<span>ジョー・ヘンリー</span>、<span>リサ・ハニガン</span>を携え来日決定

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2010年の初来日公演での圧倒的なパフォーマンスが大きな話題となり、再来日が待たれていたジョー・ヘンリーが2年ぶりに日本に戻ってくる。今回はアイルランドで最も人気も評価も高い注目の女性シンガー・ソングライター、リサ・ハニガンとのコラボ・ツアーだ。それも、それぞれのセットを演奏するのではなく、2人がずっとステージにいて、お互いの歌のバックアップを行ない、相手の作品を歌う場面もあるというから、これは真のコラボである。まさにライヴならではの楽しみに溢れたコンサートになること間違いなし。

◆ジョー・ヘンリー、リサ・ハニガン画像

リサ・ハニガンはダミアン・ライスの歌唱に寄り添う美声の歌手として知られたのち、2008年のソロ・デビュー・アルバム『シー・ソウ』が本国アイルランドで大ヒット。幾つもの賞に輝いただけでなく、英国の権威あるマーキュリー・プライズにノミネートされるほど、高い評価を受けた。あだっぽかったり、切なかったりすると思えば、時におちゃめだったり、いたずらげだったりもする表情豊かな歌唱と、チャーミングな人柄で熱烈なリサ・ファンを増やしてきた。

そのリサの待望のセカンド・アルバム『パッセンジャー』(2011年)のプロデューサーを務めたのが、ジョー・ヘンリーである。彼自身も25年のキャリアを持つシンガー・ソングライターだが、近年はプロデューサーとしても大活躍し、ボニー・レイットやエルヴィス・コステロから、ヴェテランのアラン・トゥーサン、モーズ・アリソンまでの素晴らしいアルバムを制作してきた。

ジョー・ヘンリーとリサ・ハニガンの出会いは2年前。ジョーはリサのことをまったく知らず、彼女の歌声を耳にして「ぶっ飛ばされた」のだという。2010年6月、ジョーはロンドンのサウス・バンク・アーツ・センターで開催されたメルトダウン・フェスティヴァル(キューレイターはリチャード・トンプソン)に出演した。パーセル・ルームでの自分の出番のサウンドチェックを終えたあと、同じ夜にケイト・マッガリグルの追悼コンサートが行われるフェスティヴァル・ホールを覗きにいったところ、ちょうどリサが歌っていたのだ。ルーファス・ウェインライトがリサをジョーに紹介した。「彼女が誰なのかまったく知らなかったんだけど、その晩は午前2時まで起きて、彼女のマネジャー宛に手紙を書いた。自分が何者で、何をしているかを説明して、もし僕が何らかの手伝いをできるなら、連絡してほしいと伝えた。そして僕らは一緒に仕事をすることになったんだ」。ジョーは自分が素晴らしいと思ったアーティストには積極的にアプローチすることで知られている。もう新作の録音は絶対にしないと決めていた80代のモーズ・アリソンに心変わりをさせたのも、彼の情熱だった。彼はリサにもそのくらいの情熱を抱いたのだ。

リサはジョーの申し出を「私にとっては思いがけないものすごい幸運だったわ」と振り返る。彼女はロスアンジェルズ滞在中に彼に会いに行く。電車に乗ってパサデナまで行くと、駅で待っていた「礼儀正しい南部紳士」は線路を渡って出迎えに来てくれた。最初に握手したときに、リサは既に「この人に今度の仕事をまかせよう」と決めていたという。「彼にはものすごい優雅さがあるの。落ち着いて自信を持った優雅さね。彼は素晴らしいミュージシャンだし、私が会った中でいちばんクールな人。音楽については彼を心から信頼できたし、彼はすごく趣味がいいの。私は思ったわ。彼はそこに座っているだけで、趣きがあるって(笑)」

ジョーもリサにすっかり心を奪われてしまったようだ。「僕は彼女をどの人よりも賞賛するよ。彼女はまったくもってファンタスティックだと思う」。お互いに深い敬愛の念を抱いた結果、リサのアルバム完成後も彼らのコラボは続くことになる。ジョーは制作中だった自分のアルバム『レヴァリー』の中の1曲で、リサに歌ってもらった。そして今年6月に2人が北米12都市13公演を一緒に回るコラボ・ツアーが行われ、10月に日本にもやってくることになったのである。

彼らのコラボがどんどん深化していることをよく示すのが、北米ツアー中にホテルの部屋や楽屋などで録音した「フィールド・レコーディング」だ。ウェブジンのペイスト・マガジン(www.pastemagazine.com)で公開された録音では、ジョーがリサの、リサがジョーの曲を歌ったり、公演地にちなんでニール・ヤングやジャクソン・ブラウン(LA公演に客演)のカヴァーを歌ったりしている。

なお、このツアーは、ジョー、リサ、ジョン・スミス、ロス・ターナーの4人のツアーでもある。ギターのジョン、ドラムズのロスはリサのバンドからの参加だが、ジョンは自分の歌も披露する。北米ツアーでは、その感情表現豊かな歌唱とパーカッシヴな奏法による鮮やかなギター演奏で観客を驚かせた。ジョン・スミスはニック・ドレイクやバート・ジャンシュ&ジョン・レンボーンに刺激を受けてギターを始め、今は亡きジョン・マーティンとデイヴィ・グレアムという巨人2人に可愛がられたという英国フォーク音楽界の期待の若手である。リサの『シー・ソウ』のプロデューサー、ジェイスン・ボスホフと米国南部を旅しながら録音した2009年の『マップ・オア・ダイレクション』が高い評価を受け、2010年7月に単独で来日も果たしている。

text by Tadd Igarashi

<ジョー・ヘンリー&リサ・ハニガン ジャパンツアー2012>
10/08(月・祝) 横浜 THUMBS UP
開場18:00 / 開演 19:00
前売:6,000円(税込み・整理番号付き・全自由)

10/09(火) 名古屋 CLUB QUATTRO
開場19:00 / 開演 20:00
前売:6,000円(税込み・整理番号付き・全自由)
入場時にドリンク代として500円いただきます。

10/10(水) 広島 CLUB QUATTRO
開場19:00 / 開演 20:00
前売:6,000円(税込み・整理番号付き・全自由)
入場時にドリンク代として500円いただきます。

10/12(金) 梅田 CLUB QUATTRO
開場19:00 / 開演 20:00
前売:6,000円(税込み・整理番号付き・全自由)
入場時にドリンク代として500円いただきます。

10/14(日) 京都 磔磔
18:00開場 / 19:00開演
前売:6,000円(税込み・整理番号付き・全自由)
入場時にドリンク代として600円いただきます

10/16(火) 渋谷 duo MUSIC EXCHANGE
開場19:00 / 開演 20:00
前売:6,000円(税込み・整理番号付き・全自由)
入場時にドリンク代として500円いただきます。

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