フランク・オーシャン、ブラック・ミュージック・ファンは「フランク海洋。」に要注目
ビヨンセに曲を提供したり、タイラー・ザ・クリエイター率いるオルタナティヴ・ヒップホップ集団OFWGKTA(Odd Future Wolf Gang Kill Them All)のメンバーとして注目されるシンガー・ソングライターのフランク・オーシャンが、11月11日、ロンドンのクラブXOYOでソロ・パフォーマンスを行なった。
◆フランク・オーシャン画像
2月にセルフ・リリースしたミックス・テープ『nostalgia, Ultra』が話題となり、瞬く間にコアなファンがついたオーシャン。いま最も注目される新人アーティストの1人といわれる彼だけに、チケットは即完。この人気でクラブという会場は小さ過ぎ、地下のフロアに下りれず、入り口近くの階段まで人があふれるほどの混雑ぶりだった。
デビュー前のショウケース的なギグだったはずだが、オーシャンはこの夜15曲以上をパフォーマンス。1曲目のシャーデーのカヴァー「By Your Side」から大合唱となり、すでにファンの間では有名な「Thinking About You」「Swim Good」「Novacane」と続き、オーディエンスはシング・アロングとダンスで大熱狂。デビュー前だというのに、みんな曲を熟知していた。
また、オーシャンはこの夜、イーグルスの「Hotel California」をサンプリングした「American Wedding」でかの有名なギター・ソロをプレイしただけでなく、ラストではビヨンセに提供した「I Miss You」をキーボードで歌い上げるするなど多才なところも見せた。
そして、どうやら親日家らしいオーシャン。「Swim Good」のPVでは日本語が使われ、「Novacane」では芸者が登場しているが、会場で販売されていたTシャツ/タンクトップにも“フランク海洋。”と表記。ギグでも日本的なハチマキ姿に、アニメの映像を使用していた。
待望のデビュー・アルバム(タイトル未定)は2012年のリリースが予定されている。ビヨンセ、ジョン・レジェンドに曲を提供するなど実力は証明済みのソングライティングに、ダンサンブルではあるがどこかもの憂げなヴォーカル。ブラック・ミュージック・ファンは要チェックの新人アーティストだ。
Ako Suzuki, London