lynch.【インタビュー】「LIGHTNING」“明日死ぬかもしれないんだから、やっちゃえよ!”っていう意味に取ってもらいたい

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■サビの歌詞は何度も変えようとしたんです
■でも威力が高く最後まで残ってしまいました

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――独り言をメッセージに変えたことで、作詞も苦労されたんじゃありません?

葉月:ホントに今回は難航しましたね。伝えることが目的である以上、分かりやすく書かなければと思ったら、最初はまるで手紙のようなダサい詞になってしまって(笑)。そこから字面としても成立し、聴いた感じもカッコよく、でも、分かりやすいってところを目指して、何度も書き直したんですよ。特に出だしは当初英詩だったのを日本語にしたんで、英語用に作ったメロディに合う言葉を乗せるのが、かなり大変でした。

――苦労の甲斐あって、幕開けの“かけがえのない「現在」が過去にかわる”というフレーズには、ハッとさせられましたよ。そんな中で、葉月さんが一番こだわった歌詞は?

葉月:やっぱりサビの“明日を変えたけりゃ今しかないよ”ですね。これ、最初からあった歌詞なんですが、我ながら、あまりにも分かりやすすぎる!と思って、何度も変えようとしたんです。でも、それゆえに威力が高かったのか……最後まで残ってしまいました。

――いや、そこは最初に聴いたときから撃ち抜かれたところで、おかげで“この曲はいつものlynch.と違うな”と、一発でわかりました。

葉月:自分でも録り終って聴いたとき、ゾクッ!としましたね。今まで問いかける歌詞が無かったから、すごく斬新で。夏のツアー<THE FATAL EXPERIENCE>でも、9月以降の公演で披露してみたら、ファンの子にとっても新鮮だったみたいで、2パターンの反応が返ってきました。一つは“もう涙が止まりませんでした!”的なもので、もう一つは“葉月さんが、そんなこと言っちゃうんですか?”みたいな感じ。まぁ、今までの僕の詞からすると、ちょっとカユいところがあるのも否めないんで、後者の気持ちもわかります(笑)。

――そんなメッセージを浮き上がらせるべく、楽曲のほうも非常にシンプル&ストレートですが、こちらも周りの方々に意見を求めて?

葉月:はい。いわゆる一般的な意見が欲しかったんで、マネージャーとか宣伝部の人たちとか、いわゆる音のプロでない人の声を、どんどん取り入れたんですよ。だから作っては提出→ダメ出し→修正を繰り返して、普段は3つ4つで済むデモのパターンが、最終的には20を超えたくらい! 特に一番変わったのがサビの歌メロですね。とはいえ無理に何かを変えたのではなく、沢山の人に聴いてもらうために、必要ではない部分をトコトン削ぎ落としたと言ったほうが正しいかな。例えば、ここまでサッパリした曲だったら今までの場合、恐らく間奏で凝っただろうところを、割り切ってメインのリフを繰り返すだけにしてみたり。というのも、サビばっかりの曲にしたかったんですよ。ラジオとかテレビで流れたときに、サビが多ければ多いほどチャンスが多いんじゃないかとも漠然と感じて、実際とあるライターさんによると、この曲、トータル分数の7割がサビらしいです(笑)。

――全てはサビを活かすための引き算だったというわけですね。

葉月:だから、楽器隊に対するオーダーも“シンプルによろしく”っていうくらいでした。ただ、ドラムは割と手数も多くて、それほどシンプルではないですけど。あと、出だしの悠介くんのアルペジオには“やられた!”と思いましたね。すごくシンプルな4音くらいのフレーズにディレイが掛かっているだけなのに、そこで美しさも儚さも全部表現してくれているんですよ。

――シンプルで力強いサウンドに、時の儚さを見事に落とし込んでいますよね。発売されてファンが歌詞を完全に理解してからだと、ライヴでの伝わり方も大きく変わりそうです。

葉月:そうなんですよ。9月の段階では未発表の新曲だから、セットリストの真ん中あたりで演ってたんですが、きっと発売しちゃったら真ん中でやることは一生ないんじゃないかな。力がありすぎて、もう、頭かケツしか置きどころはないっていう、それくらい背負ってるような気がしてるんです。そうやって在るべき場所に組み込んで披露したときには、絶対グッと来ると思いますね。

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