設定が面倒では?という不安もあるだろう(実際、従来の製品では複数のパラメーターを同時に動かすだけでもとても手間がかかった)。そこも心配無用。パソコン用にVSTiプラグイン・エディターが用意され、DAW上で各パートのサラウンド定位をリアルタイムに記録、再生することができるようになっている。また、iPadアプリでのコントロールも可能。いずれもグラフィカルにコントロールできるので、カンタンこの上ない。
▲各パートのサラウンド定位はVSTiプラグイン・エディターを使ってcakewalk SONARをはじめとするWindows DAW上からコントロールが可能(画面はSONAR X1 Producerで使用)。動きも記録・再現できる。
内蔵音源の各パートだけでなく、外部入力の音をサラウンド定位させられるのもポイントだ。「INTEGRA-7」を立体音場コントロール用のエフェクターとして利用できるというわけ。また、スピーカーのセッティングに合わせて「INTEGRA-7」のパラ・アウトから5.1chの出力にも対応する。アイディア次第でさまざまな使用方法ができそうだ。そのサウンドは下記リンクの紹介ページでチェックしてほしい。
■iPadでコントロール&エディット
「INTEGRA-7」使用時の快適さをさらにアップさせるのがiPadアプリの存在だ。iPadアプリから行えるのは、音色選択やボリューム、パンの設定、さらにバーチャル・スロットへのSRXのロード、シンセ・エディット、音場空間コントロールの定位など。iPadならではの大画面で一度に多くの情報が把握できるので、設定時の効率は抜群。オプションのワイヤレスUSBアダプター「WNA-1100RL」使用で無線接続にも対応するので、設置に困ることもない。「INTEGRA-7」と演奏用の鍵盤コントローラー、そしてiPad。ぜひセットで揃えたい快適環境がここにはある。
▲iPadアプリ「INTEGRA-7 Editor for iPad」は、モーショナル・サラウンドの設定や、SuperNATURALシンセ・トーンのパラメーター操作、バーチャル・スロットへの音色の読み込みなどに対応。Appストアから無償ダウンロード可能。
■パソコンのDAW環境との高い親和性、充実の入出力
最新型の音源だけあってパソコン/DAWソフトとの連携にも抜かりはない。背面パネルのUSB COMPUTER端子にパソコンを接続すれば、MIDIだけでなくオーディオ信号もやりとり可能。オーディオケーブルをつなげることなく、「INTEGRA-7」内蔵音源の再生音をDAWに録音でき、さらにDAWの再生音を「INTEGRA-7」のアウトプットから出力して聴くことができる。生楽器やボーカルなどの録音が不要なら、オーディオ・インターフェイスなしでOKというわけだ。
また、DAWソフトとしてWindows用の「SONAR LE」も付属する。先に触れたプラグインソフトと合わせて「INTEGRA-7」を自在にコントロール、その音をオーディオ化して配布というところまでワンパッケージで済ませられるようになっている。
このほか入出力は、MIDI IN/OUT/THRU、ヘッドホン出力、オーディオ入力(フロント、リアにそれぞれ標準タイプのL/R)、オーディオ出力はミックス(標準タイプとXLRのL/R)と5.1ch出力(それぞれ標準タイプ)、デジタルアウト(コアキシャル)、USBメモリー端子を搭載。デジタル出力は最高24ビット/96kHz対応で、アナログ出力の品質にも徹底的にこだわった設計となっている。まさにフラッグシップ音源らしい充実した装備だ。
仕様を知れば知るほど、触ってみたい、音を出してみたいという誘惑にかられる人は多いはず。そして、その時にいだいた予想を決して裏切ることはないというのも間違いないハードウェア音源「INTEGRA-7」。ぜひ、店頭でその実力をチェックしてほしい。
<おもな仕様>
最大同時発音数:128音(音源負荷に依存して変化)
パート数:16パート
トーン:SuperNATURALアコースティック、SuperNATURALシンセ、SuperNATURALドラムキット、PCMシンセ、PCMドラムキット
※GM2音色を含む
拡張用仮想スロット:スロット数=4
※下記のタイトル(本体メモリーに内蔵)からロードして使用。
SRXシリーズ(全12タイトル)、拡張用SuperNATURAL音色(6タイトル)、拡張用高品位PCM音色(1タイトル)
※SRXシリーズ、拡張用SuperNATURAL音色は、1タイトルにつき1つの仮想スロットを使用。
※拡張用高品位PCM音色は、1タイトルで4つすべての仮想スロットを使用。
エフェクト:マルチエフェクト=16系統、67種類、パートEQ=16系統、ドラム・パート用 COMP+EQ=6系統、モーショナル・サラウンド、コーラス=3種類、リバーブ=6種類、マスターEQ
ディスプレイ:256×80ドット(バックライト付きグラフィックLCD)
接続端子:PHONES端子(ステレオ標準タイプ)、INPUT端子(L、R)(標準タイプ、フロント側)、INPUT端子(L、R)(標準タイプ、リア側)、OUTPUT A(MIX)端子(L、R)(XLRタイプ)、OUTPUT A(MIX)端子(L/MONO、R)(TRS標準タイプ)、OUTPUT B端子(L、R)(標準タイプ)、OUTPUT C端子(L、R)(標準タイプ)、OUTPUT D端子(L、R)(標準タイプ)、DIGITAL AUDIO OUT(COAXIAL)端子、MIDI端子(IN、OUT、THRU)、USB COMPUTER端子(オーディオ/MIDI対応)、USBメモリー端子、AC IN端子
電源:AC100V(50/60Hz)
消費電力:18W
付属品:取扱説明書、DVD-ROM(SONAR LE)、電源コード、保証書、ローランド ユーザー登録カード
別売品:USBメモリー
外形寸法:481(W)×262(D)×89(H)mm
質量:3.9 kg
◆INTEGRA-7
価格:オープン(予想実売価格 17万円前後)
発売日:2012年9月22日
◆INTEGRA-7 製品詳細ページ
◆INTEGRA-7 スペシャルページ
◆プレスリリース
◆ローランド
◆ローランド2012年秋の新製品、フラッグシップ音源モジュールやボーカル向け練習ツールなど大量投入
◆ローランド チャンネル
◆BARKS 楽器チャンネル
■表現力豊かなSuperNATURAL音源
まず注目したいのはSupaerNATURALサウンド。特にアコースティック楽器の音色では、サウンドのリアルさだけでなく、演奏表現まで実現してしまうのがすごいところ。演奏するフレーズによって、それぞれのトーンに最適な音色が繰り出され、さらにピッチ・ベンドやモジュレーション・レバーなどの操作で楽器特有の演奏表現が再現できるのだ。
たとえば、ギターではレガートで弾けばスライド奏法やハンマリング奏法になる、ベースではフレットノイズが自動で出るなど、これまではデータを細かく打ち込まなければ表現できなかった奏法が、意識せず実現できてしまう。あわせて外部MIDIコントローラーやDAWソフトウェアからのコントロール・チェンジ情報で、ギターならミュートやハーモニクス奏法、和音を弾いただけでも個々の音がバラけて鳴るストラミングが可能になるし、ストリングスならポルタメントやスタッカート、トレモロ奏法が、管楽器ならトリルやスタッカート、グリッサンドやグロウル奏法まで、多彩にこなせる。しかもリアルタイム演奏でだ。
また、JUPITERシリーズ未収録の音色も新規投入。高域での倍音が付加されるフラジオ奏法を可能にしたサックスや、エクスプレッションで歪ませたり、タッチで劇的に音色が変化する尺八など、まさに表現力豊かな音色が多数揃っている。もちろん定番音色も充実。ピアノは専用音源並みのクオリティだし、いかにもシンセ!といった過剰な分厚さのない新規のストリングス音色なども注目だ。
▲INTEGRA-7にベストマッチのA-49は49鍵のMIDIキーボード・コントローラー。ブラックとホワイトの2色を用意。アイボリー・フィールG鍵盤搭載、ピアノ・タッチの88鍵モデルA-88もラインナップされる。
サウンドメイクと演奏する楽しさが味わえる「INTEGRA-7」は、鍵盤搭載機と異なり、好きな鍵盤やMIDIコントローラーを自由に組み合わせられるのも魅力の1つ。設置スペースに合わせてチョイスしたい。その際には、SuperNATURAL音源のコントロールに最適なパラメーターに瞬時にアクセスできるモードを装備したMIDIキーボードコントローラー「A-88」(12月発売)、「A-49」(発売済み)がその最有力候補になるだろう。
■ローランドのサウンド資産を1台に凝縮
シンセサイザーを長く使ってきた人は、スタジオの定番音源モジュール「XV-5080」とエクスパンション・ボードSRXシリーズ全12タイトルの音色をすべて収録しているという点に引きつけられることだろう。このことは、これまで構築してきた制作環境を維持したまま音源モジュールのグレードアップができるということも意味する。SRXシリーズを数十万円出して揃えてきた人は「あれがすべて揃って、さらに最新音源も収録した音源が17万円前後で買えるのか」と愕然とするかもしれない。「ここまでサービスしていいの?」なんて感想も出そうだ。それだけインパクトは強い。さらにハイクオリティなGM2音源まで搭載、既存のSMFのMIDIデータ再生にもバッチリ対応する。手持ちのデータを鳴らしただけでも、数段階のクオリティアップが実感できること間違いなしだ。
▲90年代のJV-1080/2080に続き、2000年に登場するやスタジオの定番音源となったXV-5080。INTEGRA-7には音色拡張ボードSRXシリーズ12タイトルの音色も合わせて収録。大容量ウェーブ使用の鍵盤楽器、オーケストラ、ダンス系、民族楽器、ドラムスなど多岐に渡る高品位な音色をラインナップ。
SuperNATURAL音色と合わせて6,000以上のサウンドが、いつでもすぐに使用可能な状態でスタンバイ、ソフトウェア音源のようなロードの待ち時間もない。お気に入りの音色は本体搭載の大型バックライト付きグラフィックLCDやTONE FINDER機能ですばやく検索できるし、音色選択には後述のiPadも利用可能。改めてハードウェア音源を見直す機会にもなりそうだ。
■16パートすべてでマルチエフェクトが使用可能
従来のマルチティンバー音源では、「搭載されるマルチエフェクトの出来はいいけど、1パートでしか使えない」といったことがままあった。いわゆる単音使用時とマルチ使用時で音が違う、という残念な仕様だ。しかし、「INTEGRA-7」ではそんな心配は無用。16パートすべてにマルチエフェクトが使用可能だ。しかもその多くは本機のために新規開発されている。たとえば、エレクトリック・ピアノやオルガンには、それぞれの楽器に最適な歪みやスピーカーの設定が行えるなど、音質だけでなく、使いやすさの面でもブラッシュアップされているのだ。また、最近流行のいわゆる汚し系エフェクトとして過激な音づくりが楽しめるBit Crusherも搭載、リバーブは高解像度な残響処理を行うなど、見どころは多い。
■音場空間コントロール技術で、サウンドをサラウンド定位
音源としては新機軸の機能となるのが、「モーショナル・サラウンド(Motional Surround)」。INTEGRA-7内蔵の16パートに加え、外部入力1パートの計17パートをサラウンド定位させることができるというものだ。ローランドがこれまで培ってきたRSS(Roland Sound Space Processer)という独自技術を用いることで、2ch出力で奥行きや左右の広がりを実現可能。スピーカー出力とヘッドホン出力それぞれの出力モードに対応する。
この「モーショナル・サラウンド」、音の広がりや奥行きを再現できるのはもちろん、音が空間を自由に飛び交うその効果はとても新鮮で、ぜひ実際に体感してもらいたいのだが、設定が面倒では?という不安もあるだろう(実際、従来の製品では複数のパラメーターを同時に動かすだけでもとても手間がかかった)。そこも心配無用。パソコン用にVSTiプラグイン・エディターが用意され、DAW上で各パートのサラウンド定位をリアルタイムに記録、再生することができるようになっている。また、iPadアプリでのコントロールも可能。いずれもグラフィカルにコントロールできるので、カンタンこの上ない。
▲各パートのサラウンド定位はVSTiプラグイン・エディターを使ってcakewalk SONARをはじめとするWindows DAW上からコントロールが可能(画面はSONAR X1 Producerで使用)。動きも記録・再現できる。
内蔵音源の各パートだけでなく、外部入力の音をサラウンド定位させられるのもポイントだ。「INTEGRA-7」を立体音場コントロール用のエフェクターとして利用できるというわけ。また、スピーカーのセッティングに合わせて「INTEGRA-7」のパラ・アウトから5.1chの出力にも対応する。アイディア次第でさまざまな使用方法ができそうだ。そのサウンドは下記リンクの紹介ページでチェックしてほしい。
■iPadでコントロール&エディット
「INTEGRA-7」使用時の快適さをさらにアップさせるのがiPadアプリの存在だ。iPadアプリから行えるのは、音色選択やボリューム、パンの設定、さらにバーチャル・スロットへのSRXのロード、シンセ・エディット、音場空間コントロールの定位など。iPadならではの大画面で一度に多くの情報が把握できるので、設定時の効率は抜群。オプションのワイヤレスUSBアダプター「WNA-1100RL」使用で無線接続にも対応するので、設置に困ることもない。「INTEGRA-7」と演奏用の鍵盤コントローラー、そしてiPad。ぜひセットで揃えたい快適環境がここにはある。
▲iPadアプリ「INTEGRA-7 Editor for iPad」は、モーショナル・サラウンドの設定や、SuperNATURALシンセ・トーンのパラメーター操作、バーチャル・スロットへの音色の読み込みなどに対応。Appストアから無償ダウンロード可能。
■パソコンのDAW環境との高い親和性、充実の入出力
最新型の音源だけあってパソコン/DAWソフトとの連携にも抜かりはない。背面パネルのUSB COMPUTER端子にパソコンを接続すれば、MIDIだけでなくオーディオ信号もやりとり可能。オーディオケーブルをつなげることなく、「INTEGRA-7」内蔵音源の再生音をDAWに録音でき、さらにDAWの再生音を「INTEGRA-7」のアウトプットから出力して聴くことができる。生楽器やボーカルなどの録音が不要なら、オーディオ・インターフェイスなしでOKというわけだ。
また、DAWソフトとしてWindows用の「SONAR LE」も付属する。先に触れたプラグインソフトと合わせて「INTEGRA-7」を自在にコントロール、その音をオーディオ化して配布というところまでワンパッケージで済ませられるようになっている。
このほか入出力は、MIDI IN/OUT/THRU、ヘッドホン出力、オーディオ入力(フロント、リアにそれぞれ標準タイプのL/R)、オーディオ出力はミックス(標準タイプとXLRのL/R)と5.1ch出力(それぞれ標準タイプ)、デジタルアウト(コアキシャル)、USBメモリー端子を搭載。デジタル出力は最高24ビット/96kHz対応で、アナログ出力の品質にも徹底的にこだわった設計となっている。まさにフラッグシップ音源らしい充実した装備だ。
仕様を知れば知るほど、触ってみたい、音を出してみたいという誘惑にかられる人は多いはず。そして、その時にいだいた予想を決して裏切ることはないというのも間違いないハードウェア音源「INTEGRA-7」。ぜひ、店頭でその実力をチェックしてほしい。
<おもな仕様>
最大同時発音数:128音(音源負荷に依存して変化)
パート数:16パート
トーン:SuperNATURALアコースティック、SuperNATURALシンセ、SuperNATURALドラムキット、PCMシンセ、PCMドラムキット
※GM2音色を含む
拡張用仮想スロット:スロット数=4
※下記のタイトル(本体メモリーに内蔵)からロードして使用。
SRXシリーズ(全12タイトル)、拡張用SuperNATURAL音色(6タイトル)、拡張用高品位PCM音色(1タイトル)
※SRXシリーズ、拡張用SuperNATURAL音色は、1タイトルにつき1つの仮想スロットを使用。
※拡張用高品位PCM音色は、1タイトルで4つすべての仮想スロットを使用。
エフェクト:マルチエフェクト=16系統、67種類、パートEQ=16系統、ドラム・パート用 COMP+EQ=6系統、モーショナル・サラウンド、コーラス=3種類、リバーブ=6種類、マスターEQ
ディスプレイ:256×80ドット(バックライト付きグラフィックLCD)
接続端子:PHONES端子(ステレオ標準タイプ)、INPUT端子(L、R)(標準タイプ、フロント側)、INPUT端子(L、R)(標準タイプ、リア側)、OUTPUT A(MIX)端子(L、R)(XLRタイプ)、OUTPUT A(MIX)端子(L/MONO、R)(TRS標準タイプ)、OUTPUT B端子(L、R)(標準タイプ)、OUTPUT C端子(L、R)(標準タイプ)、OUTPUT D端子(L、R)(標準タイプ)、DIGITAL AUDIO OUT(COAXIAL)端子、MIDI端子(IN、OUT、THRU)、USB COMPUTER端子(オーディオ/MIDI対応)、USBメモリー端子、AC IN端子
電源:AC100V(50/60Hz)
消費電力:18W
付属品:取扱説明書、DVD-ROM(SONAR LE)、電源コード、保証書、ローランド ユーザー登録カード
別売品:USBメモリー
外形寸法:481(W)×262(D)×89(H)mm
質量:3.9 kg
◆INTEGRA-7
価格:オープン(予想実売価格 17万円前後)
発売日:2012年9月22日
◆INTEGRA-7 製品詳細ページ
◆INTEGRA-7 スペシャルページ
◆プレスリリース
◆ローランド
◆ローランド2012年秋の新製品、フラッグシップ音源モジュールやボーカル向け練習ツールなど大量投入
◆ローランド チャンネル
◆BARKS 楽器チャンネル
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