ビースティ・ボーイズのアダム・ヤウクが惚れ込んだ、狂熱の青春映画『ベルフラワー』
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◆『ベルフラワー』予告編映像
スタッフ、キャストは全て無名、大資本のバックアップはゼロ、映画会社・業界の関係も皆無のまさにアメリカ映画の突然変異ともいえる本作を最初にピックアップし、全米配給にまで尽力したのが、何を隠そうビースティ・ボーイズのアダム・ヤウクだった。「彼は『ベルフラワー』の最大の理解者だった。作品を信じてくれたんだ。」…これはアダムの急逝を受けて米ハフィントン・ポストの取材に応じた監督のエヴァン・グローデルの言葉だ。
アダムはアメリカン・ハードコア・パンクの最高峰バンドBAD BRAINSに憧れ、それと同じB.B.のイニシャルで1981年にビースティ・ボーイズを結成した。以後バンドは4,000万枚ものアルバムセールスを記録、グラミー賞を受賞し、ロックの殿堂入りまでも果たした。そしてアダムが晩年、最も情熱を注いでいたのが映画だった。2008年にアダムが創業した映画製作・配給会社のオシロスコープ社はこれまで『ウェンディ&ルーシー』『イグジット・スルー・ザ・ギフト・ショップ』『少年は残酷な弓を射る』などの個性的話題作を手掛け、「売れそうだからという理由で作品を選ぶことはない。我々は好きになれない作品を手掛けることはない。」と語っていた。
そんなアダムが興奮して契約にこぎつけたのが、この男の激情が爆発する猛作、『ベルフラワー』だ。
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オシロスコープ社は英語圏の権利を取得、以後世界中の映画祭への出品、2011年8月の全米公開、そしてサントラ発売、DVD/BDの発売まで『ベルフラワー』のすべてを展開している。エヴァンはアダムの貢献について熱く語った。「アダムはオシロスコープのオーナーだから、そんな上の立場の人は僕らのちっぽけな映画まで実際にはあまりかまってはくれないだろうなと思っていた。でも初めて会ったとき、すぐに『ベルフラワー』の話になって、アダムが『ベルフラワー』を一度ではなく、少なくとも数回は観ていることを確信した。もの凄く細かい部分の話になったんだ。彼はオーナーなのに『ベルフラワー』のすべての配給実務に深く関わっていた。アダムは作品にとんでもないほど貢献をしてくれたよ」。
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『ベルフラワー』の主要な音楽はその映画制作チームであるCOATWOLFの一員、ジョナサン・キーヴィルによるものだが、要所要所にCHROMATICS、RATATATなどの注目アーティストの音源が使われている。
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エヴァンは契約書に基づき、火炎放射器を作るためにそのパーツは揃えてあったという。「アダムが亡くなったことについては…、わからないけどとても悲しいニュースだ。彼が親友だったとまでは言えないけれど、わかるだろ?でもアダムが僕の人生にとてつもなく大きな意味を持っているということは間違いない」。配給だけでなく映画制作も手掛けていたアダムは、エヴァンの次回作についても興味を示していたという。
火炎放射器と改造車が大フィーチャーされ、男の夢と挫折、怒りと悲哀が爆裂する危険で凶暴な青春映画『ベルフラワー』は、6月16日よりシアターN渋谷で爆炎ロードショー、6月23日より大阪はテアトル梅田、名古屋は名古屋シネマテークにて哀愁公開、以後全国順次追撃ロードショーとなる。
『ベルフラワー』
製作・監督・脚本・編集:エヴァン・グローデル
CAST:エヴァン・グローデル/タイラー・ドーソン/ヴィンセント・グラショー/ジェシー・ワイズマン/レベッカ・ブランデス
2011年/アメリカ映画/カラー/スコープサイズ/106分/デジタル上映
原題:BELLFLOWER
(C)2011 Bellflowerthemovie, LLC
キングレコード+ビーズインターナショナル+日本出版販売 共同配給
twitter @BELLFLOWERJP
Facebook www.facebook.com/BELLFLOWER.JP
オフィシャルサイト www.bellflower-jp.com
6月16日(土)より、シアターN渋谷にて爆炎ロードショー、ほか全国順次公開
◆BARKS 映画チャンネル